第24話:承認欲求の強い女。
「もう、知らないっ」
そう言ってケチャップは、ふてくされたまま、俺の部屋から出て行って一階の
リビングのソファで寝てしまった。
(怒らせちゃったな・・・やっかいだよな)
とうぶん機嫌直してくれそうになさそうだ・・・。
次の朝・・・俺はこっそり起きてケチャップが寝てるソファへ・・・。
ケチャップはまだよく寝ていた。
「エッチできないくらいで、なんであんなにキレるんだよ」
「 ケチャップは絶対承認欲求が強いんだ」
「否定されたり拒否られたりすると過剰に反応するんだな」
「俺に、ずっとかまっててほしいんだ、 いつだって安心してたいんだ」
「難しい年頃だよな・・・別れた元カノよりやっかいだよケチャップは」
「たぶんお姫様で育ってるからな・・・わがままなところもあるんだな」
「まあエッチ途中でやめたのは俺だからな・・・怒るのもしかたないけどな」
「だけどこれから先だって、また同じようなトラブル起こる可能性ありだな」
「女は成人してても精神的に子供なんだ、元カノも子供じみたところあった
からな 」
「それほんと?」
「あ、ケチャップ・・・起こしちゃったか?」
「ケイスケって・・・まだ元カノのこと忘れられないんじゃないの?」
「ケイスケ・・・元カノに未練あるの?・・・ヨリを戻したいって思ってるの?」
「そんなわけないだろ・・・今、愛してるのはケチャップだけだよ」
「元カノとは過去のことだから・・・」
「私と、元カノと比べたりしてない?」
「そんなことしないよ」
そう言ったが・・・心のどこかで、時々元カノのことを考えてた自分がいた。
たしかに元カノとの思い出はいっぱいあるからな・・・フラれた俺としては
未練がないって言ったらウソになるか・・・。
でも、いまさら何を思っても時間は戻っては来ないだろ・・・。
すぎた過去は取り戻せない・・・それが現実。
もし、過去を行けたら、もう一度恋愛だってやり直せるのにな。
「なあ、俺が悪かったから機嫌直せよ」
「もう直ってるよ・・・私だってウザいばっかの女じゃないからね」
「悪かったな・・・エッチ止めたくらいでキレるなんて思わなかったから・・・」
「人間の女って、どうなの分からないけど、私にとってはエッチは特別な行為
なの 」
「エッチって言うか・・・血を吸うってことがだろ?」
「まあ、今はそうだけど・・・元々そうなの」
「そうだ・・・今夜、約束通り飲みに連れれってやるよ」
「二階のお邪魔虫のふたり、放って行ったらあとで文句言われそうだから、
ついでに連れて行ってやるか?
金はザッハトルテに払わせときゃいいし・・・地球へ来るために金くらい
持って来てるだろ?
「居酒屋から帰ってきたら、昨夜の埋め合わせするから・・・な?」
「血、吸っていいから・・・」
つづく。」
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