第8話:謎の首筋の傷。
「風呂沸かしてやるから入ればいい・・・」
「ふろ?・・・ってなに?」
「え?風呂も知らないのか・・・君の星にはないのかな」
「体の汚れを落としたり体を洗ったり暖かいお湯につかったり・・・」
「あ〜あるよ・・・それがふろって言うんだ・・・
「それはちゃんと入るよ・・・ 入らないと腐っちゃうからね・・・」
(腐ってるようなもんだろスライモなんて)
(これ言っちゃうとセクハラだよな・・・黙ってよう)
「そうか・・・それじゃ教えなくていいな・・・助かった」
脱衣場じゃないところで勝手に服脱がれたりしたら困るし・・・。
「その買い物の中にスイーツ買っておいたから・・・風呂から出たらオレンジ
飲みながらでも食べな・・・」
ケチャップはコンビニの袋から、美味そうなスイーツを取り出した。
「おほほ〜・・・美味しそう」
「俺の分とふたつ買ってあるから、仲良く食べよう」
「ほんじゃ・・・ふろ?入ってくるね・・・」
って言って風呂に入って行ったんだけど・・・ケチャップの入浴時間は、めちゃ
長かった。
約、3時間くらい出て来ない・・・。
(風呂で何してんだよ・・・のぼせちゃうぞ・・・)
(体洗うったって・・・どこ洗ってるんだよ、長すぎないか?・・・ギャルって
そんなもんなのか?・・・あ、スライモだった)
待って、待って、ようやく風呂からケチャップが出てきた。
出てきたのはいいが、裸のままキッチンにやってきた。
俺は飲みかけのオレンジジュースを吹き出しそうになった。
「おいおい、なにストリップしてんだよ、せめてブラとパンツくらい履けよ」
「そんなもの最初っから履いてないもん」
「あ、そう言やそうか・・・Tシャツとカーゴだけだったもんな、悪い」
「じゃま〜フリチンでもいいわ・・・あ〜じゃくてフリマ・・・・」
「いいから、座れ」
そうして俺とケチャップはスイーツを食べてオレンジを飲んで彼女が寝る前に
俺は風呂に入ってからケチャップのための部屋に連れて行ってやった。
「おやすみケチャップ・・・」
「私、一人で寝るの?」
「そうだよ、そのほうがゆっくり眠れるだろ?」
「ケイスケと一緒に寝ちゃいけない?・・・・」
「え〜・・・一人で寝たほうがリラックスできると思うけどな〜」
「異星人同士の交流企画でしょ?」
「一緒じゃなきゃ、ヤダ・・・だって寂しいもんホームシックだもん」
「ホームシックって・・・まじでか?」
「まじまじ・・・ね、一緒に寝よ・・・なんにもしないから」
「それはどっちかっつうと俺のセリフじゃないのか?」
で、しようがないからケチャップを俺のベッドに寝かせた。
「触るな、触るな・・・ごそごそしないで早く寝ろよ」
「おまえな〜まだ裸のままなんだぞ?」
「おっぱい触ってもいいよ」
「いいから寝ろよ」
「ケイスケの理想の女が横にいるんだよ・・・我慢できるの?」
「我慢しないと、その気になったらダムが崩壊したみたいに取り返しが
つかないことしそうだから自重してんだよ」
「あのね・・・エッチい交流も含まれてるんだよ、って言ったら?」
「あのなケチャップがまだスライモだって意識が消えないんだよ」
ケチャップは俺と同じベッドで寝た、たしかに俺の理想の女だけど、元は
スライモだって思うと
エッチしてる最中にスライモに戻ってることを想像してしまう。
だから当然その夜は何もないわけで、俺はケチャップに抱きつかれたまま寝た。
で、問題は次の朝のことだった。
朝、目を覚ますとすでにケチャップはベッドにいなかった。
俺も起きて歯を磨こうと洗面所へ行ったんだ・・・顔を洗って鏡を見た・・・・
そしたら俺の首筋に、二個・・・なにかに刺されたかしたみたいな傷跡が・・・
くっきり・・・。
なんだこれって触ってみたら、少し痛い・・・
訳が分からないまま、とくに深くも考えず傷口に薬だけ塗って朝食を食べて
会社へでかけることにした。
「じゃ〜俺、会社へ行ってくるから・・・ちゃんと留守番しててよ」
「仕事終わったら買い物して一直線で帰ってくるから・・・」
「いい?ひとりで外には出ないこと・・・なんならテレビでも見てな・・・」
ケチャップひとり残して会社へ行くのは、後ろ髪引かれる思い・・・気がかりで
しょうがなかったけど、しかたない。
二・三日ならいいけど一ヶ月も会社、休めないし・・・。
いっそ会社辞めるか・・・生活費は親父が送ってくれてるし・・・贅沢さえしな
きゃ食っていけるだろ・・・。
ケチャップが自分の星に帰ったらまた就職活動したらいいか・・・。
いい考えだと思った・・・そしたら24時間ケチャップといられるし・・・。
そのうちケチャップがスライモだって意識が消えたらその時はエッチい
交流だってできるだろ。
そしてその夜、なんで俺の首筋に傷跡が残ってるのか、その原因が分かることに
なるんだな。
つづく。
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