第24話 最後の一撃

ホール全体が眩い光に包まれる中、雅史の全力の一撃がグリーヴァス卿の装甲を貫いた。

「これでお前の計画も終わりだ!」

パンティブレードが装甲を砕き、卿の背中の「パンティエリミネーター改」も停止する。


グリーヴァス卿はその場に膝をつき、うめき声を上げた。

「おのれ…泰雅史…。これほどの力を持つとは…だが、計画はまだ終わっていない…!」


卿の手が赤いスイッチに伸びようとした瞬間、玲奈が制御装置を操作して叫ぶ。

「装置の停止完了!これでパンティゼロ化計画は無効化された!」


ホール全体の轟音が止み、吸引力も消える。静寂が訪れ、雅史たちはようやく息をついた。


グリーヴァス卿は力尽きたようにその場に倒れ込み、冷たい笑みを浮かべながら呟いた。

「計画は止まったとしても…我々の思想は終わらない…。いつかまた、お前たちの前に立ちはだかる者が現れるだろう…。」


雅史は土鍋を背負い直し、静かに答えた。

「その時も俺が立ち向かうさ。パンティを守る者としてな。」


卿の意識が途絶え、パンティエリミネーター改も完全に沈黙する。


玲奈が制御装置の端末から顔を上げ、力強く頷いた。

「これで…本当に終わったのね。」


大介が肩をすくめながら笑った。

「まったく、最後の最後まで命がけだな。でも、これであの忌々しい計画も完全に潰せた。」


雅史はホールを見渡し、静かに呟く。

「パンティを守るための戦いはこれで一区切りだ。でも、まだ完全に終わったわけじゃない。」


玲奈が不思議そうに尋ねる。

「どういうこと?」


雅史は少し微笑みながら答えた。

「パンティを守るっていうのは、物を守るだけじゃない。その裏にある自由や尊厳を守ることだ。そういう戦いは、いつだって終わりがないんだよ。」


玲奈と大介はその言葉に深く頷き、それぞれ心に決意を新たにする。


三人はゼロ地点の施設を後にし、帰路についた。施設の外で朝日が昇り、長かった戦いの終わりを告げるように世界を明るく照らしている。


玲奈が朝日を見上げながら言った。

「ようやく平和が戻るのかな…。少し信じられない気持ちだわ。」


雅史は肩の土鍋を軽く叩きながら微笑む。

「平和を感じる暇があるなら、まずはうまいパッタイを作る時間にしよう。俺たち、ずいぶん腹が減ってるだろ。」


大介が豪快に笑った。

「いいね!お前のパッタイを食べるために命がけで頑張ったようなもんだ!」


三人は笑い合いながら、カフェ「パッタイ・タイムズ」への帰路を急ぐ。彼らの心には達成感と、これからの日々への希望が満ちていた――。


しかし、その遠い地では、誰かが新たな計画を練っている影があった。パンティを巡る戦いは、一つの章を終えたばかりだった――。


(第24話 終わり)

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