第11話 ト書きセリフの悩み

 みなさんはト書きセリフ使われますか? 私は使わない派でした。「でした」っていうのが重要なんですよね。


 私もともとト書きセリフって嫌いだったんですよ。稚拙じゃないですか……そもそも会話文がピンポンボールみたいに連続しないで、主人公の逡巡なんかを交えて書くものだと思っていたからです。


 だからそれができない人がト書きセリフを使うのだと思っていました。


 しかしです。私の敬愛する村上春樹さんが『アフターダーク』でやってたんですよ。びっくりしました。


 まぁもちろん素人のト書きセリフとは違うと思いますが……いやあまり思えないか……。


 ただロジックは分かりやすいんですよね。説明文がなくても誰だか分かるというメリットは大きいです。


 というかなんなら、私の小説はト書きみたいなもんなんですよね。美麗な描写とか無くて「はいここから戦いだからね〜」みたいな。どこかそれでいいと思っている節がある。


 文章に無駄な情報を入れたくないんですよね。文章を細かくして、一文一義を守りつつ、煉瓦みたく組み立たいのです。そのせいで説明不足になっている気もしますが……。


 だからト書きセリフ使っちゃおうかぁ……と思っていたやさきに友人に「唐突にト書きになるのは不自然」と言われました。それはそう。


 じゃあ全部、ト書き? もう脚本作家になりますか?


 うまい共存ができたらいいんですけどね……。


 みなさんはト書きセリフどう思われますか?


 ◆◆◆


 このところ、嬉しいことにコメントを残して下さる方がいらっしゃいます。もちろん返信はするのですが、それに対する返信機能ってないんですよね。


 なので私の「近況ノート」か「X」にご連絡頂ければと思います。気軽に絡んでいただければ!

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