第5話

ホワイトロードの店内は今日も女性客や、女子高生で賑わっていた。

午後4時過ぎだというのに、8つあるテーブル席は全て埋まっていた。

席の女の子達はみんなカウンターを見つめている。

目当ては今、ピザトーストを作っているマスター……ではなくて洗い物をしているバイトだ。

「優弦、ブレンド上がったよ」

「はい」

優弦って言うんだ。

カウンター席でコーヒーを飲みながら、環奈は耳を傾けていた。

優弦は綺麗に手を洗って拭くと、銀のトレイにコーヒーカップを、3つ並べて席へ持って行った。

「お待たせしました」

柔らかな笑顔を見せると、女子高生達の前にコーヒーカップを置いた。

「ごゆっくりどうぞ」

優弦がカウンターに戻って行くと、女の子達は顔を見合わせて悲鳴を上げる。

「素敵!今日もゆず、カッコいい」

そうしていると、常連客がやって来た。

「ゆずー!来たよ!」

「いらっしゃいませ。いつもありがとう」

優弦はまた柔らかな笑顔を見せた。

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