第47話 え? シャンプー配信? 魔獣達が喜ぶおもちゃを作ろう!!配信1 

『皆さんこんにちは!! 【もふっとチャンネル】の拓哉です! そして俺の大切な家族の、ラビとププちゃんとブーちゃんとクーちゃん、そしてメンバーの晴翔です!! 今日も魔獣のための、癒しスローライフ配信、始めて行こうと思います!!』


“こんちはぁ”

“始まった!!”

“みなさん、こんにちは”

“ラビた~ん、しっぽ振ってぇ!!”

“ププちゃん、プルプル震えて~!!”

“クーちゃん、クルッと宙返りしてぇ!!”

“ブーちゃん!! ブーちゃんはいつも通りかw”

“今日も良い天気だもんねw”


 昨日はラビ達の、カメラとその周辺機器に対する見方に、かなりの衝撃を受けたが。その後の買い物は普通に終えることができ、今日も予定通り、配信を始めることができた。


“いつも外配信なんですか?”

“なんかいつもブーちゃんが気持ち良く外で寝てる気がする”

“あ、ブーちゃんはいつもこうだよ”

“この頃は外配信がたまたま多いだけで”

“ブーちゃんは部屋配信の時は、よくベランダで寝てるよ”


「ブー、ブー」


“!?”

“えw”

“な、いびきでそうだって返事したろ?”

“たまたまだろw”

“出たよ、ブーちゃんのいびき返事w”

“偶然か分かってか、いつもタイミングの良いいびき返事w”


 ブーちゃんの話も、どこで配信しているかについても、俺が説明する前に視聴者さん達がしてくれた。


「皆さんの言うとおり、最近は天気が良いし、気温がちょうど良いので、外配信が多いですね。その方がラビ達も喜ぶし、ブーちゃんも思い切り太陽に当たって寝られるので」


“はい! 質問です!! 今日はバタバタ配信とバトル配信はありますか?”

“癒しスローライフ配信なw”

“そういえばこの前のジュース、じゃなかったポーション配信面白かったなw”

“あのドタバタの後、大丈夫だった?”

“拓哉さん思い切りこけてたしw”


「ええ、大丈夫でしたよ。大丈夫でしたとも。そうですねカメラや機材は無事でしたし。被害は俺の洋服が汚れたくらいですかね。後はは、ちょっ~と家の中が汚れましたが」


“もしかして何かあった?”

“無事じゃないw”

“うん、それは無事とは言わないよなw”

“www”

“やっぱりかw”


「どちらかと言うと、ラビ達をシャンプーした時の方が大変でしたかね。晴翔と一緒にラビ達を洗ったんですが、動きやすいように水着に着替えてから洗っ……」


“きゃあぁぁぁ!! 水着ー!!”

“ぎゃあぁぁぁ!!”

“え、え、今なんて言ったの!?”

“拓哉さんと晴翔さんの水着姿!?”

“マジですか!?”

“何でそれを配信してくれなかったんですか!!”

“ラビたん達も大事ですが、そこは拓哉さん達が大事じゃないですか!!”

“拓哉さんと晴翔さんの配信ですよ!!”


 な、何だ? どうしたんだ? 俺と晴翔の水着がどうしたんだよ? それに何で配信してくれなかったなんて、そんなことを言うんだ?


「お、俺達の水着の配信なんて、面白くも何ともないと思いますが? それならラビ達のシャンプーの方が……」


“拓哉さんと晴翔さんです!!”

“ああー、何であそこで配信が終わっちゃったの!”

“そうだ! ラビたん達のシャンプーだ!”

“今度はラビたん達のシャンプー配信をお願いします!!”

“何卒、何卒よろしくお願いします!!”


 あまりに凄い勢いに、俺は素で晴翔に聞いてしまう。


「なぁ、水着のことはよく分からないけど、みんなそんなにラビ達のシャンプーが見たかったんだな」


「だな、俺もそこまでとは知らなかった」


「こんなにリクエストをもらえるなんて、しっかり予定を立てよう」


“これ、絶対分かってないぞw”

“ラビたん達もそうなんだけど”

“騒いでたのは、完璧に目的が違うだろw”

“え? もしかして2人とも自覚ない?”

“今の会話、ワザと言ってる感じじゃなくて、マジで言ってる感じだったよな”

“マジか!?”

“え、これさ、シャンプー配信決まったみたいだけど”

“目的の姿が見られるか分からないぞw”


 よく分からないが、そんなにシャンプーが見たかったなんて。もっと早く配信すれば良かったな。そうだよなぁ、シャンプーで気をつけることとか、どんなシャンプーを使うと魔獣達が喜ぶとか。そういうのも癒しだもんな。


「ではいつになるかは、まだちょっと分かりませんが、シャンプー配信を必ずしますね。ラビ達のシャンプー、楽しみにしていてください!」


“はいw”

“良かったな、やってくれるってよw”

“ありがとうございます!!”

“よろしくお願いします!!”

“是非とも全員シャンプーしている姿を”

“ベストショットが見られる予感!!”

“お前ら落ち着けw”

“まだ見られるって決まったわけじゃないんだからw”


 いや、ちゃんと配信するぞ? そこは安心して待っていてくれ。それにしても、本当に見たかったんだな。


「では今日は、魔獣達が喜ぶ、おもちゃを作っていこうと思います。今日は面白い素材を使いますが、使い方を間違うと、この間の配信ではありませんが大変な事になるので。注意はよく聞いていてくださいね」


 ようやくコメント欄が落ち着いたから、俺は話しを進める事にした。

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