第12話 潜入!ノーパンティ幹部会議所

夜が更け、冷たい風が廃墟の街に吹き抜けていた。雅史、玲奈、小早川大介の三人は、ノーパンティ幹部が集う会議所に向かっていた。月明かりに照らされた建物は不気味にそびえ立ち、周囲には警備員の姿がちらほら見える。


「ここが会議所か…。思ったより物々しいな。」

雅史は建物を見上げながら呟いた。大介がニヤリと笑う。

「そりゃそうだ。ノーパンティの中枢が集まる場所だぞ。簡単に入れると思うな。」


玲奈がタブレットを操作しながら答える。

「警備の巡回ルートは把握しているわ。でも、一度中に入れば、いつ見つかるかわからない。」


雅史は土鍋を軽く叩き、力強く頷いた。

「大丈夫だ。俺たちで何とかする。」


三人は建物の裏口にたどり着いた。玲奈がドアロックの解除作業を始める間、雅史と大介が警備の動きを見張っていた。


「俺が注意を引くから、その間に入れ。」

大介が小声で言うと、小石を拾い上げて遠くの壁に投げつけた。金属音が響き、警備員がそちらに気を取られる隙に、三人は素早く中へと忍び込んだ。


建物内部は広大で複雑な構造をしていた。無数の廊下が入り組み、壁には最新鋭のセンサーが設置されている。雅史は伊達メガネを押し上げ、センサーの位置を確認しながら慎重に進んだ。


「右だ。センサーがあるから足元に気をつけろ。」

雅史の指示で玲奈と大介も息を潜めながら進む。


やがて、幹部たちが集まる会議室の前にたどり着いた。ドア越しに声が聞こえる。

「次の計画は完璧だ。この世界からパンティが消える日も近い。」

重々しい声が響き、玲奈が顔をしかめた。

「間違いない、幹部たちが全員揃っているわ。」


しかし、次の瞬間、警報が鳴り響いた。

「侵入者発見!侵入者発見!」


玲奈が驚いて振り向く。

「どうして!?センサーは避けたはずなのに!」


大介が眉をひそめ、険しい表情を見せた。

「どうやら俺たちの動きが読まれてたらしいな。」


雅史は土鍋を背負い直し、静かに言った。

「罠だろうが何だろうが、やるしかない。」


会議室から幹部たちの声が聞こえてくる。

「泰雅史が来たようだな。迎え撃て!」


ドアが開き、幹部たちの部下が次々と襲いかかってくる。雅史は土鍋を開き、素早くパッタイを作り始めた。

「これが俺のやり方だ。」


完成したパッタイを一口食べると、雅史の身体に力がみなぎり始める。

「行くぞ!」


雅史は土鍋を盾にしながら敵を次々と薙ぎ倒し、玲奈と大介も応戦する。玲奈はタブレットを使ってセキュリティシステムを混乱させ、大介は身軽な動きで敵を翻弄した。


激しい戦いの末、三人は会議室に突入する。そこには幹部たちが冷たい目で三人を見つめていた。中央に座るのは、ノーパンティの計画を指揮するグリーヴァス卿だった。


「ようこそ、泰雅史。よくここまで来たな。」

グリーヴァス卿は不敵な笑みを浮かべながら続ける。

「だが、ここが貴様らの墓場だ。」


雅史は土鍋を構え、冷静に言い放つ。

「俺たちはパンティを守るためにここに来た。お前たちの計画は、ここで終わらせる。」


次なる激闘の幕が上がろうとしていた――。


(第12話 終わり)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る