第10話

「蔭山さん」

介護センターから戻って来た亜紀を優弦が呼んだ。

「はい」

「この島田さんはちゃんと治療を受けてるの?本土の病院でもいいんだけど」

「島田のおばあちゃんは医者嫌いですから」

「往診に行こう。僕では誰が島田さんか分からないから、一緒に来てくれるかい?」

亜紀は唖然とした顔で優弦を見ていた。

「後、斉藤さんも心配だからそっちもね」

優弦はそう言うと黒い鞄に聴診器や注射器などを詰め込んだ。

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