第4話
優衣の家は喫茶店だ。
trueheartと言ってアマチュアバンドやアマチュア歌手などが、歌を披露出来るようになっている。
その歌を聴きながらコーヒーを飲んだり、食事をしたりする。
優衣は幼い時からずっと歌を聴いて育った。
優衣自身も子供の頃から歌手に憧れていたから、学校から帰って来たら店に入り浸り、歌を聴きながら宿題さえカウンターの上で片付けていた。
そして小学校高学年の頃から店で歌うようになったのである。
歌自慢の大会にも出場して歌を披露するなど、町ではちょっと知られた存在だった。
今は週に一度はtrue heartで歌っている。
それ以外の日はファミレスでバイトしながらボイストレーニングのレッスンに通っていた。
優衣は子供の頃からアイドルの真似をして歌ったり、音楽番組は欠かさずに見ていた。
レッスンのための費用を稼ぐためにバイトもしていた。
「しかし、ボイトレの費用のためにバイトするなんてそこまで歌手になりたいんだ」
「笑われてもいい。若葉、私は歌手になりたいの」
2人でお盆を持って話をしていると、新しい客のカップルが入って来た。
「いらっしゃいませー!どうぞこちらのお席
へ」
優衣はメニューを持つと、直ぐに客を席に案内した。
客にメニューを渡すと、水を運んだ。
「ご来店ありがとうございます。メニューが決まりましたらお手元にあります青いボタンを押して下さい。係員が参ります」
優衣はそう言ってそのまま厨房の入り口へと向かった。
このファミレスでバイトして2カ月になる。週3回のバイトだ。
それ以外の日は歌の練習をしていた。
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