第20話:元カノと別れてたった1日しか経ってなかったの?。

ってことで、ザッハトルテとミルフィーユは俺の家に住み着いてしまった。


ここに残ったのは、ケチャップのことが心配ってより、毎日の城勤めに

飽き飽きしてたのが本当の理由みたいだ。


これは長期戦になるな・・・いや、もしかしたら、あのふたりは死ぬまで

自分の星に帰らないつもりかもしれない。

とりあえず俺は親父とオフクロが使ってた部屋を、ふたりに当てがった。


ケチャップと何も気にせずセックスできるって喜んでいたのに・・・

やっかいな、おまけがついたもんだ。


それにしてもケチャップがお姫様だったとは・・・そういうことは彼女は

何も話さないから・・・。


普通のスライモかと思ってた。

まあ、普通のスライモが星と星の友好関係を結ぼうなんて思わないわな。

ってか地球にセックスさせてくれる男を探しに来ただけじゃん。


そうだ・・・ケチャップとのこの交流企画って一ヶ月したら終了するんだよな。

え?そしたらケチャップと俺の関係はどうなっちゃうんだ?


ケチャップは一時のアバンチュールの果てに自分の星に帰るのか?


いかんいかん・・・ダメダメ・・・そんなことはさせない。

ケチャップはもう俺の女だからな。


そのへんちょっと気になったのでケチャップに聞いてみた。


「あのさ一ヶ月経ったら異星人との交流期限が終わっちゃうだろ?」

「そしたら編集社がケチャップを迎えに来るじゃん・・・」

「帰っちゃうのか?・・・自分の星へ・・・帰っちゃうのか?俺を捨てて・・・

勝手に帰っちゃうの?・・・」


「な訳ないじゃん・・・空気読みなさいよ」

「ケイスケと私の間に流れてる空気・・・ちゃんと読みなよ」

「大事な彼を捨てるわけないでしょ・・・」


「もうエッチしちゃった仲だし・・・私の彼はケイスケ一人だもん」

「企画終わったってだけで、なんで自分の彼氏、捨てて星に帰らなきゃ

いけないのよ・・・もっとさ自分に自信持てば?・・・」


「ってか・・・それより、前からケイスケに聞こうと思ってたんだけど・・・」


「ん?何?・・・」


「ケイスケって、どこかに付き合ってる彼女とかいないよね?私の隠してたり

してない」


「え〜〜〜〜〜いまさら?・・・今更それ聞く?」


「一応ね、聞いとかないと・・・・・・それに私よく考えたらケイスケのこと

な〜んにも知らないし・・・」


「彼女なんているわけないだろ・・・」

「もし俺に彼女がいたら、異星人との交流企画に応募したりしないで家で

ラブラブしてるよ」

「暇だったから応募したんだし・・・」


「まあ、別れた元カノならいたけどな・・・」


「元カノ?・・・・」


「そう・・・桃香ももかって名前の彼女・・・」

「ケチャップとの企画に応募する1日前に、その彼女と別れた」


「え〜なに?、1日前って・・・それって、ホヤホヤじゃん」

「別れたイッキでしょ・・・舌の根も乾かないうちに異星人との交流企画に

応募したの?」


「ダメか?」


「たった1日しか経ってないんだよ・・・どういう神経してるのよ」


「だって別れた後なんだから、なにしようと俺の勝手、自由だろ」


「そうだけど・・・」


「そりゃ俺の過去にだって付き合ってた女のひとりやふたりはいたさ・・・」


「そういう問題じゃなくて・・・一度は好きで付き合ってんでしょうが・・・」

「心残りとかなかったの?」


「だって、なにが気にいらなかったか知らないけど、向こうから一方的にフって

出てったんだからな・・・」

「元カノにしてみたら俺になんか未練はないんだから、待ってたって彼女は

帰って来ないだろ・・・」

「ウジウジしてたって惨めったらしいだけだからよ」


つづく。



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