8 どこにも無いぼんぼり
クリスマスイブが
その日は
わたしはそこまで
でも、
桂川先生って、
ちょっと、
グッグッ。
ぼんぼり
でも、完成品はボワンボワンとした白の
そんな表現があっているかわからない。
でも、
それから、くっさいくっさいインクを木の板になじませて。
その上から「バレン」ってヤツをクルクル
アイロンを
ゴシゴシと
紙が
ゆっくり、ゆっくり、板から紙を
クリスマスも
最
教室の
木版画はこの掲示板上には
水彩画。
紙粘
一番
大型のものを作らないよう、「小型」
わたしは「
本当は透明なんだけれど。それだと誰にもわからないので、オーロラ色に
どんな
桂川先生に、ちょっと心配されちゃったけれど。今はもう、
児童数一名なので、司会中も自分の
だから、教室
掲示板に飾ってから、休み時間や
「今日十九日は
教室の
児童はわたししかいない。
わざわざ、日直が
でも、桂川先生は学級
「……何か借りるか?」
「
「
……この
「先生、何かありますか?」
「……」
「無ければ、これで帰りに学級活動を
先生がわたしに聞きたかったことはUFOの話なんかじゃ無かった。
「なあ、
わたしは起立したまま、
すぐ、
「だって、この小学校に
「だから、
「いや……あっ、そのためにも、いっぱい刷りたかったか?」
「いいえ。
木版画だからって、何枚も刷っちゃ駄目ですよ。
雛
「そうだな……汚したら、絶対に駄目だ」
「わかってます。
だから、教室に飾ります」
この学校の雛飾りは、人形の
ぼんぼりの飾りは無いから、さびしい。
女の子のお
なら、作って飾ってあげたい。
でも、皆、飾らない。
ここにある雛飾りは、
だから、どうにも出来ない。
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