第56話 視聴者さん参加型配信に関する続報配信2
「それではプレゼントの発表です。プレゼントはラビとププちゃんとブーちゃんとクーちゃん、全員が映っているステッカーと。こちらも全員揃っているポストカードに、個々のポストカード。計6枚セットのプレゼントとなります」
“うおぉぉぉぉぉぉっ!!”
“きたあぁぁぁっ!!”
“最高のプレゼントだあぁぁぁ!!”
“こんなに可愛いが詰まった物がプレゼントなんて!!”
“マジで!? マジでか!!”
発表した途端。今日1番の盛り上がりを見せるコメント欄。あまりの喜びように俺は驚いて晴翔の方を見る。すると晴翔も同じだったんだろう、驚きの表情で俺を見てきた。
え? ステッカーとポストカードだぞ? ぬいぐるみとか食器とか、そんないい物じゃないんだぞ? それにあんまり大きな声じゃ言えないけど、そこまでお金のかかっている物でもないし。
「あ~、ええと、みなさんいかがでしょうか? せっかくなので数種類の写真をとって、セットにしてみました」
“最高すぎます!!”
“まさかこんなに凄いプレゼントなんて!!”
“感激です!!”
“あざますっ!!”
“もう少し大きく映してもらっても良いですか!!”
「はい、じゃあ今大きく映してもらいますね。晴翔頼む」
晴翔にズームして映してもらう。映してもらいながら、俺はそのまま説明を続けた。
「全体的にはお伝えしましたが、細かい部分について説明すると。これは1例なのですが、ステッカーとポストカードの上や下、枠の辺りを見てもらうと。ラビ達の手型か足型が付いています。今回は全員の物には全員分の手型足型を。個々の物には個々で付けて貰いました。作成した計18枚。みんな付け方が違うんですよ。なので世界に1枚とて、同じ物はありません」
“きゃあぁぁぁぁぁぁっ!!”
“ぎゃあぁぁぁぁぁぁっ!!”
“キタキタキタキター!!”
“あ、これ死んだ”
“みなさんお世話になりました”
“みんな気をしっかり持つんだ!!”
“寝るな!! 寝るんじゃない!!”
いや、それは雪山だろう。てか何でみんなそんな反応に? もしかしてラビ達の手型足型は、そんなに良かったのか。なら良かった。良かったけど、あまりの盛り上がりにちょっと引いてしまう。
「あの、みなさん。どうでしょうか今回のプレゼント、気に入っていただけたでしょうか?」
“最高すぎました!! すぎます!!”
“もう思い残す事はありません!!”
“だから落ち着けって”
“涙が……”
“俺もだぜ。ここまで生きてきて良かった!!”
「そ、そうですか。えー、気に入っていただけて良かったです。ただ、まだプレゼントするとは決まっていませんよ。今度の視聴者さん参加型配信で、皆さんがゲームに勝てば勝つほど、このプレゼントを手に入れるチャンスです。頑張ってゲームに参加してくださいね」
“ああ~、そうだった!!”
“プレゼントが衝撃すぎて忘れてたけど”
“ゲームで勝たないといけないんだった”
“はっ!! え、何だって?”
“復活したけど、また気絶しそうだなw”
「それと実は、みなさんにお聞きしたい事がありまして」
“何だ?”
“急に神妙な面持ちに”
“え? 何か問題?”
“もしかして何かの問題で、プレゼントを少なくするとか!?”
“や゛~め゛~で~!!!!!!”
「違いますよ!! 減らしませんから安心してください!! 実は皆さんに見て欲しい物があって。それを見た後、もしもその物を欲しいと言っていただけるなら、それもプレゼントに加えようかなと考えています」
“ギャアァァァッ!!”
“まさかの追加プレゼント!?”
“サイコーっ!!”
“カモン!!”
“はよはよ!!”
“早く見せて!!”
うん、相変わらずすごい反応で返してくるな。俺はすぐに別のハードタイプのクリアファイルに入れておいた、1部のそれを見せる。
“え? これって”
“マジか!?”
“こんなのまで作ったの!?”
“あっ……”
“また誰か倒れたぞ!!”
「もうお分かりだと思いますが、これはラビ達の鼻や口や耳にしっぽを、手型足型と同じように付けた物です。実はですねぇ……」
俺は何があったかを、視聴者さんに伝える。
実は昨日、俺と晴翔が寝てから事件が起こった。ラビとププちゃんとクーちゃんが、片付けておいたはずのステッカーとポストカードを引っ張り出し。そして自分達の絵の具がしまってある場所はきちんと分かっているから。やっぱりそこから絵の具を引っ張り出して。
ステッカーやポストカードに手型や足型を付けたのと同じに、自分の顔に絵の具をつけたり、耳に付けたり。他にもしっぽやお尻に付けて。それをステッカーとポストカードにくっつけたんだ。
そして自分達が満足すると、今度は寝ているブーちゃんを起こして、同じようなことをしても良いか許可を取り。勝手にやってくれと言ったブーちゃんの言葉に、ラビ達がブーちゃんの身体中に絵の具を塗り、同じようにステッカーとポストカードにそれをつけて。
俺達が起きて叫び声を上げた時には、ラビ達は寝た後で。満足げに床に寝転び。その周りにはたくさんの、ラビ達のステッカーとポストカードが散らばっていた。
絵の具は魔獣の口に入っても、皮膚に付いても問題のない物を使ってあるから良かったけど。まさか鼻やくち、それどころか顔に塗りたくって、自分達でステッカーとポストカードを作るとは思いもしなかった。
「そのせいで、今日は朝から大騒ぎでした」
“マジかwww”
“やったなw”
“やっちゃったかぁw
“よっぽど作ったのが楽しかったんだろうなw”
“顔中、身体中www”
「それでなんですが。もし皆さんがよろしければ、このラビ達が作ったステッカーとポストカードも、プレゼントに加えようと思うんですが、どうでしょうか?」
“きゃあぁぁぁぁぁぁっ!!”
“絶対お願いします!!”
“ぎゃあぁぁぁぁぁぁっ!! ……ギャ”
“ありがとうございました”
“再び、皆さんありがとうございました”
“生きろ、生きるんだ!!”
「えっとそれは、みなさん欲しいということです良いでしょうか?」
“はい!!”
“お願いします!!”
“反対の人は?”
“そんな奴いないだろ”
“ここにはそんな奴はおらん”
“それどころか突っ込んでいくかもしれない人が多い”
“それなwww”
“よろしくお願いします!!”
“うう、嬉しい!! やっぱり生きてて良かった”
「では、こちらに関しては、どういうプレゼントの仕方になるか、また後日を知らせしますね」
“みんな、今から作戦会議だ!”
“作戦てどうするんだよ”
“運じゃん”
“なんでも良い、考えるんだ”
“最高のプレゼントがかかっているんだ!!”
“倒れてる奴ら、倒れていないでしっかりしろ!!”
“復活!!”
“これは重大案件だぞ、倒れている暇などない!!”
“最優先事項だ!!”
“はっ!!”
“了解いました!!”
視聴者さんが、これほど団結した事はあっただろうか? そしてラビ達に、。自分達の作ったステッカーとポストカードを、みんながとても喜んでくれたと言ったら、こっちも喜んで大騒ぎで、俺と晴翔だけが置いていかれた感じになってしまった。
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