第4話
「お風呂ありがとうございます、大変助かりました。それに着替えも貸していただいて必ず新しいの返すので」
「おっちょっとは気分さっぱりしたかな?さっきは全然反応してくれなかったから心配だったんだよ。若干というか無理矢理連れてきちゃったし、着替えに関しては気にしないでくれ、返す必要もないから。さっそれじゃスープも出来上がったし飲みながらちょっと話でもしようか」
先にテーブルに座ってもらい俺は出来立てのスープを器に注いで彼女に渡す。
「出来立てで熱いから気をつけて飲んでくれよ」
「ありがとうございます。お風呂だけでも申し訳ないのにスープまで用意してもらって」
「気にしなくていいよ。ただ一つだけお願いしていいか?」
彼の目が変わるのを感じた。そうだよね、ここまでしてくれるんだから対価は必要だよね。やっぱり男の人だから、体を求めてくるのかな?私の初めてをこんな形で終わらせるなんて
「あの、私初めてなんで痛くはしないでください、」「このスープの出来栄えをなるべく細かく聞かせて欲しい」
二人の声が同時に重なり、お互い相手の言葉の内容を考え一瞬の静寂が訪れる。
「初めて?痛くしないで?」「スープ?出来栄え?」
「あーごめんな、もしかして俺のお願いって助けたんだから体を寄越せとか言うとおもった?」
俺の問いに彼女は顔をだんだんと赤くしていきついには完全に顔をテーブルに押し付けるように隠してしまった。その姿に俺は我慢できずつい笑ってしまい彼女を驚かせてしまった。
「なんで笑うんですかー!もう私お風呂に入りながらだんだん意識もハッキリしてきて、もしかして私今日卒業しちゃうんじゃないかって不安になってたのに、でもこんなに優しくしてくれるから大丈夫かなと思っていたらお願いがあるなんて言われて、だから覚悟したのになんなんですか?スープの出来栄えって、もしかして、私って思ったより魅力ないんですか?あのおじさん達の視線は自意識過剰だったとか」
「おいおい、落ち着けよ。そんなに興奮したらせっかくのスープがこぼれちゃうだろう?この際だからハッキリ言わせてもらうが、魅力が無いわけないだろう、自意識過剰?いや、あんたの感じてる視線は正しいだろうよ、それだけのスタイルに幼い顔つきのギャップも相まってたいていの男は邪な思いをいだくだろうよ。だけどな、あの時あんたが流した雫を見ちまったら手なんか出せるわけないだろ、それにタオルを渡した時に見えた姿を理由に通報でもされたらどうしようと逆に怯えたわ」
「なっわっ私は助けてくれた人を通報するような最低な人間じゃありません。なんでおびえるんですか?失礼ですよ!」
その後15分ほど思ったことをぶちまけてやっと落ち着く2人だった。
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