第14話 幹部の逃亡、次なる挑戦
グリーヴァス卿が倒れ、パンティエリミネーターは停止した。会議室には静寂が訪れたが、その瞬間、雅史たちは警報が再び鳴り響くのを聞いた。
「侵入者を排除せよ!施設を閉鎖しろ!」
スピーカーから響く指令とともに、施設全体が緊急モードに切り替わった。壁のランプが赤く点滅し、鉄製の扉が一斉に閉まり始める。
玲奈が焦った声を上げた。
「このままだと私たち、ここに閉じ込められる!」
雅史は冷静に土鍋を背負い直し、大介に向かって言った。
「出口を探すんだ。玲奈を頼む。」
大介は頷き、玲奈を促して廊下へ向かった。
「分かった。お前はここをどうにか片付けて来い!」
雅史は倒れたグリーヴァス卿を見下ろし、低く呟いた。
「これ以上の悪事を企むなら、ここで終わりにしてやる。」
しかし、卿は突然、不敵な笑みを浮かべた。
「俺を倒したと思うなよ…次の計画はすでに動き出している。」
雅史が反応する間もなく、卿の腕時計が光を放ち、部屋に煙が充満する。
「くそ、逃げるつもりか!」
雅史は煙の中でグリーヴァス卿を追おうとするが、視界を奪われ、取り逃がしてしまう。
煙が収まり始めると、雅史は部屋の隅に残されたタブレット端末に気づいた。それは卿が逃亡の直前に落としたものだった。
「これが次の計画の鍵になるかもしれない。」
雅史はタブレットを拾い上げ、中のデータを確認する。そこには新たな施設の場所と、「パンティゼロ化計画」と名付けられた新プロジェクトの概要が記録されていた。
玲奈と大介が戻ってくる。玲奈がタブレットを見て驚く。
「これ…次の施設の場所が書かれている!」
大介は険しい顔で付け加えた。
「つまり、奴らはここがやられることも想定してたってことだな。計画はまだ終わってねえ。」
雅史はタブレットを玲奈に渡し、静かに言った。
「次はこれだな。奴らの本拠地を突き止めて完全に壊滅させる。」
玲奈は頷きながら、タブレットを調べ始めた。
「場所は…海沿いの孤島にある施設みたい。ここまでの規模とは違う…もっと大きい施設かもしれない。」
その夜、三人はカフェ「パッタイ・タイムズ」に戻り、次の作戦を練っていた。雅史は静かに土鍋を磨きながら言う。
「次が最後の決戦になるかもしれないな。これまでの戦いとは違う、もっと厳しい戦いになるだろう。」
大介がニヤリと笑い、紅茶を飲みながら答えた。
「そのために俺がいるんだろ?どんな敵でもぶっ潰してやる。」
玲奈も決意を込めて頷く。
「これ以上、パンティが奪われるのは絶対に許さない。」
雅史は土鍋を背負い直し、夜空を見上げた。
「パンティを守る。それが俺たちの使命だ。」
孤島で待ち受ける新たな敵との戦いに向けて、三人の絆はより強固なものとなっていった――。
(第14話 終わり)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます