第74話 最後まで妥協のない笑いが溢れる?買い物

「それで良いのか?」


『ぬにょおぉぉぉぉぉぉ!!』


 これが気に入った、これ以外には考えられない!! と叫んだブーちゃん。


『きゅいぃぃぃ!!』


『ぷぷぷぷぷ~!!』


『タクパパとおなじくらいカッコいい!! フォー!!』


 ラビ達は、1番カッコいいはブーお兄ちゃんに決定!! お兄ちゃんカッコいい!! フォー!! だと。フォー!! って……。


 あれからパーティーメガネを選ぶこと1時間。まさかの1時間もかかるなんて。1つ1つを5分以上かけて吟味していったラビ達。それはそれは真剣な表情で、細かい所まで話しあって、パーティーメガネを決めていた。


 そして3つまでに絞られたパーティーメガネ。最後は実際に付けて歩いてみた方が良いというラビの言葉に、ブーちゃんは3歩ずつ行って帰って来て。

 その歩く姿勢が決め手となり、3つの中から見事、メガネの枠の色が、ギャラクシーなパーティーメガネが選ばれた。めっちゃくちゃ派手なやつだよ。


「よし、じゃあブーちゃん、カート入れてくれ」


 ブーちゃんに、カートにパーティーメガネを入れるように言う。今日は色々買うだろうって、最初からカートを持っていたからな。

 しかしパーティーメガネを外さないブーちゃん。どうやらパーティーメガネをかけたまま、次のラビ達の買い物に付き合うらしい。


 目立つからやめてくれよ。今までだって通りかかった人達が、一瞬ビックリした表情をした後、すぐにクスクス笑い始めたて、時々爆笑している人もいたけど。俺に可愛い魔獣ですねって声をかけてきたんだから。お菓子までくれた人がいたんだぞ。


「タク、そこで押し問答してると、時間がどんどん過ぎるだけだぞ。ラビ達の方だって、この様子だと時間がかかるだろうからな。それにもうどうせ目立ってるんだから、今更取ったところで変わんないだろう」


「はぁ」


 仕方なく、そのままの格好で移動する事に。そして出会った人達を、またビックリさせて笑わせるブーちゃん。それに大満足のブーちゃん達。


 次に着いたのは、ラビ達の変装グッズが置いてある場所だ。ここには口髭やら眉毛やら口やら、変身用、色々な形の面白グッズを売っている。


『きゅいぃ……』


『ぷぷぷ……』


『ぼくはおじいちゃんドラゴンみたいに、ブワアァァァッ!! ってしてるおひげがいいなぁ』


 ラビはあまりもふもふしていないスッとしたシンプルな物と、もふもふしている物の、ちょうど中間くらいの髭と眉毛が良いらしい。適度にもふもふしていて目立つ感じだ。髭は2つに分かれているタイプを選んだぞ。

 

 ププちゃんはもふもふしている物が良いらしく。もふもふというかモコモコか? 口全体が隠れる髭に、大きめの眉毛が欲しいと。それから色がついている物が良いらしく、自分の体と同じ水色の物を選んでいた。


 そして最後クーちゃん。最初にクーちゃんが言っていた、ブワアァァァッ!! ってしてるおひげが分からなくて、様子を見ていたんだけど。

 爆発したような、全体的に髭がブワッと広がっていて、顔が半分隠れるほどの、大きな髭の事を言っていたらしい。色は派手な物が良いらしく、赤やら青やら、濃いものを物色していた。


 と、それぞれが選んでいるうちに、俺はラビ達が選びそうな物を見て、特別なノリを買う事に。


 魔獣に契約していますの印や、ファッションとして、今みたいに体に何かを付けている魔獣達がいるんだけど。ダンジョン産の体につけても大丈夫なノリがあるから、それを買ってやる。取る時もお湯で取ればスッと取れるんだ。


 昨日はゴム付きだったり、毛にピンで止めるタイプだったから必要なかったけど、今回は必要だろうからな。


「それにしても真剣に選ぶな」


「本当だよ。まさかパーティーメガネと髭と眉毛で、ここまで真剣になるなんて。ブーちゃんまでずっと起きて、自分のが終わっても、ラビ達の買い物に付き合って、選んでくれているんだから」


「あっ、タク、俺もちょっと買い物してきて良いか?」


「ああ、もちろん。どうせラビ達はまだまだかかるだろうから。ここまで約2時間だぞ。母さんに夕方までに帰るって言っといて良かったよ」


「だな、じゃあちょっと行ってくるな。たぶん俺の方が早く戻ってくると思うけど、もしお前達の方が先に買い物が終わったら、レジで待っててくれ」


「分かった」


 晴翔を見送り、ようやく選んだ、髭と眉毛をカートに入れているラビ達に声をかける。


「さて、みんなここはもう良いか? 次は剣を買わないとだろう? ここまででかなり時間がかかってるんだから、そろそろ移動しないと」


『きゅいぃぃぃ!!』


『ぷぷぷ~!!』


『ぼくはブーちゃんおにいちゃんとおそろい~。えへへ、うれしいなぁ。ラビおにいちゃんと、ププちゃんはひげとまゆげがおそろい~』


『にょ、にょおぉぉぉ』


 完璧なのが選べて良かったね。よかったぁ!! うむ、みんな完璧を選べて良かった。だってさ。クーちゃん、派手なのが良いって言っていたけど、ブーちゃんとお揃いの、ギャラクシー色の、爆発してるヒゲを選んだけど……。


 そうして剣を売っている場所に移動すれば、また始まるラビ達の品物チェック。剣やら刀やらレイピアやら、色々な物を売っているし、同じ物でも形や飾りが違うから、すぐにラビ達が選べるわけもなく。


 結局全ての買い物が終わったのは13時過ぎで、かなり遅めのお昼ご飯を食べることになった。しかも買った物をレストランで付けたもんだから、食事の最中ずっと注目される事に。食べた気のしない食事だったよ。


 ちなみに晴翔の方は、やっぱり先に買い物を終えて戻ってきたんだけど。まぁ、大量の買い物袋を持っていて。母さん達みたいになっていた。一体何を買ったんだか。


 そうして食事の後は、すっごい笑顔のラビ達が、めちゃくちゃ注目される中、街を少し歩いてから家に帰ったよ。本当疲れる買い物だった。




     *・゜゚・*:.。..。.:*・'.。. .。.:*・゜゚・**・゜゚・*:.。..。.:*・'*:.。. .。.:*・゜゚・*

【あとがき】

お読みいただきありがとうございます。


切実に、切実に、★評価していただけると助かります。

泣いて踊って喜びます。


是非下にある★★★評価とレビュー、フォローをよろしくお願いいたします。


ブーちゃん『にょお、にゅにょ!! にゅにょおぉぉぉ!!(★お願いな!! 今度は煎餅だ!!)』


ラビ『きゅいぃぃぃ!! きゅいぃぃぃ!!(タクパパの煎餅を返せー!! クッキーは僕達が返してもらったぞー!!)』


ププちゃん『ぷぷ ぷっぷ~! ぷぷぷ~!!(タクパパのおせんべいのために、★をおねがいちます! くっちーはとりもどちたの!!)』


クーちゃん『★よろしくおねがいします!! もぎゅもぎゅ。あっ! こんどはおせんべいだ!! ブーおにいちゃん、おとしながらまてー!!)』


ププちゃん『ぷぷぷぷぷ!! ぷぷぷぷぷ!!(クーおにいちゃん! 食べちゃダメだよ。ふくろをとってぇ!!)』

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