第12話
映画アニメ祭りが開催されて、有紀は梨央を連れて行った。
梨央は大好きな映画を見れて本当に楽しそうだった。
映画を観た人が貰える缶バッジを早速胸に付けて、ヒロインに成りきって変身ポーズを決めていた。
「梨央すっかり覚えたねー」
「違うもん。今はさくらだもん」
梨央の言葉を聞いて有紀は笑った。
「白藤じゃないか!」
突然声がして見てみると、そこに智也がいた。
「あれ?三浦君もアニメ好きなの?」
「そう。特にさくらウォークが」
智也の言葉を聞いて思わず有紀は笑い出した。
「三浦君には色んな顔があるんだね」
剣道をする時の凛とした顔。
4歳の女の子にクッキーを作ってくれる優しい所。
アニメが大好きな可愛い所。
「白藤は梨央ちゃんの付き添いか?」
「ところがそうでもないの。私、アニメ好きだから」
「へえー」
「こんにちは。梨央ちゃんは何のアニメが好きなの?」
「さくら……変身ポーズが可愛い」
梨央は恥ずかしいのか半分有紀の後ろに隠れながらモジモジしている。
「俺もだよ。さくら可愛いよね」
智也は屈みこんで梨央と目線を合わせた。
笑顔を見せると梨央が笑った。
「お兄ちゃんはお姉ちゃんの事が好きなの?」
「この子は突然何言い出すの……!」
有紀は急激に顔が火照って、真っ赤になっている。
「うん。好きだよ」
智也は梨央と目線を合わせたまま、真剣な表情になった。
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