第73話 パーティーメガネで尊敬とは?
「オヤジさん」
「おう、拓哉、晴翔! おっ! ブー! しっかり持ってきてるな。配信の時も持ってるし、本当にお前さんのアピールポイントになったな」
『ぬにょおぉぉぉ!! ににょおぉぉぉ!!』
元気よく返事をするブーちゃん。ブーちゃんは今日もしっかりと、クーちゃんのを入れて4体になった、小さなぬいぐるみを。オヤジさんが選んでくれたカバンに入れて持ってきている。
そしてカバンを選んでくれたオヤジさんの事を、良い人判断したブーちゃんは、お店に来るまで、買い物をしている時、帰りのほとんどを寝ているけど。お店に来て、オヤジさんに挨拶する時は、しっかりと起きて挨拶をしている。
「ちゃんと持ってる。1個増えてもっと最高になったと」
「ハハハッ!! そうかそうか、確かに1体増えて、もっと最高になったな!! そのまま大切にするんだぞ!!」
『ぬにょおぉぉぉぉぉぉ!!』
「元気でお気に入りと一緒が1番だな!! で? 今日はお前達どうしたんだ? この前買い物き来たばかりだろう」
「本当は来る予定じゃなかったんですけどね。急遽来ることになって。今日はラビ達の買い物に来たんです」
「チビ助共のか? じゃあおもちゃの方か」
「はい。ちょっと、というか絶対に買いたい物があって。その買い物をするために、体調を万全にしろって、癒しまでやらされたんですよ」
「は? 買い物に癒し? お前のスキルをつかったのか? 買い物に?」
俺と晴翔は今朝あった事をオヤジさんに話した。するとオヤジさんは大爆笑。その大きな笑い声に、周りの人達が何かあったのかとこっちを見てきて、注目されちゃったよ。
「ガハハハハハハッ!! 確かにそりゃあ、それだけ大切な物を買うなら、癒してもらわにゃ。今日はしっかり、たくさん買って貰うんだぞ!! それにしてもパーティーグッズか。その辺、お前のオヤジさんに似ちまったのかもしれんな」
「そんなには見ていないはずなんですけどね」
「いや、分からんぞ。お前さんの見ていないところで、付けているかもしれんからな。そのうちダンジョンにもその姿で行く、とか言い出すんじゃないか? ガハハハハハッ!!」
「やめてくださいよ。もしそんな事を言い出したら、ダンジョンは中止します」
「良いじゃねぇか、C級だったら大丈夫だろう。ガハハハハッ!!」
「笑い事じゃありませんよ」
『きゅいっ!!』
『ぷぷぷ~!!』
『タクパパ、はやくいこ!!』
『ぬにょっ!!』
話しが長いと注意され、洋服を引っ張られ足を引っ張られる。
「分かった分かった。じゃあオヤジさん、また後で」
「おう! たくさん買ってやれよ! 俺は儲けられて、チビ助達は好きな格好ができる。両方で万々歳だ。ガハハハハハッ!!」
そんなに買ってたまるか、と心の中で思いながら、俺達はおもちゃ売り場へ。そしてその中にある、パーティーグッズが置いてある場所へ来た。
それで俺は、いつもみたいにバラバラに別れて、欲しい物を探すのかと思ったんだけど、何故か最初に、ブーちゃんが欲しがっている、パーティーメガネの前に集まったラビ達。
もちろん中心にはブーちゃんが居るけど。何をするのかと思ったら、ブーちゃんがかけたパーティーメガネを全員が見て、確認をし始めた。
『ぬにょ』
『きゅう』
『ぷぷぷ』
『う~ん、あんまりよくない』
今のはブーちゃんが、これはどうだ? ってラビ達に聞いたんだ。そしてラビ達の答えは、似合わない、ヒゲがちょっとぉ、あんまり良くない、だった。どうやらみんなで、ブーちゃんに1番似合う、パーティーメガネを選ぶらしい。
『きのうからはなしてた。えっとね、ブーちゃんおにいちゃんだけでも、しっかりえらべるけど、でもぼくたちにもみせて、かくにんするって。それくらいだいじなことだっていってたよ。だからぼくたちも、しっかりかくにん』
らしい。え? そんなに? ブーちゃん、この前のぬいぐるみ以来の真剣選びか? パーティーメガネに似合う似合わないがあるのか? みんな同じようなもんだろう? 確かに好きな物を選んでもらおうと思っていたけどさ。
『きゅい、きゅい、きゅう』
『ぷぷ、ぷぷぷぷぷ、ぷぷぷ』
『そんなにかんぺきなんだぁ。こんどみれるかな?』
『きゅい!!』
『ぷぷぷぷぷ!!』
タクパパのパパのメガネは完璧、色も形も、全部素晴らしい。うん、あんなに完璧ない、凄く似合ってる。と言ったラビ達。そしてクーちゃんの疑問には、すぐに見れる!! ちょくちょく付けてる!! だった。
どうやらオヤジさんの言ったことが正しかったらしい。俺の知らないところで、父さんがパーティーメガネを付けていた姿を、ラビ達はちょくちょく見ていたようだ。しかも父さんのパーティーメガネは、ラビ達によると完璧らしい。
『すごいなぁ、タクパパのパパ。そんなにすごいパパだったんだね』
『きゅいぃぃ!!』
『ぷぷ、ぷぷ!!』
『きゅい。きゅい、きゅいぃぃぃ』
『ぷぷぷ、ぷぷぷぷぷ』
『うん!! だからしっかりえらぼうね!!』
僕達、このメガネをしてる時のタクパパのパパ、とっても完璧で尊敬してた。うんうん!! でもブーお兄ちゃんも似合う、だからしっかり選んで、ブーお兄ちゃんも凄いブーお兄ちゃんにする!! 完璧!! 凄いお兄ちゃん!!
と言ったラビ達。パーティーメガネで尊敬できるとは? これでも家族になって1年以上経つのに、俺はラビ達の人を見る基準が分からなくなった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます