第7話:コンビニへお買い物。
スライムから圭介の理想のピチピチ、キャピキャピのギャルになったケチャップ。
俺の恋愛バロメーターが一気に上昇した。
「明日、俺がいなくて困らないよう今夜コンビニへ言って明日食うもの買っとく
から・・・ 」
「こんびに?・・・ってなに?」
「え〜とね・・・いろんな食材売ってるとこ・・・」
「食物とか・・・日用品とか・・・雑誌とか」
「なんでも売ってる店だよ」
「行ってみたい・・・」
「じゃ〜一緒に行くか?・・・」
「ケチャップの社会勉強にちょうどいいし・・・」
ってことで、俺はケチャップを連れてコンビニへ出かけた。
外に出てケチャップを連れて歩いてるとTシャツにカーゴパンツだから
まるでギャルって言うかヤンキーみたいだった。
到着したコンビニでケチャップは珍しそうに店の中をキョロキョロ物色していた。
「あんまキョロキョロしない・・・不審者だって思われるから・・・」
「ほ〜なるほど・・・こういう店、私の星にもあるよ・・・」
「まあ、人間って言うかスライムって言うか生き物がいる星には似たような
生業や文化があったりするし・・・似たような店だってあるよな・・・ 」
「とりあえず明日の昼に食べるもの買っとくから・・・」
「なにがいいかな・・・おにぎりとか、どう?」
「おにぎり・・・って?」
「おにぎりってのは、これ・・・」
「美味いぞ・・・最初はこういうもののほうがとっつきやすいだろ?」
「明日の晩飯は冷蔵庫の中の材料で俺が何か作ってやるからな」
「興味津々だな・・・また今度ゆっくり連れてきてやるから・・・」
それから俺はケチャップ用におにぎりに飲み物、あとカップ麺もスイーツも
買ってやった。
「買うもの買ったし・・・帰ろう・・・」
コンビニを出ると、小雨が降っていた。
来る時は降ってなかったのに・・・。
「傘持ってきてないし・・・コンビニで買うのももったいないし・・・」
「すぐそこだから走るか・・・手、つなぐぞ」
「なんで?」
「今から走るから・・・」
「それに手をつなぐことに理由なんかないよ・・・異星人の女の子と
手をつなぎたいって素直に思ったから・・・」
「ふん・・・まあいいけど・・・」
「おて〜てつ〜ないで〜の〜み〜ち〜をゆ〜け〜ば〜ってか・・・♪」
「なにそれ?・・・ガキっぽい」
「童謡・・・って歌だよ」
「どうよう?」
「ってなに?って聞くんだろ?」
「あのさ、なんでも俺に聞かないで、パソコンあるから俺がいない昼間、
勉強すれば?」
「昼間は私、あまり日に当たると溶けそうになるから寝てることのほうが多いかも」
「溶けるってなんだよ、最初っから溶けてんじゃんかよ」
「溶けてるって言うな・・・失礼でしょ」
「今は人間になってるんだから大丈夫だろ、溶けやしないよ」
「さて・・・ちょっと走るぞ・・・」
俺はケチャップと手をつないだまま家まで走った。
大変だな、これは・・・交流なんて言っても何も知らないギャルの面倒みてる
だけのような気がするけど・・・。
ん〜ま、でも俺もいつも一人だし・・・ケチャップがいたほうが生活にメリハリが
つくし楽しいのはたしかだし、さしずめ外人のホームステイみたいなもんかな?。
家につくとケチャップは息を切らしながら俺の方を見て笑った・・・。
「何が可笑しいの?」
「楽しかった・・・走ったのなんていつのことだったっけ?」
「スライムも走ったりするのか?」
「今は違うでしょうが・・・」
「まあな俺はケチャップと手繋いで走ってちょっキュンってなったかも」
「そうなの?・・・私も一緒だ」
「すこし濡れたよな・・・体冷えただろ?」
「風呂沸かしてやるから入ればいい・・・」
なんとなく本格的異星人との交流って感じになってきたんじゃないか?。
つづく。
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