第4話 初めての戦い
店内に不穏な空気が流れる中、泰雅史は敵を鋭く見据えていた。
背後で怯える玲奈を守るように立ちふさがり、ゆっくりと伊達メガネを押し上げる。
「さて、そっちは何人だ?五人か、それとも十人か?」
雅史の余裕たっぷりの声に、敵のリーダーらしき男が不敵な笑みを浮かべた。
「どうあがこうと無駄だ。我々ノーパンティの精鋭部隊に一人で立ち向かうつもりか?」
「一人じゃない。俺にはこいつがいる。」
雅史は背負っていた土鍋を振り下ろし、その場で堂々と開いた。
湯気が店内に立ち上ると同時に、敵たちは困惑した表情を浮かべる。
「…土鍋?」
「パッタイでも振る舞う気か?」
雅史はニヤリと笑い、素早く中身の具材を取り出すと、土鍋を使ってあっという間に絶品のパッタイを作り上げた。そして、一気に頬張ると、彼の身体がみるみるうちに変化していく。筋肉が膨れ上がり、背中に力強いオーラが宿る。
「これが、無敵のパッタイの力だ!」
敵が銃を構えた瞬間、雅史は素早い動きで彼らに突進した。重量級の彼が繰り出す一撃は、まるで車に轢かれたかのような衝撃を生む。
「ぐはっ…なんだ、この力は!」
リーダー格の男が慌てて指示を出すが、雅史の勢いは止まらない。敵の一人が接近して銃口を向けると、雅史は土鍋を盾のように構えて防御し、そのまま土鍋で頭を一撃。
「これが土鍋の威力だ!」
さらに、雅史は土鍋の中から冷凍されたパンティを取り出し、それを刀のように構えた。
「さあ、パンティブレードの威力を見せてやる!」
パンティでできた氷の刃は、敵の武器をことごとく弾き、鋭い切れ味で戦闘を圧倒する。リーダー格の男もその威力に恐怖を覚えたのか、後退し始める。
「退却だ!こいつはただのカフェマスターじゃない!」
リーダーの指示で残った部下たちも慌てて逃げ出した。雅史はパンティブレードをしまい、土鍋を背負い直すと、玲奈の方を振り向いた。
「大丈夫か?」
玲奈は震える声で答える。
「ええ…でも、あなた、本当にただのマスターじゃないのね。」
雅史は肩をすくめ、紅茶を一杯淹れて彼女に渡した。
「俺はただのカフェマスターだよ。ただ、パンティとパッタイを愛してるだけさ。」
玲奈は紅茶を一口飲み、少し微笑んだ。
「あなたがいれば、ノーパンティに対抗できるかもしれない。」
「俺に任せろ。」
雅史はそう言ってカウンターに腰掛け、次なる戦いに備えながら静かに紅茶をすすった。
その頃、ノーパンティの本部では、先ほどの戦闘の報告がボスに伝えられていた。
「泰雅史…面白い男だ。だが、次はそう簡単にはいかせない。」
ボスは不敵な笑みを浮かべながら、新たな作戦を練り始めていた。
(第4話 終わり)
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