第16話
ゆいちゃんが氷水を持ってきてくれたので、それでタオルをしっかり冷やし赤くなった腕に当てておく。
「お兄さん本当に大丈夫?痛かったらちゃんと言ってね、無理したら嫌だよ」
「大丈夫だよ、こういうのは慣れてるって言ったろ。あまりここにいたら英梨さんが心配するから戻ってシュークリームを食べておいで、ゆいちゃんの為にせっかく作ったから食べてくれたら嬉しいな」
「……うん、分かった。それじゃ戻るね、シュークリームもだけどプリンも作ってくれてありがとう。お兄さん…ケー兄」
「ケー兄?それって俺のことだよねやっぱ」
「うん、それしかないよ。今までお姉ちゃんしかいなかったからケー兄みたいな優しいお兄さん憧れてたんだ、お姉ちゃんすぐ怒るし。ダメかな?」
「ダメなんかじゃないよ、俺兄妹とかいなかったからゆいちゃんみたいなカワイイ子が妹になってくれるなら嬉しいよ。だからゆいちゃんの好きな呼び方してくれていいよ」
「うん、じゃぁこれからよろしくねケー兄」
「そうだ、あっちに戻る前にカップを片付ける袋を用意してもらっていいかな?割れたカップは手とか切りやすいから近寄ったり触ったらダメだからね」
「はーい♡あっちで待ってるからね」
お兄ちゃんかっこうなるともう決定だよな。英梨さんと婚約して本当に結婚までしたらゆいちゃんは本当に義妹になるし、むしろそれがわかったらゆいちゃんは結婚に向けて動き出すであろう未来しか見えない、英梨さんの為に動く勇気のある子だしなー。今はあまり考えても仕方ないし、なるようになるかな。そろそろ腕も落ち着いてきたし戻るとしよう。
「お帰り敬斗さん、腕大丈夫だった?ゆいから聞いたよ、腕が真っ赤になってたって。火傷とかしてない?」
「大丈夫だよ、ゆいちゃんが氷水用意してくれたし、しっかり冷やしたから問題ないよ。それじゃカップ片付けるから、あと掃除機出してもらっていいかな?細かい破片もあるかもしれないし」
「掃除機私が持ってくる、待っててねケー兄」
ゆいちゃんが、風のように掃除機を持ってこようと飛び出していく。
「ケー兄なんて、ずいぶん好かれたんじゃないのかな?け・い・とさん」
「そうだね、嫌われてはないね。だから、これで俺が言った条件はクリアかな。詳しい話はまたしなきゃいけないと思うけど、婚約の話は進めていこうと思うよ」
「そっそうだね、その為に今日来てもらったんだし、じゃじゃあ料理はどうしようか?腕の怪我もあるし」
「この位怪我に入らないから大丈夫だよ、英梨さんの料理は見てみたいから一緒にやろう」
「うん……本当に本当に失敗しても見捨てたりしないでね」
「大丈夫だよ、誰にだって得意不得意はあるんだから、それをどう支えていくかが大事なんじゃないかな」
「うん、そうだよね。でも私も少しでも料理出来るようになりたいから頑張るよ」
ここまで読んでくれてありがとうございます。もしこの作品を面白い、続きが気になると少しでも思われたらいいね、フォロー、☆などをいただけたら執筆のモチベーションになります。応援コメントなどもいただけたら必ずお返事しますのでこれからもお願いします
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます