観測13 『騒々しい病室』
二〇三三年八月五日、一三時十二分、ダイラム総合治癒院。
「んぁ……?」
目を開けると、強烈な光がまぶたの奥へと飛び込んできた。陽の光だ。
眩しさのあまり一瞬、もう一度目を閉じようとも考えたが、自分の置かれた状況を思い出し、踏み留まる。
そしてそのままゆっくりと両目の焦点を合わせ始める。
「ここは……」
「おや、お前さん目を覚ましたのかい」
聞きなれた声と共に身体の上に何かが乗っていることに気づく。
「あねさん……?」
声の主は間違いなくエリシアの飼い猫(旧獣)であるウルのものだ。
どうやら僕の身体に乗っているのはあねさんらしい。
「とりあえずそのままじっとしときな。でないと一生後悔することになるよ」
「え……どうしてですか……?」
言葉の意味が理解できない。まだ視界がぼやけて、はっきりとしていないせいで、乗っているあねさんの顔が分からなかった。
僕は少しだけ頭を上にあげようと身体を起こす。
すると、なにか得体のしれないものが顔の真上にあるのが分かった。
「ハイトくぅ~ん、ランベルトお兄さんの、おはようのチュ~~!!」
それは見覚えのある顔で聞き覚えのある声。
僕を普段からこき使って、人扱いしないであらゆる問題事を運んでくるお調子者。
キス顔のランベルト・カーターがそこにいた。
「うおあああああああああああああ!?」
ありえない、居てほしくない男がチューする顔で目の前にいる。
その事実を否定するべく、僕はその顔にパンチを繰り出した。
「ぐへえっ!?」
潰れたカエルのような悲鳴がこだまする。
完璧に視界が戻った様態で見やると、そこにはピクピクと身体を震わせた代表の姿があった。
「あ、ごめん……気持ち悪すぎて咄嗟に殴っちゃった」
というか生理的に無理だ。誰が好き好んで男友達とキスしたいと思う? 嫌だよ普通に。
「い、いやぁ~、これが子供の反抗期というやつかな!! これで私も父親の仲間入りでいいのかな!?」
「はぁ? どこか悪いとこにでもぶつけちゃったの? 超キモいんだけど……」
「はぁ……ハイト、コイツとはもう関わらない方がいいんじゃないのかい?」
「あねさんもそう思います?」
「お互い苦労が絶えないねぇ……」
「えっ、酷い!! 忙しい中、愛する部下のために時間を割いておみまいにきたって、いうのに! 酷いよ、酷いよ!!」
代表はそのまま地べたで駄々をこね始めた。
どうやら不服らしいが、普通にこれ、正当な評価です。
「――うるさい、ここは病室だぞ。静かにできんのか?」
そんな代表を嗜める、大人な一声が聞こえてきた。
声のする方へ顔を向けると、部屋の扉が半開きになっているのが見えた。
扉から一人の人物が室内に入ってくる。
「ハー坊は本当に治癒士泣かせの坊やだね。何もしてないのに、一目見ただけで健康体だとわかるんだから」
「……ラミナ先生、だからといって病室でタバコはやめてくださいよ」
純白の白衣にくすんだ銀髪の髪を持った、ほんの少し背が高い女性だ。
無機質な顔色とその橙色の瞳の下にはうっすらとくまがついており、女性がとても不健康そうな顔をしている。
だが、医者として最低限のマナー守っているのか、服装はきちんとしているようで、特に目立つ汚れはなく純白の白衣は清潔感で溢れている。
そして何よりも今まで列挙したいいところを全部ぶち壊すようにタバコを咥えていた。
――ラミナ・ヴェイトリー、協会お抱えの治癒士だ。
「ふぅ……いいじゃないか一本くらい。それにわたしから言わせてもらえば、きみのようにそもそも見る必要が皆無で運ばれてくるような輩は患者とは言わない。つまりここは空き部屋であることと同義だということだ、残念だったなハー坊」
「早口で言い返してやったぜ、って顔するのやめてくださいよ。言っておきますけど、そろそろ僕の中で先生の立ち位置が代表と同じになりますよ?」
「それは……勘弁願いたいものだな」
「はあ!? 今なんか私に飛び火したんだが!?」
やっぱりみんな、代表と同列に扱われるのだけは勘弁らしい。
「……まあ、とにかくハー坊が無事でよかったよ。民間人の話だと、冒涜師が投げたダイナマイトを抱きかかえたんだって? エグイことするね。あ、ちなみにきみの連れのメリィ嬢はわたしの神能で、治療は完了して今は安静にしてもらってるから」
「まったくだよ、人員不足でエリシアが外に駆り出されててよかったね。もしここに居たら、あたしら全員で半日くらいお小言聞かされてたんだよ? ……ああ、そうだ。マコもエリシアと一緒に無事送り届けたから気にする必要はないよ」
「……本当にすみません。そして、本当にありがとうございます」
病室の女性陣二人からの批難の眼差しに身体が縮こまる。
しかし同時に気がかりだったメリィとマコの安否が聞けて嬉しかった。
「まあ、でもあのエリシアさまがこんな失態をするなんて珍しいよね。おもしろ。いきなり現れた正体不明の鬼強包帯男……ちょうどホラー回をはさもうと思ってたから、やってみようかな?」
「うちのエリシアの失敗をネタにするんじゃないよ」
「いいじゃん別に。表現の自由を邪魔する猫は嫌いだよ? それに失敗なんてことないと思うしね。エリシア、ハイト君が吹き飛ばされたのにブチ切れて、包帯マンの右腕と左脚を泣き別れさせたんでしょ? 明らかな神能使いかつ、ハイト君が何もできずに飛ばされたんだ。仕方ないよ。はい、これでフォローしたから失敗じゃないね!」
ブチっと血管が切れる音が聞こえた気がした。その後、あねさんはシャ~と威嚇しながら、代表に向かって飛び掛かった。
「……ちなみにだがハー坊。ランベルトのやつ、今回またやらかしたのは知ってるかい?」
「……今度は何やらかしたんです?」
いつも思うけど、この話の入り聞きたくないな。
頭を抱える準備をしておいた方がいいんだろうか。
「何でも今回現れた旧獣、ビルを丸ごと浮遊させたらしいじゃないか。それを聞いたランベルトが念力の神能を持った冒険士、これは仮称だが、ログ〇ネくんに同じことをさせたらしいんだ。幸い、怪我人は出ず多くの旧獣を倒すことはできたものの、ランベルト宛ての殺害予告がひっきりなしに届いてるんだ」
「あ~ログーネさん冒険士なのに代表のこと尊敬してますからね。いつもの盲目命令遂行ってやつですね……あとそれ、全然隠せてないです」
ラミナから耳打ちで語られる代表の悪行に絶句する。
この話をエリシアが知ったら、代表間違いなく殺されるなと思った。
「さすがに奴も会長がいればここまでの蛮行はできないはずなんだが、その肝心な会長はサルナス王国の首都に出張に行ってるからね。いないせいで暴走具合がすごいんだ」
「いやいやラミナ君。別にあの人がいたって、私はぶれたりしないよ? ……ただ、あの人老体に見合わず、なぜか元気な方だからね。結構、やりにくいんだ」
あねさんとの喧嘩を終え、何事もなかったかのように代表が話を輪に入る。
どうやら代表はあねさん返り討ちにしたらしい。代表の後ろであねさんが、「どうして、あたしがあんなやつに……この貧弱な体め……!」と息を切らして、愚痴をこぼしていた。やれやれといった様子でラミナが介抱に向かい、僕と代表の二人きりになった。
「すごい厄介な人でね。私が起こす様々な悪事を事前に察知して阻止してくるんだよ。まったく世の中、悪役は必要不可欠だっていうのにあの人と来たら、『自分の性質を棚に上げ、規則スレスレで悪事を働くのはやめなさい。あなたはよい行いをしているように魅せるだけでしていません』って、ご丁寧にご高説してくるんだよ。どう思う?」
「神様が悪魔に説法してくれたみたいだと思います」
知り合いではないが、僕の中で会長への好感度が跳ね上がった。
「まあ、そんな会長でも悪い冒涜師さんたちの間では、一番古参っていうのもあって有名だからね。――特選冒険士『叡滅皇』無才なるハイネル。たった五体で三十億もの死者を生み出した死を司る超越種『五大死獣』。その一角、『風死獣』インディビーを単独で討伐した疑いようのない偉業の持ち主。そんな、まともに戦うなんて論外の最強戦力がいない時を見計らって、冒涜師がこのダイラムにテロを仕掛ける。――なにか裏があるように思えて仕方がないと思わないかい?」
代表は意味深に笑みを浮かべ、一つの封筒を差し出した。
「今回の主犯冒涜師に関する資料だ。ハイト君にとって因縁のある相手なんだろ? それで目が覚めたら、真っ先に聞いてくるだろうと踏んで持ってきたんだ。嬉しいだろ?」
キメ顔で僕に資料を渡す代表。残念だが、僕はこの話題について全く無知というわけではなかった。
「ああ、あいつはオルヴァナ共和国出身なんですよね? 『白杖人』っていう人種で、別人差別が一番酷いと有名な国出身。細かい理由はどうであれ、今回の事件の動機なんていくらでも持ち合わせている。――そうですよね?」
「え!? あ、うん……まったくもってその通りだけど……どうして知ってるんだい?」
僕の放った言葉に代表はそれは予想外だったようで露骨に動揺した。
「え、だってこの世界じゃ有名なんですよね?」
「いや、おかしいわけじゃないけど、ほら、ハイト君って記憶喪失でこの世界の常識は皆無ですって感じだったじゃないか。いくら仕事の合間に勉強してもらってるからって、『旧獣の生態』や『遺跡調査のすすめ』、『神能と夢力について』よりも先に『人種や民族について』の勉強をしていたなんて予想外だったんだよ。大切なことなのは間違いないけど、冒険士になった以上、覚えるものの優先順位は前者の三つが圧倒的大事だからね。もしかして、もう全部理解しちゃったの? たったひと月で!?」
「いや、それはさすがに下地すらできてないんで無理ですけど……あれ?」
そういえば、どうして僕はこんなこと知ってるんだろう?
自分で学んだ覚えはない。
どこかで誰かに教えてもらったから知ったはずなのに、記憶が霞がかっていて思い出せない。
それに前にも似たようなことが気がする。
僕は一体どこで――
―――――――――。
「……まあ、よく分からないですけど、たまたま知ってたんだと思います。記憶喪失とはいえ、覚えていることも今まで色々ありましたし」
「ふむ、ハイト君って、時々どうしてそれ知ってるの? ってなるようなこと知ってたりするよね。夢力について全く知らなかったくせに、車のことは知ってたし」
「いや、車は別に知ってておかしくないと思います」
「それは男としてってこと? ……ふ~ん、あやしいなぁ」
代表は訝しむように僕の顔を見る。そんなことを言われても、僕は何も言えないので困る。やがて代表は諦めたのか、ため息を吐いた。
「まあいっか、少し話が脱線したね。さすがに彼の経歴までは知らないみたいだし、簡単に話だけしとくよ」
そう言って、代表は僕に手渡した封筒と同じものを懐から取り出し、開封して資料を読み始める。
「――ハオン・グァチルス。オルヴァナ共和国軍秘密特殊部隊『SLEEVE(スリーブ)』の元隊員で軍を除隊後、様々な紛争地帯を転々とし、消息不明となっていた人物。だが、それと同時期に裏の世界で有名となった冒涜師『埃払い』でもあることが、昨日の騒動明らかになったって感じかな」
「……軍人だったのか」
それはあまりにあいつの人物像とはかけ離れた経歴だった。あの口の悪さだけが取り柄みたいな男が、元軍人。
「じゃあ質問ですが、スリーブっていうのはなんですか?」
「簡単に説明するなら、共和国を代表する最強戦力だね。四大国にはそれぞれその国を代表とする武闘派集団が存在するんだけど、中でも『SLEEVE』はその全ての詳細が謎に包まれた、存在だけが認知されている秘匿特化部隊なんだ。所謂、兵士達に憧れを抱かせるための偶像みたいな存在といってもいい。ほら、そういうかっこいいのに憧れるだろ?」
まあ、たしかに強さに憧れる気持ちはよく分かる。
「……つまり、最強の秘密組織の元隊員ってことですか? でも、隠されているにしては、情報を入手が簡単すぎじゃないですか? 昨日、その正体が判明したばかりなのに経歴が洗われるのはちょっと……」
かっこ悪いと思ってしまった。
「ふふふ、実は私には『働き蟻』という世界中に潜伏した便利な下っ端がいるんだ」
「……なんですかそれ?」
「まあ、端的に言うと協会にバレないように私が処理を任された冒涜師に首輪をつけて飼ってるんだよ」
「……はい?」
物凄いこと言い出したぞこいつ。
「それ、エリシアは知ってるんですか?」
「知ってるわけないじゃん。バレたら殺されるよ。まあ、名前を覚える価値もないゴミのリサイクル運用だと思ってよ。あ、もちろんこの話はご内密にね?」
「…………」
本当にこの人の下にいて大丈夫か心配になった。召使いとか呼ばれるようになるかもしれない。怖いよ。
「まあなんだ。さすがだよハイト君、いいところに気がついたね。実はハオン・グァチルスはそんな隠匿された秘密組織の隊員でありながら、共和国内において英雄として崇められた異例の人物だったんだよ」
代表は今の話をなかったことにして、資料に目を通しながら再度、口を動かす。
「ハイト君も知ってたみたいだけど、共和国での別人に対する扱いは度が過ぎるほど酷いものだ。地域によっては、ただ道を歩いただけで突然襲われ、散々痛めつけられて殺される……そんな事件があるほどにね。最早、旧獣扱いを受けていると言ってもいい。そんな別人が冷遇される国の中で初めてその武勲が認められ、果てには共和国最強戦力と謳われる『SLEEVE』にまで上り詰めた男。それがこのハオンという男なんだよ」
「……なるほど、つまり共和国の別人にとって希望の象徴だったわけか」
「『希望の星』と言われていたらしいよ。しかも彼の武勲は驚くべきことに全く異能の力が絡んでいない。詰まるところ、彼には第三の臓器ともいえる神能も、夢力を消費して力を振るう法式の才能もなかったんだ」
「え……?」
僕は今、代表の発した言葉に明らかな矛盾があることに気づいた。
「神能を持っていないってどういうことですか? 昨日、あいつは確かに神能を使っていました」
「……どんな神能だい?」
僕はハオンが顕現させた剣や銃について説明した。
あれは間違いなく神能だ。でなければあんな特異現象の説明はできない。
「ふむ……後天的に神能を手にしたか、あるいは他のカラクリがあるのか……どちらにせよ、これで確定したことがあるね。今回の事件、『ペガーテ』が関与している可能性が高い」
「……ペガーテって、たしか世界一最悪で有名な冒涜師組織の?」
エリシアに教わったから知っている。
曰く、関われば希望と命はなく、残るのは絶望と地獄の未来のみ。
道徳心など欠片もなく、何か目的があるような組織ではない。
ただペガーテ以外の存在を冒涜するためにあるようなもので、決して分かり合おうとするな、復讐しようとするな、遭遇したなら即座に自分の首を刎ねろ――でなければ、死すら冒涜されるといった『冒涜師』の語源にもなった連中らしい。
「冒険士を真似るように青の外套を纏い、スプラッターとかホラー作品に出てくる狂人みたいな思考した連中さ。下っ端なんてグロければいいとか思ってそうな馬鹿の集まりだよ」
「よりにもよって代表がそれ言うんだ……」
「ただ首魁の『魔王』と最高幹部の『八惑星』は違う。面白い奴の集まりで、己に課せられた『命題』の解答を得るためにどんなことでもできる連中さ。冒険士からすれば、彼らの方が厄介だろうね」
「……まあ、たしかにそうですね」
よくもまあそんな、同じ穴の狢のくせにいけしゃあしゃあと言えるものだ。
「それで今回の事件で確認された旧獣いるだろ? あれが解析の結果、人造で産み出された命だったことが分かったんだ。ご丁寧に識別番号とペガーテの紋章をくっつけてね」
「……まさか」
「シムハナっていうらしい。本部の検分結果、様々な生き物の要素をかき混ぜることで、別の存在へと成立させ、神性を獲得させたものらしい。例えるなら料理だよ。シチューとかを想像してくれたら分かりやすいかな。素材の味そのまま活かしつつ薬とかの調味料で整えたって感じ」
「じゃあその材料には……」
「捻りなくてつまんないけど、人間も入ってるよ。なんなら人間が主な基盤みたいだし」
それを聞いて無意識に自身の拳が震えていることに気づいた。それは怒りによるもの。そんなものに頼っておきながら、あんな風にペラペラと僕に説教垂れていたわけだ。
――フザケヤガッテ。
「――『火星』のピックマン。共和国出身で、生物学で名の知れた『奇跡の星』。数年前にペガーテ堕ちした英雄の片割れだ。相方はもちろん――ハオン・グァチルス」
「――!!」
代表はじっと僕の瞳を見据え、伺うように言葉を紡ぐ。
「確認も含めはっきり言おう。今回の事件、単純なようで様々な思惑が絡んでいる。これは、間違いなく金鍵が対応する案件だ。赤鍵である君には荷が重すぎる。それを踏まえて問おうじゃないか。――君はどうしたい?」
「……僕は」
「顔を見てすぐに分かった。君にとってこの事件はこれからの人生を左右する重要なポイントだ。君がこれからこの世界でどう生きていくか。君がそれを知るためにこの事件は君の手で解決した方がいいと思う」
「……荷が重すぎるって言いませんでした?」
「方便だからね。普通の奴が言う定型文を言っただけだ。――私はそれで終わらない」
代表の瞳がどこまでも深い底知れぬ闇に染まる。
「これ冒険士の悪いとこだけどさ、新人に甘すぎるんだよね。どれだけ強くても、入って一か月まで一律で『紅鍵』スタートにして経験積ませるやつ。実績と信頼がないからって理由は分かるけど、前にも言った通り、冒険士って『死ぬ』のが仕事なんだから。――それじゃあ、遅すぎる」
それは初めてこのダイラムにやってきた一か月前の話だ。
彼に冒険士とはなにか教えられた時の言葉だった。
「冒険士は待っちゃ駄目なんだよ。いつかやってくる死の瞬間ってやつを。君にはその神能があるんだ。――本当は記憶喪失なんて欠点にもなってないよ。何度でも失敗できるんだから」
「……なるほど。分かってるくせに本当嫌な人ですね、代表は」
そもそも、僕はまだ何も言っていない。代表のこれは言わば保険だ。
僕が怖気づいて逃げ出すかもしれないから逃げ道を塞ごうという腹なのだ。
――ソンナコト、スルヒツヨウハナイトイウノニ。
「別に僕は逃げようなんて思ってないよ。むしろこっちから頼みたいくらいです。――代表、僕をこの事件の解決に使ってくれませんか?」
そういって僕は闇に染まった代表の瞳を見つめ返す。そもそもあそこまで言われて、このまま引き下がれるわけがない。
「……Very Good!! いいね! なら私が任務を言い渡そう!! ――ハイト君、街を脅かす冒涜師ハオン・グァチルスとその一派の討伐もしくは逮捕を言い渡す!! さあ、ここが君の正念場!! 頑張ってくれたまえ!!」
「――はいっ!!」
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