第7話
「あれ、何始めたの?」
1人の入居者の老人が絵見に訊いた。
「診療所の片付けをしているの」
「おや、来て早々に片付けかい?」
「何でも手術室を使えるようにするんだって」
絵見がそう言うと、老人は目を丸くしている。
「今度の先生は手術が出来るのかい?」
片付けが終わると、中はがらんどうで手術台とライトがあった。
ライトが切れている。
「内田さん。本気でこの診療所で診療する気があるんですか?」
優弦は腹を立てていた。
「も、もちろんです。今のままではいけないと思っています」
内田がそう言うと、優弦は漸く笑顔を見せた。
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