第16話 孤島の秘密、パンティ絶滅計画の全貌

雅史たちはノーパンティの新たな本拠地に潜入するため、島の外縁を慎重に進んでいた。夜の闇が彼らを隠す中、玲奈がタブレットを操作しながら施設のレイアウトを確認する。


「施設の中央にあるタワーが、ノーパンティの中枢部ね。そこに全システムが集中してるわ。もしそのシステムを破壊できれば、奴らの計画は大きなダメージを受ける。」


雅史は土鍋を背負い直しながら、静かに頷いた。

「つまり、そこが俺たちのターゲットってわけだな。」


大介がニヤリと笑う。

「ただし、その前に厄介な連中を片付けなきゃならねえ。警備が思った以上に厳重だ。」


玲奈が画面を指さしながら説明を続ける。

「このルートを進めば警備を避けられるかもしれない。でも、時間がかかるわ。」


雅史は少し考え込んだ後、口を開いた。

「分かった。俺が正面から注意を引く。その間にお前たちはシステムの中枢を狙え。」


玲奈が驚いた声を上げる。

「そんな無茶な!一人でなんて無理よ!」


雅史は穏やかに微笑みながら、土鍋を軽く叩いた。

「無理じゃないさ。俺にはこれがある。」


雅史は施設の正面に向かい、堂々と歩き出した。警備員たちが不審者に気づき、武器を構える。

「止まれ!お前は誰だ!」


雅史は土鍋を下ろし、のんびりと話しかけた。

「ただの料理人だよ。いい香りがしないか?ちょっとパッタイを作らせてもらえないか?」


警備員たちは困惑した表情を浮かべながら、さらに警戒を強める。

「ふざけるな!ここは立ち入り禁止区域だ!」


その言葉を合図に、雅史は土鍋を開き、素早くパッタイを作り始めた。具材が鍋の中で踊り、湯気が立ち上る。その香りが周囲を包むと、警備員たちが一瞬だけ気を取られる。


「さて、無敵の力を見せてやるか。」

雅史はパッタイを一口食べ、身体に力がみなぎるのを感じた。彼は土鍋を盾のように構え、警備員たちに突進する。


一方、玲奈と大介は雅史が注意を引いている間に施設の裏口から内部へ潜入した。玲奈が小声で話す。

「この通路を抜ければ、制御室にたどり着けるはず。」


二人は慎重に進みながら、警備の目をかいくぐった。やがて、巨大な制御室のドアが目の前に現れる。玲奈がタブレットを使い、電子ロックを解除する。


「よし、開いた!」

制御室に入ると、そこには巨大なモニターが並び、無数のデータが流れていた。その中央に設置された端末には、「パンティゼロ化計画」の全貌が記録されている。


玲奈が驚きの声を上げる。

「これ…全世界のパンティを追跡して、一斉に破壊するシステムよ!これが稼働したら、どんな手を使ってもパンティを守れなくなる…!」


大介が険しい顔で言う。

「止める方法はあるのか?」


玲奈は端末を操作しながら答えた。

「システムのコアを破壊するしかない。でも、それをやると、この施設全体が自己防衛モードに入るわ。」


大介は不敵な笑みを浮かべる。

「なら、それも計算のうちだ。やるしかねえ。」


その頃、雅史は正面で警備員たちを圧倒していた。冷凍パンティの刀「パンティブレード」を振るい、次々と敵を薙ぎ倒していく。


「お前らみたいな奴にパンティを奪わせるわけにはいかない!」

彼の重い一撃が響くたび、警備員たちは次々と退散していった。


しかし、その時、施設の奥から新たな敵が現れた。それは、強化装備を身にまとったノーパンティの幹部、カルゴ大尉だった。


「泰雅史…ここでお前を止める!」

カルゴ大尉は重装備の銃を構え、雅史に向かって攻撃を仕掛ける。


雅史は土鍋を盾にして攻撃を防ぎつつ、冷静に反撃のタイミングを見計らう。

「来いよ、相手になってやる!」


一方、玲奈と大介は制御室でシステムの破壊を試みていた。玲奈が叫ぶ。

「コアを無効化するにはあと数分かかる!時間を稼いで!」


大介が扉の前で警備員たちを迎え撃ちながら答える。

「分かってる!さっさと終わらせろよ!」


緊張が高まる中、雅史の戦いも、玲奈たちの任務もクライマックスを迎えようとしていた――。


(第16話 終わり)

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