第9話:血、吸っちゃった。
俺は仕事を終えてスーパーで買い物してから大急ぎで家に帰った。
玄関を開けて、靴を脱ぐのもそこそこに「ただいま」を言うのもそこそこに
急いで居間を除いた。
「よかった・・・いないんじゃないかって心配した」
「おかえりケイスケ・・・」
って、ソファに座ってテレビを見ていたケチャップが返事をした。
で、返事をしたケチャップを見て俺は固まりそうになった。
ケチャップは髪は赤くなってるし、よく見たら瞳の色も赤く変わってたからだ。
「私、テレビ見てても、いまいちよく分かんない」
「そんなことよりケチャップ、どうしたんだ?なにがあった? 」
「なにが?・・・どうしたって?」
「ケチャップ、髪の色変わってる・・・瞳の色も・・・気づいてないのか?」
「分かんない・・・」
「いいから、洗面所で鏡見てみ?」
俺にそう言われてケチャップは洗面所の鏡を見に行った。
洗面所から出てきたケチャップ。
「なにこれ・・・なんで?」
「なんでそうなってるのか思い当たる節ないのか?」
「つうかさ・・・ケチャップなんか雰囲気もおかしいって・・・」
「なんでそんなに色っぽくなってるんだよ・・・」
「そんなに色気、振りまいたら・・・健全で生きてる俺でも我慢できなく
なるだろ?」
「なんかさ・・・エロいフェロモン出まくりじゃないか?」
「あのね、なんでこんなことになったか思いつくことある」
「私、我慢できなかったの・・・」
「我慢できなかったって?・・・なにが?なにが我慢できなかったの?」
「白状しちゃうけど
吸っちゃった・・・」
「なんでか無性に血が吸いたくなっちゃって・・・」
「え?・・・吸いたくなっちゃったって?・・・」
「そう・・・血、吸っちゃったの・・・」
「ケチャップ・・・俺の血吸ったって言ったか?」
「ちょっと待て・・・なんでそんなことした??・・・」
「あ、そう言や朝起きて洗面所で首んところに傷跡があるからおかしいと
思ったんだよ・・・これか?」
「私もよく分かんない・・・」
「たぶんだけど、もしかしてケイスケの理想の女性って吸血鬼かバンパイヤ
だったんじゃないの?」
「うそ・・・まじで?・・・そんなキャラだっけ?」
「なんせ、可愛いって思った女の子はみんな脳みそに取り込んだからな」
「いろんな子いたから、もしかしたらバンパイヤとかもいたかも」
「今の私は生き物の血を吸わないとヤバいことになるみたいだよ 」
「スライムに戻ったほうがいいのかな?」
「難しい選択だな・・・俺としては今のままエロいケチャップでいて欲しい
けど・・・このまま毎晩血吸われるってのもな・・・」
「スライモもまあ可愛いけど、でも戻られたら楽しさ半減だし・・・」
「もしかしてエッチもできなくなるかもだし・・・それは困るし・・・」
「どうしても血吸わなきゃだめか?」
「だってこの子そう言うキャラなんだもん・・・」
ケチャップは困ったようにソファに座り込んだ。
今のケチャップはこの地球じゃ伝説になってる吸血鬼ってやつと同類なんだ。
俺はたぶんバンパイアが出てくるような映画かアニメ観たんだろうな?
可愛いと思った子はみんな好きになっちゃうからな。
つづく。
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