第23話 最終決戦の幕開け

ホール全体を巻き込むような轟音とともに、「パンティエリミネーター改」が稼働し始めた。周囲の空間が激しく吸い込まれる中、雅史、玲奈、大介の三人はそれぞれの役割を果たすため、必死に動いていた。


玲奈は制御装置の端末に向かい、パスワード解除作業を進めていた。

「このシステム、複雑すぎる!もう少し時間がかかる!」


大介が迫り来る兵士たちを迎え撃ちながら叫ぶ。

「時間なら俺たちで稼ぐ!玲奈、お前は集中しろ!」


雅史はグリーヴァス卿を見据え、冷凍パンティの刀「パンティブレード」を構えた。

「お前の装置を止めるのが俺の仕事だ。」


グリーヴァス卿は不敵な笑みを浮かべ、パンティエリミネーター改を指さした。

「この兵器は、お前の土鍋やパッタイの力では止められない。最後の抵抗を楽しませてもらうとしよう。」


雅史は土鍋を軽く叩き、冷静に答えた。

「そう言うな。俺のパッタイの力を甘く見るなよ。」


雅史は土鍋を開き、素早くパッタイを調理し始めた。湯気が立ち上り、ホール全体に香ばしい匂いが漂う。完成したパッタイを一口食べると、雅史の身体に力がみなぎった。


「これでいける。」


グリーヴァス卿が背中の装置を起動させ、大量のエネルギー弾を雅史に向けて放った。雅史は土鍋を盾にしてそれを防ぎながら、間合いを詰める。


「お前の攻撃は見切った!」

雅史はパンティブレードを振るい、グリーヴァス卿の装甲を攻撃する。刃が鋭い音を立て、装甲に傷をつけた。


「ふん、やるではないか。しかし、これでどうだ!」

グリーヴァス卿はパンティエリミネーター改の吸引力を最大にし、ホール全体を吸い込もうとする。


玲奈が制御装置の端末に向かって叫ぶ。

「吸引力が強すぎる!このままじゃ私たちも危ない!」


大介が兵士たちを蹴散らしながら振り返る。

「早くしろ、玲奈!時間がねえ!」


玲奈は必死にキーボードを叩き、ついに制御システムの防御を突破した。

「できた!装置のシステムにアクセス完了!」


雅史がグリーヴァス卿を押し返しながら叫ぶ。

「玲奈、今すぐ停止させろ!」


しかし、グリーヴァス卿が玲奈の方を振り返り、不敵な笑みを浮かべた。

「そう簡単にはいかん。この装置には、手動の緊急起動スイッチがある。」


卿は装置の中央部に取り付けられた赤いスイッチに手を伸ばした。そのスイッチが押されれば、装置が暴走し、施設全体が崩壊してしまう。


雅史は全力でグリーヴァス卿に突進し、その手を阻止するためにパンティブレードを振りかざした。

「させるか!」


刃が卿の装甲に深く突き刺さり、卿の動きを止める。だが、その衝撃で雅史もバランスを崩し、土鍋を落としてしまう。


玲奈が制御装置を操作しながら叫ぶ。

「あと30秒でシステムを完全に停止できる!その間、何とか持ちこたえて!」


大介が雅史を助け起こしながら言う。

「おい、大丈夫か?まだやれるか?」


雅史は汗を拭い、土鍋を拾い上げて答えた。

「ああ、やれるさ。これが最後の勝負だ。」


グリーヴァス卿が再び立ち上がり、最後の力を振り絞ってパンティエリミネーター改を再起動しようとする。雅史はその前に立ちはだかり、冷静な声で言った。


「これで終わりだ、グリーヴァス卿。」


雅史の全力の一撃が放たれる瞬間、ホール全体が光に包まれた――。


(第23話 終わり)

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