第46話 あの後の魔獣達の様子と、本当だったラビ達のカメラチェック
「いやぁ、俺が誘ったとは言え、昨日は面倒な1日になっちゃったな。お前に気分転換してもらおうと思ったんだけど、逆に悪かったな」
「いや、誰もあんな事予想できないだろう。大体あいつらがあんなレベルの低いダンジョンにいるなんて思わないし。今度また別のダンジョンに行こうぜ。フレンドパークに行っても良いしさ」
「そうだな。最近忙しくて行ってないもんな。それに混んでてなかなか入れないし。でも、そうか、もうすぐだったな。同時に2つも建つなんて。これで少しは混雑が緩和されて、みんなゆっくり遊べるようになると良いけど」
フレンドパーク。それは魔獣達が遊べる施設の事で。遊具で遊んだり、自分達の力を使って遊んだり、食事ができるようになっている。魔獣が力をを使っても、気にせず遊べるって言う所が人気なんだ。
そのためにも周りに被害が出ないよう、施設は特別な壁で囲まれていている。協会の壁と同じ感じだな。
俺達が住んでいる場所から、1番近いフレンドパークが、30分くらいの所にあるんだけど。まぁ、これが人気があり過ぎて、朝1番に行かないと人数制限で入れなくて。何度そのまま入らずに帰った事か。ラビ達も大好きで、入れないで帰った時の、寂しそうな姿といったら。
でも来週、新しいフレンドパークが、2つ同時にオープンするんだ。しかも大きさも今までにあったフレンドパークよりも大きくて。この新しいフレンドパークで、かなり混雑が緩和されるって話しだ。ラビ達も今から行くのを楽しみにしている。
俺も、昨日までの嫌なことがなかったとって思えるくらい、ラビ達と遊べれば良いんだけど。
「あいつらはフレンドパークに行くと思うか?」
「まぁ、行かないだろうな。っていうか、俺はそれよりもあいつらが心配だよ。一応話しておいたけどさ。本当に苦しいと思う時が来たら、ちゃんと協会の魔獣達に話してほしい」
「そうだよなぁ。あいつが契約してるってだけで、別にあいつらが何かしたってわけじゃないないんだもんなぁ。今度会ったらお菓子でもやるか」
昨日、1時間ちょっとくらいして、修也達は戻ってきた。そして何の挨拶もなく。まぁ、別にしてほしいとも思わないが。さっさとビックファイヤーモンキー達を連れて帰って行った修也達。
帰り際、ビックファイヤーモンキー達は、俺達の方をチラチラ見てきたが、修也の早く歩けって言葉で、すぐに前を向き歩き出し。が、すぐに、声に出さずにジェスチャーで、メッセージバードに何かを伝えたビックファイヤーモンキー。
すると一瞬で、メッセージバードが俺の前に移動してきて。自分の羽を抜いて、また一瞬でキックバードの頭に上に戻って行った。
メッセージバードが羽をくれるのは、お礼の意味があると聞いている。あいつらが俺達の事を、本当はどう思っていたのか、それは分からないが。修也の元に戻れば、俺が言った事なんて忘れてしまい、いつも通りの生活に戻るんだろう。
それでもお礼をしてくれるくらいには、俺達の事を分かってくれたと思うから。もし俺の話しを今は忘れてしまっても、本当に苦しくなった時にはふと思い出して、その場から逃げる選択をしてほしい。
魔獣は道具じゃない、家族なんだから。みんなが幸せにならないとな。
「さてっ!! 暗い話しはこれくらいで終わりにしよう。明日は楽しい楽しい、魔獣の遊び道具作り配信だからな。足りない素材をしっかり買わないと」
「だな。で、何を作る予定だって?」
「一応今回は、家で遊ぶ用のおもちゃかな。それに簡単に作れるものにしようとは思ってる。ふわふわボールに、どこに転がって行くか分からないボールかな。どっちも材料はすぐに揃うし良いと思うんだ。ただ、注意しないといけない事があるから、その辺はしっかり説明したいかな。
「だな。それをしっかり伝えないと、別に危険な事はないけど。ただただ大変な事になるからな」
「俺達も最初は大変だったよな」
「説明書読んで気をつけてたけどな。予想以上だった」
「クーちゃんも気になってるみたいだし、ちょうど良いだろう。ラビ達それぞれお気に入りがあるから、使わせてもらえなくてしょげてたんだよ」
「みんなで遊ぶ用もあるだろう?」
「最近威力が落ちて不人気だ」
「ああ、そういう事か。新しく作れと要求されたわけだな」
「ブーちゃんが無言の圧力をかけてきた」
「ハハハッ! じゃあ作らないとな」
近くに寄って来ては、あの短い足で、俺のことを蹴って来たからな。5回に1回は蹴り損なってたけど。
まずは協会の販売店へ行った俺達。明日の配信で必要な物は、協会の販売店だけじゃなく、他のお店に行かないといけないから、さっさと買い物かごに素材を入れたが。
その途中で、ラビ達がいない事に気づいた俺は、慌ててラビ達を探す事に。それでまぁ、すぐに見つかったは見つかったんだけど。すぐに駆け寄る俺。
「勝手にいなくなって、ダメじゃないか! って、何をそんなに真剣に見ているんだ?」
ラビ達が何かを真剣に見ていた。俺もすぐにラビ達が見ている方を見る。そこには前の俺達のように、お店で配信をしていた人達がいたようで、機材を片付けていた。と、ボソボソ話し始めたラビ達。
僕達のカメラの方がカッコいい、映ってる時の色も良い、晴翔の使ってるボタンの方が押しやすそう、僕達はあんなに一杯写す道具を使わない、余計なものが多いのかな?
なんて話しをし始めたんだ。思わず黙ってしまった俺。そんな俺達の所へ、ラビ達を探してくれていた晴翔が合流して。あまりのラビ達の会話に、俺が今聞いた事をすぐに晴翔した。
「だから前に言ったろう。みんなカメラに詳しくなってて、他の人達のカメラについても気にしてるって。最近じゃ俺がカメラの準備をしてると、一緒に確認しにくるし」
「まさか、本当だったのか? たまたま晴翔が見た時、その時だけみんなが興味を示してたのかと」
「もしかしたら近いうちに、撮影のチェックまでするようになるかもしれないぞ。画像が悪いとか、今の撮影角度はダメだとか、それにそうだな。余裕がある時、まず先に道具や素材の準備をしてから、一緒にカメラの準備をしてみれば良い。きっとラビ達のお前の知らない姿が見られるぞ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます