第4話 小学二年の頃のちんこ

僕は小学二年生になった。新しいクラスになったとはいえ、ほとんどの顔ぶれは一年生の時と変わらなかった。担任の先生が少し優しそうな人に変わっていたけれど、それ以外は大きな変化もない。

ただ、学校生活というものには少しずつ慣れてきて、毎朝決まった時間に起きてランドセルを背負うのも、教室に入って席に座るのも、もう特別なことではなくなっていた。


二年生の授業は少しずつ難しくなってきた。特に算数の時間に習い始めた九九は、僕の頭を悩ませた。「六かける七は?」と聞かれて、すぐに答えられない自分がもどかしかった。


そんな日々の中で、僕の体にはまだ何の変化も訪れていなかった。ちんこだって小さいままだし、陰毛なんてものも生えていなかった。「変わる」ということを想像することすらなかった。このままの自分がずっと続くような、漠然とした感覚があった。


でも、この頃の僕には「新しい何か」に触れ始めている感覚があった。それは「漫画」という世界だった。自分で漢字を少しずつ読めるようになり、絵やセリフが織りなす物語の面白さに夢中になった。コロコロコミックをめくりながら、ページの中に描かれたくだらなくて笑えるギャグに没頭する時間が、僕の日々の中で特別な瞬間だった。特に、ちんこやおならのネタには腹を抱えて笑った。


小学校2年生の夏休み、家族旅行で車に乗って遠出したときのことを、今でも鮮明に覚えている。長い道のりを退屈せずに過ごせるよう、両親が少年マガジンや少年ジャンプなど、いくつかのマンガ雑誌を買ってくれた。


車の後部座席で少年マガジンを読んでいたとき、ある漫画に出会った。今となっては作品名は思い出せないが、そのストーリーは僕の心に深く刻まれることになる。


主人公は特殊な能力を持っていた。体を透明にできるのだ。彼はその能力を使って、女子の更衣室を覗こうと企んでいた。しかし、その能力には致命的な弱点があった。血流が活発になっている部分は透明にできないのだ。


更衣室に忍び込み、女子たちの着替えを見ていると、主人公は興奮してしまう。すると、ちんこが勃起して血流が増す。透明になっているはずの体の中で、ちんこだけが突如として現れてしまうのだ。これではバレてしまう。


主人公は必死に考えた末、奇抜なアイデアを思いつく。自分のちんこをパンに挟んでホットドッグに偽装するのだ。これなら、勃起しても単なるソーセージに見えるはずだと考えたのだ。


物語は進み、主人公が実際に更衣室に忍び込むシーンになる。緊張しながら、ちんこを挟んだホットドッグを机の上に置く。そして、透明になった体で部屋の隅に立ち、女子たちの着替えを見つめ始める。


女子たちが次々と制服を脱ぎ始める。主人公の心臓は高鳴り、呼吸が荒くなる。そして案の定、ちんこが勃起し始める。しかし、ホットドッグに偽装しているため、バレる心配はない...はずだった。


そこで、ある女子生徒が不思議そうに机の上のホットドッグを見つめ、こう呟いた。


「あれ?さっきまで皮つきのソーセージだったのに、今は皮なしになってる...」


このセリフを読んだ瞬間、僕の頭の中で何かが「カチッ」とはまった気がした。皮つきから皮なしに変わったということは...そう、主人公のちんこが勃起して、皮が剥けたということなのだ。


その瞬間、自分のちんこも少し硬くなっているのを感じた。顔が熱くなり、両親に気づかれないようにそっと股間を押さえた。


「やっぱり...エッチなことと、ちんこが硬くなることは関係があるんだ」


そう確信した瞬間だった。まだ詳しいことは分からないけれど、エッチな気持ちとちんこの反応には何か深い繋がりがあるんだと、漠然と理解し始めた。

ただ、何のために硬くなるんだろうっていうのは全くわかってなかった。


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これも小学二年生の頃だったと思う。好きな女の子ができた記憶がある。でも、どうしてその子のことを好きだったのか、今となっては全く思い出せない。ただ、周りの友達に「お前、◯◯さんのこと好きなんだろ?」なんてからかわれるうちに、「そうかも」とぼんやり答えていた記憶がある。本当に好きだったわけではなく、ただ周りに合わせてそう言っていただけだったのかもしれない。

そのうち、誰かがふざけて「じゃあ、◯◯さんと裸で一緒に寝たいんだろ?」なんてからかった。その流れで僕も、恥ずかしいような気持ちを押し隠しながら、「うん、寝たい」なんて言わされた覚えがある。正直、言葉の意味もよく分かっていなかった。ただ、それを言うのが友達との間で「面白い」ことだったから、なんとなく乗っただけだった。

当時の僕にとって「裸で一緒に寝る」というのは、何か大人の特別な行為に思えた。でも、それ以上のこと、例えばセックスみたいな行為があるなんて知らなかった。ただ一緒に布団に入ること、それが大人のすることなんだと漠然と考えていた。それ以上のことを想像する知識も、発想もなかった。


「裸で一緒に寝る」という言葉は、当時の僕にとって漠然とした大人の行為の象徴だった。

テレビや映画で見た光景の断片的なイメージから、「大人がする特別なこと」という印象だけが頭にあった。それ以上に具体的な行為、例えばセックスのような概念は僕の中にはまるで存在していなかった。

もちろん、自分の体がそういった行為にどう関与するのかなんて、想像すらしなかった。

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小学校2年生の頃、僕には奇妙な癖がついていた。ポケットに手を入れて、自分のちんこを触り続けるのだ。それは単に手持ち無沙汰だったり、ちんこが硬くなる感覚が面白かったりしたからだ。


指先で優しく撫でると、ちんこがゆっくりと硬くなっていく。その変化が不思議で、何度も繰り返してしまう。授業中も、家でテレビを見ているときも、ほとんど無意識のうちに手がポケットに潜り込んでいた。


ある日のこと、その行動が親にばれてしまった。


「そんなふうに触っていると、ちんこが黒くなって大きくなっちゃうのよ」と母が言った。「ぞうさんみたいになっちゃうわ。困るでしょ?」


その言葉を聞いた瞬間、頭の中に父親のちんこの姿が浮かんだ。あの太くて黒い、先端の形がよくわからないもの。自分のちんこがあんな風になるなんて...。


急に恐ろしくなった。自分の行動が間違っていたんだと思い知らされ、深い罪悪感に襲われた。同時に、自分自身が嫌になってしまった。


「もう二度と触らない」

そう心に誓い、それ以来、触るのを辞めた。


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小学校の校庭にあった鉄棒。休み時間になると、みんなで競うように登っていた。ある日、いつものように鉄棒に挑戦していたとき、突然、不思議な感覚に襲われた。


ゆっくりと棒を登っていくうちに、股間に奇妙な感覚が広がり始めた。ちんこがじんじんとして、何とも言えない気持ち良さと同時に、少し不安な気分になった。


「これ、なんだろう?」


心の中でつぶやきながら、その感覚に戸惑った。おしっこが少し漏れそうな感じもあったが、それだけではない。何か新しい、今まで経験したことのない感覚だった。


少し気持ち良いような気もしたが、同時に不安も募った。このまま登り続けて大丈夫なのだろうか。もし、みんなの前でおしっこを漏らしてしまったら...。そんな心配が頭をよぎった。


必死に我慢しながら、ゆっくりと登り続けた。友達の声や、周りの騒がしい音も、どこか遠くに聞こえるようだった。全神経がその不思議な感覚に集中していた。


鉄棒の頂点に着いたとき、ほっとした気持ちになったのを覚えてる。



小学二年生になり、学校生活にも少しずつ慣れてきたその頃、日常の中で触れる話題や情報の幅は少しずつ広がり始めていた。友達同士の会話の中には、どこかで聞いてきたのか、誰から教わったのかも分からないような大人っぽい言葉や話題が時折混ざることがあった。そんな言葉を耳にすると、僕はなんとなく特別なもののように感じていた。それらは、まだ遠くてはっきりしないけれど、大人の世界への入り口のように思えた。

だけど、その頃の僕には、その入り口がどんなものなのか全くわからなかった。友達も多分同じだったと思う。僕らはただ、「大人の世界」という響きそのものに漠然とした憧れや好奇心を抱いていただけで、その実態については何も知らなかった。普段の遊びやテレビ番組の話題の延長線上で、半分は意味も分からないまま面白がって話しているだけだった。それは単なる遊びの一環で、僕らにとって特別なことでもなければ、それ以上の重みを感じるものでもなかった。


一年が経ち、小学二年生の終わり頃になっても、僕の体には何の変化も訪れていなかった。僕のちんこは、自分でも「これが普通だ」と思えるぐらいの幼い子供のままで、それがどうやって変わるのか、なんてことを深く考えたこともなかった。そもそも、変わる必要があるとも思えなかった。未来のことなんて考えもしなかったし、今この瞬間の生活がずっと続いていくような感覚でいた。

心も体もまだ幼いままの僕にとって、目の前の日常が全てだった。学校での勉強や友達との遊び、家に帰って漫画やテレビに夢中になること、それら一つ一つの出来事が、その時の僕には大切だった。ただ与えられた日々を、そのまま生きていることが精一杯だった。それで十分だったし、それ以上を欲することもなかった。

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