第30話
「さっこれで邪魔者は居なくなったからここからは女同士話していきましょう」
千鶴さんはベッドに座り楽しそうな顔をしながらこちらに話しかけてくる。そんな中ゆいがベッドの下でごそごそしている。
「ちょっとゆい一体なにしてるの?なんでベッドの下でごそごそしてるの?」
「お姉ちゃんなにをしているのってエッチな本を探してるに決まってるじゃん、世の中の男子はベッドの下に秘密が詰まってるんでしょ?」
「ちょっちょっとそんなことしちゃダメだよ。もし本当にあったらどうするの!?」
「あったら?もちろんケー兄の好みを把握してどうケー兄を攻略するか作戦会議するに決まってるじゃん」
「いやいやダメだよ、それにゆいにはまだ早いから探しちゃダメ」
「ゆいちゃん残念だけどいくら探しても無いと思うわよ。私も探したことあるけど一度も見つけたことないから」
「えーケー兄はもしかして残念な人なの?」
「今はちょっと見た感じ変わったかもしれないけどそれも英梨さんとの出会いがきっかけだろうし、そんないきなりに変わることは無いんじゃないかなー?」
「そうなんだ!でも変化あったかもしれないならこれからに期待なんだね。お姉ちゃんここはガンガン行こうぜ一択しかないね」
「そっそんなことありません、命を大事にでいいんです。ゆっくり仲良くなっていけたら満足ですから」
「アハハ今の子達でもドラ◯エネタとかやるのね、もうお腹痛いからやめてー」
千鶴さんがお腹を抱えてベッドに横たわり思い切り笑っている。
「敬斗さんは本当に料理だけだったんですね、部屋にある本も料理関係のがたくさんです。勉強のがちょっとしか」
「そうね、あの子にとって料理がすべてと言っても過言ではないから。だからあの子のことを二人で支えてあげてほしいの」
「もちろんです。敬斗さんにとって料理がすべてなら他を私が支えてみせます。そしてわっ私にもむっむちゅにしゃせてみせましゅ」
「お姉ちゃんそこははっきり言わなきゃダメだよ、お姉ちゃんの無駄に豊かなパイならケー兄だって時間かけたらイチコロだよ」
「そうね、敬斗も男だしまったくそういうのに興味がないとは言い切れないから頑張ってみたらいいと思うわ。婚約だってしてるんだしね」
「大丈夫だよお姉ちゃん、私もケー兄がお姉ちゃんに夢中になるように頑張るから」
「それにしても、この背丈でこのサイズだと下着とか選ぶの大変でしょう?ちゃんとしたお店探してあげるから今度敬斗なしで3人で行きましょうね」
「いっいいんですか?私またサイズがちょっとあれで困っていて」
「女にとって下着は重要だものね、私にも少し分けてほしいわ」
「いやいや、千鶴さんだってスラッとしてるのにあるじゃないですか!私にその身長分けてくださいよ〜」
「はははやっぱりそうなるわよね、みんな足りないと思うことは絶対にあるから無い物ねだりしちゃうのよね」
「そうですね、無い物ねだりしちゃいますね。だけど私は私ですからこのあるもので頑張ります」
「若いっていいわねー、そうだ二人の下着は私がちゃんと洗っておくから安心して。敬斗にはまだ早いだろうし」
みるみるうちに顔を赤くしていく英梨ちゃんがか弱い声でお願いしますと呟くのを聞いて私は敬斗がそろそろ上がるだろうと思い最後の入浴をしに向かった。
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