観測15 『愚かモノの埃払い』


 昔あるところに、一人のガキがいたんだ。

 お前と同じで人間の善性を信じてやまなかった『別人』のガキがな。


 そのガキは共和国にある人里離れた秘境みたいなとこにある集落で育った。

 両親はガキが産まれてすぐに旧獣どもに食い殺されて他界。

 なんでも村近くの街道で上半身や内臓ぶちまけて死んでいた『別人』の母親の腕の中から救われたらしい。

 村の大人たちは満場一致でガキを見殺しにしようとしたらしいが、ガキを救った一人の女性が周りの反対を押し切ってそのガキを引き取った。

 ホントありがた迷惑なくらいとてつもない善人で、救いようのない大バカな女性だったそうだ。

 メシは朝昼晩必ず作ってくれて、「学校の給食よりお母さんのご飯を食べてよ」なんて言って、弁当をよく持たせるくらい過保護な人だったそうだ。

 チーズとかヨーグルトのみたいな乳製品が好きで、ガキも好んで食べたそうだ。


 まあ、そんなバカに育てられたせいか、ガキも食べ物の好みみたいにそのバカさ加減を継承しちまったそうだ。

 誰とでも仲良くなれたし、なんなら村のガキのなかでは一番の人気者になれた。そいつはみんなで仲良くするのが好きだったんだよ。ガキはまだみんな純真無垢だしな。

 ――悪意は至るところに仕込まれてたっていうのにな。


 だが、ある時期を境にそれはできなくなった。

 物心つき始めた他のガキがそのガキを排斥し、虐げ始めたんだ。

 『別人』という存在がそのガキしかいなかったってのも悪かったんだろうな。

 人気者から瞬く間に嫌われ者の厄介者。

 面白がるガキ、周りに流されるガキ、親の言葉に従うガキ、見て見ぬふりをするガキ。

 ガキはワケもわからず、そのまま脳死して少年時代を過ごした。

 『みんな急にどうしちゃったんだろう?』って能天気にバカ面振りまいてな。救いようのないバカだろ?


 だがとある日、『別人』のガキはとうとう他のガキに問いただしたんだ。

 『どうしてボクを攻撃するの? ボクがなにか悪いことしちゃったの?』ってな。

 バカすぎるだろ? 今更にも程があるし、そんな答えヒトツしかないんだから。

 答えはこうだ――『オマエ、ヒトリだけヘンできみがわるいから』。


 人間っていうのは他人から下に見られることを何よりも恐れる生き物だ。

 自分が周りに比べて優れている部分を見つけて、それを『誇り』にする。

 身体能力、勉学、コミュニケーション能力、容姿――ほんとになんでもいい。

 とにかく優れた部分を用意すれば、他人から虐げられなくなる。

 その『誇り』を見せつけて、他人とは違う自分だけの特別な価値を付与して、安心するんだ。

 ――"よかった。自分はコレに比べれば、マシな人生送ってる"ってな。


 だからこの時、他のガキ共は『容姿』でそれを作ったんだ。ナニより、人間はわかりやすいことを重んじるからな。

 比べるのには手っ取り早いだろ?

 一人だけ明らかに違って、それがバケモノみたいとくれば完璧だろ?

 未成熟なガキが考えることなんてそんなもんさ。

 大多数がやってることに合わせてれば、それは正義になるし――誰も自分が虐げられる立場になんて収まりたくないだろ?


 だけど『別人』のガキはそこで折れやしなかった。

 ……違うな、ムキになっちまったんだ。対して強くもないクソ雑魚なくせに心だけは強かったんだ。

 オレが絶対にコレをなくして見せる。オレのような思いをするヤツは二度と出さないってな。

 思えばこの時、ガキは気づくべきだったんだ。

 育ての親がそれを聞いて、涙を堪えていたことに。

 無謀な『夢』を語る養子(むすこ)に置いて行かれる義理母の涙に。


 ――バカバカしい。テメェでどうにかできるなら、世界はとっくに平和なんだよ。


 そうしてガキはガキのまま大人になった。

 才能もないくせに誰よりも努力して、心を磨いて、遂には『悠々と輝き続ける希望の星』と周りから揶揄されるようになった。『金持ちがヒーローごっこしてるだけ』とバカにされながらも同じ道を志す『親友』にも『仲間』にも恵まれた。それから似たようなバカがどんどん集まって、最後にはバカでかいヒトツの『輪』になっていた。

 それで世界が少しでもマシに変われたのなら、どんなによかったんだろうな。


 ――そう、認められたのはそのガキだけだったんだ。


 よくよく考えたら当たり前だよな。報われるのは、血反吐を吐いて努力したヤツだけだ。

 自分が特別になったところで、全体への対応が良くなるなんてありえない。

 特別なヤツにはソイツだけにしかない唯一無二の付加価値がつけられる。

 マイナスがプラスになっただけで、ゼロにすることなんて不可能なのさ。

 でも――でもそれでも進むしかなかった。


『我々が往くこの道は存在しない未知の邪道。進まなければ、それは切り開けない.。いざ往かん、"円環無明の梵(そよぎ)"へ――!!』


 それが『魔法』の合言葉だった。そんな御伽噺が存在しないゴールに向かって突き進むことへの誤魔化しとしては最適だった。最後のヒトリになるまで、そして何度も見せられる地獄を味わうにはそんな『異能』に頼らざる終えなかった。

 ……ああ、『魔法』と『異能』ってのは、共和国の古い言葉で『法式』と『神能』のことだ。冒険士がどうかしてるだけで、この世界でオマエらみたいな『センス』と『才能』を持った連中なんてのはほんの一握りしかいねェ。だから大半の搾りカス共はそういった別のナニカにすがるしかできねェんだ。

 ……まあ、死ぬときはどっちもぱっぱか死んでいくからそこは変わらねェんだがな。テメェみたいにしぶとすぎたら逆に哀れで同情しかないときもあるしよ。


 ……そうやって時間に身を任せて跡形もなくゼンブ喪った。そこでガキはようやく気付いた。ホントに守りたかったモンはとっくにデキてたことにな。

 手に入れて、感謝されて、罵倒されて、罵倒されて、喪って、感謝されて、罵倒されて、罵倒されて、罵倒されて、喪って、喪って、喪って、喪って、喪って。

 途中で投げ出せばよかった。プラスに満足してそこで腐っとけばよかった。雑魚であるコトを認めてさっさと逃げ出しとけばよかった。


 そうすれば、きっと――今もキモチワリィ笑顔は振りまけた。


 九割の地獄と憎悪に一割の感謝と希望――そのたった一割が心地よかった。

 たった一割にずっと溺れ続けた。

 そうして最後に理解させられた。


 ――人間の醜さ、悍ましさ、根源的、冒涜的な姿を。


 ああ、どうやって辿り着いたのかはワカラネェ。

 そこはガキが生まれ育った集落に似ていた。

 ただ一つ違うのは、そこが『別人』達が身を寄せ合って暮らす集落だったコト。

 それ以外はゼンブ一緒だった。

 ガキどもがナニカ騒いでた。聞き覚えのある、他者を傷つける時に聞こえるあの悍ましい無邪気な笑い声が。


 ――『別人』のガキが寄ってたかって、『人間』のガキを排斥している姿を。


 どこか身に覚えのある光景の焼き直し。石を投げられ、唾を吐きかけられ、見下されてる弱者の姿。

 いつまでも『子供』であることに甘んじたバカは繰り返した。聞いちまった。


 "――どうしてその子を攻撃する? その子がなにか悪いことでもしたのか?"


 "――だってコイツ、ヒトリだけヘンできみがわるいから"


 分かってた……はず、なのにな。

 『人間』も『別人』もオンナジでなんにも変わりはしない。

 そんなの分かってたさ!!


 キレイなところもッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


 ミニクイところもッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


 スベテ等しく同じだってコトは!!!!!!!!!!!!!!!


 ジブンが受けた苦しみだけしか目を向けれてなかった!!

 視野が狭すぎるジブンが情けなくて仕方なかった!!

 ハナッからムリだったんだ!! こんなジブン可愛さにジブンの周りのコトしか見てない愚かモノにはなッ!!


 ……ゼンブぶっ潰してやったよ。

 悍ましい人間の産み出す、醜悪な世界はな。

 クダラナイ価値観によって産み出される、しょーもない『誇り』はな。

 ガキはそこでなにをすべきかようやくわかった。


 ――もう目を背けないことだ。この埃まみれの現実から。

 助けても救っても減らしても消えない人間という醜悪な『埃』。

 世界を変えるためには、誰かが掃除しないといけないんだ。

 人間も別人も男も女も老人もガキも関係ない。

 ただ等しく平等に理不尽に間引く。


 ――それがオレが奪った『救うべきだったモノ』達への償いだ。


★ ★ ★ ★


「――だからまずは手始めに、人間の数を減らそうと思うんだ」


 その場にいた誰もが目を疑った。誰もが地獄だと断ずるだろう問答が終わり、お通夜のような空気が纏わりつくその空間に響いたこの世の全てを諦観するような声。その声を発した白い薄汚れたローブを纏った『別人』が行った凶行。渦中にいた少年と幼い別人の少女の身に半分に裂いた刃、血だまり、二人分の死体。

 そして――その別人に脚で押さえつけられ、正気を喪ったように暴れまわる、少年と少女に突っかかった男の骸。

  もう一つの少女の死体はこれ以上弄ばれないようにと男が燃やした。


「ァ――ガ――ガ――ァ――ダ―――」

「言った通りになったろ? テメェがどれだけイイ子ちゃんでいようが、人間なんてこんなもんだ。テメェの守りてェモンも守れねェクセして、努力してる他人には平気で恨みつらみを吐き散らしやがる。典型的な温室育ちで身体見る限り、強くなろうと努力した様子もない。テメェじゃ勝てねェ守れねェからって、他人に責任をぶつけて自分勝手な正当防衛で我が身を護ろうとする……こんなヤツもこのクソみてェな世界から護ろうっていうんだから、やっぱ冒険士って連中はバケモンで違いねェな」


 それはまさしく体のいい苗床でしかなかった。

 肉体から魂という"情報"が消失したことによって生じる末路。宿主を喪った弱みに付け込む冒涜。


「リバークに寄生されたヤツは存在自体が旧獣扱いになる。コイツはもう人間じゃねェ、コイツ自身が忌み嫌っていたバケモンだ。コイツと別人、世間サマじゃこれだけで立場逆転だぜ? オレがこの脚をどかせば、コイツは手あたり次第人間に襲いかかり、最後は冒険士に駆除される」


 そう言って男は目から光を喪い、真っ二つになった肉体を"再生"させながら地面に転がっている少年に向かって何かを見せる。

 それは何者に染まらない純真潔白色の表紙の手帳だった。


「見ろ、オマエが護ろうとした女の子の持ってたモノだ。"別人承認手帳"――通称『別手』と呼ばれるモンだ。オマエ知ってたか? コレがなきゃ、別人には人権はねェんだぜ?」


 男の問いかけに少年は返答を返すことはない。だが段々と得体のしれない感情が少年の中で渦巻いていっているのは、誰の目を見ても明らかだった。


「ここに書かれているのは単純な一文と持ち主の名前と顔写真、そして発行国の国印だ。『以下の者を"人間"であることを承認する』。……オイオイ、ニラムなよ。ボクちゃんにはちょっと刺激が強すぎたか? でも、この三つのウチ、どれか一つでも欠けてたらその時点でどの国にも入れないし、有事の際には有無を言わずに殺されるんだぜ? だってホンモノと見分ける方法がねェからな」


 男の発した言葉は紛れもない真実であった。人道的、道徳的な考えを切り捨て、現実的な事実だけを語るのであれば、旧獣と別人は本当に見分けがつかない。常日頃からあらゆる新種が発見され、様々な形を模して害を為す理外の恐怖。中には人語を操るものもいれば、人間の肉体を奪い、擬態する恐怖もいる。

 別人だと思い、不用意に助けようとして殺される善人なんて当たり前に存在する。


「今の協会会長の『叡滅皇』はこういった人類のあらゆる問題をなくそうとしてるコトで有名だ。その証拠に近年、別人の有名冒険士が続々と輩出されてってる。別人タチの間で聖母って呼ばれてるのも違いねェわな。でも、そんなヤツでもこの制度は変えないし変えれない。どんなに取り繕おうが限界があるコトを理解してるからな。ホント尊敬するよ。この国はマジで恵まれてやがるカラな。どの立場にとっても」


 当たり前のことだが、世界中のすべての人々がこの"正答なき問答"の回答を一つに絞っているわけではない。生物とはそもそも種族以前に個体によって思想が異なり、互いに共生しあいながら生きているものだから。


「でもまあ、人間だの別人だの言ってるうちが華だよな? これでもし旧獣がゼンブ人間の姿してたり、別人の人口の方が多かったりするだけで、どうせ立場は逆転してたんだろって思わねェか? ――どっちも人間って時点でゴミなんだよ」


 だが、"感情"というエッセンスはどこまでも平等だ。人生の経験値によってその強弱を自由に変化させる。環境、視野、思想、教育、歴史、虚実という外的要因に左右され、培われてきた世界中の正と負の感情。


「……それで、オマエさんはいつになったら、あたしの大切な連れを解放してくれるんだい? ――邪魔だからどいてくれると助かるだがねぇ……?」


 そしてそれは化け物であっても例外ではない。ふつふつと煮えたぎる怒りを露わにしながら、渦中に飛び込まんとする一匹の白猫の姿をした旧獣が前に出た。

 恐怖の根源とも呼べる、相対するだけでただ絶望できるオーラを纏いながら。

 生物としての格がまるで違うと誰しもが思った。今すぐここから離れたいと思わせるほどの恐怖で周囲にいた他の人間は全員、身体中にある全ての穴から水を吐き出し、すで意識を手放し命を手放した者もいた。


「ハッ! 何億ものイノチを奪ってきたバケモノが今更カヨワい振りすんじゃねェよ。――ワカラネェとでも思ってんのか? ソレ以上寄ってくんなよ?」


 そんな殺意にも匹敵する恐怖に男は冷静に反応にしてみせた。そしてそれと共に白猫の身体が光の柱に包まれ、爆発音が鳴った。

 空から放たれた光が白猫に飛来し、その場を中心に大地を破壊したのだ。上を見上げれば、そこには宙を自由に浮かぶ一人の少女がいた。白を基調としたフリルや細やかな装飾品が散りばめられた奇抜な衣装を纏い、騒乱の渦中を見据えていた。軽量化された大量破壊兵器を思わせるほどの明らかに過剰だと断言できる容赦のない一撃は全員が満場一致で白猫を殺めたと確信させた。


「ったく、物騒だねぇ……なんだ神能持ちだったのかい。よくある『変身系統』の中でも珍しい『魔法使い』タイプの神能……人間の分際でいいモン持ってるじゃないか。使い方もっと考えた方がいいとあたしは思うがねぇ」


 だが爆発で生じた煙が晴れると、そこには美しい毛並みをなびかせた傷一つない白猫の姿があった。白猫は抉られた地面の中心に悠々と立ったままだった。


「チッ……無傷かよ、キモすぎだろ。アリナ、そのまま警戒しといてくれ。ヤロウ、避けもしやがらなかった。ありゃあ間違いなくチカラ隠してるだけで『五大死獣』に匹敵するレベルのバケモンだ」

「避けるだって? 今のお手玉をかい? そんなことどうでもいいからさっさと坊やからどきな。さっきからあんた、べらべらべらべらと不幸自慢ばっかりしてうるさいんだよ。つまらない人生の先輩兼反面教師にでもなったつもりかい?」


 それは紛れもなく男とは違う価値観で生きる者の態度だった。格下との会話なんてする気はないからさっさと要望に応えろよといった意味が込められた、凍えるような瞳。

 生物としての格、どんな不条理も自分色の絶望に染め上げられると疑わない圧倒的強者にのみ許される言葉の暴戯。


「ワリィな、コッチも初めてなモンでよ。オマエラと違って愉悦に浸りながら、見下してストレス発散なんてできねェんだよ。ダレであろうと油断はしねェだけさ。――――――オエッ」


 突然、何の脈絡もなく男の口から大量の吐瀉物が吐き出された。それを空から見ていたアリナと呼ばれた少女はすぐさま男の元へ参じようとする。だが、男はすぐさま片手を空へ向け、こっちに来るなと合図を出した。その瞬間、今まで異様な雰囲気を纏っていた男が、今にも死んでしまいそうな重病人へと変貌した。

 それは明らかに今のこの状況とは関わりのない症状(もの)だった。


「ハハッ、でもまあ……想像してたヤツと、はだいぶチガった、なァ。期待外、れもいいトコで、これじゃあ"ユイ"のバカに渡さ、れた奥の手も使わずじまいになりそうだなァ……ゲホッ、ゲホッ!!」


 まさしく死体が動いているだけという表現が相応しかった。"埃"を吸いすぎて病原体に侵されたその肉体は脆く、やがて塵へと変わりゆくのだろう。


「今まで散々ガマンしてきたんだ。残りの余生くらいやれるトコまでやらせてもらうさ。……もう人の違いをドウコウなんてヌカさねェ。『人間』って生き物は等しく醜悪なんだよ。――だから数を減らす、男も女も子供も老人も別人も"区別"しねェ。平等に間引いてヤルさ」

「……物騒だねェ、あんたじゃ無理だよ。人間じゃ無理だ。力がなさすぎる」

「テメェはさすがに強すぎる、余計なオセワだから関わってくんなクソ野郎。だからコイツラとアソんどけ」


 男は憐れみから目を背けるよう手にもった刃をリバークに犯された死体へと振り落とした。

 それによって空が無数の羽ばたきによって彩られた。ドロドロに溶け、あらゆる生き物の特徴が混ざり合ったような歪な肉体。生命倫理を冒涜したその姿は、昨夜夜に大軍で街に押し寄せ、暴虐の限りを尽くした旧獣そのものだった。


「リーン通り6番地『佯狂者の楽所』134号室」


 誰かの悲鳴や悲痛の叫びが上がるなか、男ハオンは少年ハイトへと語りかけた。


「その女の子が住んでた家の住所だ、社会勉強で見て来いよ。それでもまだオレの前に立てるならソン時は相手してやるよ。それ以外に思うコトがあったなら大人しくテメェのフトンにくるまってろ。――ガキが夜の街を出歩いていいコトなんて、ヒトツもねェんだぜ?」


 脳天を揺さぶる強い衝撃がハイトの顔面を襲う。その後ハイトの頭と胴は泣き別れ、苦痛によってハイトの意識は闇へと沈んでいった。彼は一連のここまでの出来事で何を想い、何を考えたのだろうか。

 あらゆる感情が入り混じり、かつて『救世主』と人類から謳われた少年。

 それは"わたし"には到底――解らない。


 ――解るとするならば、それは彼が目覚めた時なのだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る