第4話

放課後が来ると、優弦は直ぐに鞄を抱えてクラスを出て行った。

「ゆずー!これからバイト?」

廊下にいた幾人もの女の子達が、声を掛けて来る。

「そう。じゃあな」

「私達、ホワイトロード行くからねー」

ホワイトロードは瀬良高校から徒歩で5分の場所にある。

こじんまりした喫茶店で、マスターが1人で切り盛りしている。

優弦は1年生の4月からそこでバイトしているので、早2年近くになる。

「マスター、こんにちは」

「おー。ゆず、今日も頼むぞー」

優弦は制服から、白シャツに黒ズボンに着替えると、黒いエプロンをした。

「マスター、今日肉じゃがでいいですか?」

「あー頼む」

優弦はジャガイモの皮を包丁で手早く剥き始めた。次に玉ねぎを切っていると女子高生達がやって来た。

「ゆずー!」

「いらっしゃい」

優弦は手を洗って、丁寧にタオルで拭くと、水のコップを3つ持って来た。

メニューを渡されると3人は仲良く目を通す。

「ブレンド3つとピザトースト1つ」

「かしこまりました」

優弦はカップの準備を始めた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る