第23話 神鎧信者特効すぎてワロタ



 まさか近くにいた幼女が聖女になる人間とは思わなかったのだろう。

 教会のお偉いさんに失礼を働いたことに気づいて顔を青くしている。

 まだ十歳だが当主教育で権力関係を叩き込まれているだけに教会の権力の大きさがわかっているからな。

 とんでもないことをしてしまったと思っているのだろう。

 実際のところは貴族のように無礼討ちとかはないので無礼を働くだけでは大したことにはならないのだが。

 本当に教会が権力を使うときは背神行為とか宗教的対立に至った時だけだしな。

 まあ妹は賢いのでまた衝突するようなことはないとは思うが保険のためにあえて話さないようにしとくか。


「あら知らないお嬢さんどうかされ──こ、これはなんという神々しさ!?」


 会場に行き教皇──モンローとばったり出くわして妹について問いかけてくると思うと神鎧の神々しさによってキャンセルされた。

 余程驚いているようで凝視したまま動かなくなる。

 神鎧の威光が早速発動してモンローが餌食になったな。


「エリス様の祝福を強く受けているようですね。戦時中でなければ是非とも御神体として祀りあげたいところです。確かにこの鎧が会場にあるならばエリス様の意思を感じ、聖女就任にも納得することでしょう」


「教皇のお墨付きが頂けて安心しました。すいませんが妹が窮地にあって教会で保護して頂きたいのですが大丈夫でしょうか?」


「ええ構いません。このエリス様の祝福の宿ったこの鎧と出会って運命を感じたこの時、シドさんの妹が訪れたこともまた運命と感じますから」


 神鎧の効果は絶大だな。

 理由を説明するまでもなく保護してくれるとは。

 演説とかもなしにこいつを見せるだけでもステラの聖女就任はうまくいくような気がしてきたな。


  ───


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