第24話 肉だ肉肉!! 今日は肉の日配信だ!! 3
“え? 今日は料理配信だったよな?”
“料理配信ではあるけど、ブーちゃん達にはご飯配信でもあるよな?”
“いやいや、ブーちゃん面白い配信だったよな”
“家族喧嘩配信?”
“待て待て、お前ら落ち着け!”
“料理配信とブーちゃん達はご飯配信であってるから!”
“そうだよな?”
“うん、確かに今も、しっかり料理してるもんな”
“それでブーちゃん達は、作ってもらったご飯を食べてる”
“おいおいw”
“みんな悩んでるwww”
“草”
“落ち着け、落ち着くんだ!”
“誰を応援する?”
“俺はやっぱりブーちゃんだな”
“ラビたん、頑張れー!!”
“ププちゃんも頑張って!! でも無理しないでね!!”
「よし、次焼きあがるぞ!!」
俺は今、ストーンバッドを大量に焼いている。そしてこのストーンバッドを焼き上げれば、次は牙ネズミの下処理をしたお肉を、焼くことになっているんだけど。
俺の後ろでは今、ブーちゃん、ラビ、ププちゃんによる、大食い選手権が繰り広げられているんだ。
『にょもぐ、みゅもぐ。みにょおぉぉぉ!!』
『きゅい、ゴクンッ。もぎゅもぎゅ、きゅいぃぃぃ!!』
『しゅわぁぁぁぁ、ぷぷ! ぷ!? ぷぷぷ!!』
「よし、3匹ずつ乗せるぞ!!」
今のはそれぞれ、ブーちゃんが、次のお肉!! ラビが、僕も!! ププちゃんが、ぼくもまだまだ食べれる!! と言ったんだ。だから俺は焼き上がったストーンバッドを3匹ずつ、それぞれのお皿の上に置いてやった。
と、置いてあげた瞬間から、1匹のストーンバッドがほぼ一瞬で消えていく。はぁ、腕が痛重くなってきたよ。ブーちゃん達と視聴者さん達は盛り上がってるから良いけどさ。
なんでこんな大食い選手権が始まってしまったのか。ブーちゃんを台に寄りかからせて、下処理を再開してからは、順調に何も問題もなく配信が続いていた。そのおかげで、予定時間よりも早く下処理が終わり。
せっかくだからと、予定していた料理以外の料理を2品ほど作ることに。注文を受けていた分、下処理をしたうちの約半分ほどを、きちんと臨時の冷凍庫にしまい。残りはブーちゃん達用のだけど、こんなにいらないだろうと、また半分ほど冷凍庫にしまおうとしたんだけど。
そこでブーちゃんのストップがかかった。何故かブーちゃんは、肉をしまうなと言ってきたんだよ。そして新たに作ろうとしていた料理も、さっさと作れと言ってきて。
よく分からないまま、とりあえず晴翔に氷魔法を使ってもらい、お肉を冷やしながら料理を作った俺。
そうして料理も無事作り終わったし、もう配信する内容は終わったからと。配信を終わろうとした俺、だがブーちゃんがまた、挨拶よりもお肉を焼けと言ってきて。晴翔が面白そうだと配信を続行する事に。
すると俺が肉を焼いている間に、ブーちゃんとラビとププちゃんが俺の後ろにスタンバイして。いつもは転がるブーちゃんが、なんとしっかりと座って、肉が焼けるのを待っていたんだ。
そして出来上がった肉を、それぞれのお皿に乗せてやれば、ここから大食い選手権の始まりだだった。
どうやら俺が配信をしている最中に、3匹でどれだけ食べられるか競争しよう、と話し合いが行われていたらしく。
最初はゆっくり焼いていた俺。だけど3匹に早く次を焼けと催促され。最後には早く!! のひと言に。結局携帯コンロだけでは間に合わず、庭に移動してレンガバーベキューコンロで、しかも俺の火魔法を使って、大量に肉を焼く羽目になった。
そうして今は、どれだけおかわりしたのか、もう分からないほど。3匹はストーンバッドと牙ネズミを完食している。
と、長い戦いの中、ついに進展が! ラビの手が止まってその場に寝転がり動かなくなったんだ。俺は急いでラビの所へ。
「ラビ! 大丈夫か!?」
『きゅ、きゅう。きゅいぃぃぃ……』
「ふっ、そうか、よく頑張ったな」
今のは、僕、頑張った。無念……。だってさ。
「ここでラビは終了です。ラビを応援してくださった皆さん、ありがとうございました」
“ラビたん、残念”
“ラビたん、頑張ったね!!”
“ラビたん、ゆっくりしてね!!”
“ラビたん、頑張ったで賞だよ!!”
“ラビたんの体のどこに、あれだけの量が入るんだ?”
“だよな、凄いよなw”
ラビをクッションに寝かせてやり、俺は調理に戻る。さぁ、残りはププちゃんとブーちゃんだ。
ププちゃんスライム達は、何でもかんでも溶かして吸収するイメージだけど。それでも限界はあるらしく、個体差もある。だからずっと料理を吸収するのは無理だけど、まさかここまで健闘するとは思わなかった。追加の料理がなくなり、次はストーンバッドを料理する。
“ブーちゃん、頑張れ!!”
“ププちゃん、頑張れ!!”
“お前の真の力を見せるんだ!!”
“ププちゃん、無理はダメだよ!!”
“テレビのフードバトルより、ぜんぜん燃えるぜ!!”
“何でも良い! 2匹とも頑張れ!!”
凄い盛り上がりだ。俺もププちゃん達に負けないように、遅れないよう頑張って料理を作っていく。一応ただ焼いているだけじゃなく、味も毎回変えているぞ。塩胡椒、カレー、甘酢だれって感じにな。
そうして料理を繰り返す事、さらに6回。ついに勝者が決まるときがやってきた。ププちゃんがプルプル震えて地面を転がったんだ。
『ぷぷ~』
「ププちゃん!!」
ププちゃんに駆け寄る俺。
「ププちゃん大丈夫か?」
『ぷぷ~、ぷぷぷ。ぷぷ〜。ぷぷぷ~』
今のは、ぼく、頑張ったよう。でも負けぇ。負けちゃったけど次頑張る。らしい。ププちゃんもブーちゃん相手に本当に頑張った!! ププちゃんの言葉を視聴者さんに伝える。
“ププちゃん頑張った!!”
“やったね賞だね!!”
“1番小さいのに、本当に良くやったよ!!”
“次は勝てるよ!!”
“打倒、ブーちゃんだ!!”
ププちゃんをラビの隣の寝かせてやる。そうしてブーちゃんの方を振り向けば、優勝は決まっているブーちゃんが食べ続けていて。ププちゃんのお皿に残っていた、ストーンバッドまでもを全て完食した。そして……。
「ブーちゃんどうする? もっと作るか?」
『ぬにょおぉぉぉ! にょお、にょおぉぉぉ!!』
「みなさんブーちゃんは、勝ったぞー!! 2匹とも凄かった、でも自分が1番だぞ!! 的なことを言いました。ブーちゃんもここで終了のようです。みなさんブーちゃんに、拍手とコメントをお願いします!」
“ブーちゃん!! 君はサイコーだ!!”
“さすがブーちゃん!!”
“俺はブーちゃんが勝つって信じてたぜ!!”
“ブーちゃん、おめでとう!!”
“ブーちゃんに勝てる相手なんて、そうはいないぞ!!”
“ブーちゃん、カッコ可愛いー!!”
“ゆっくりしてね!!”
ブーちゃんがその場にゴロンと寝転がる。そして俺にソファーに運べと言ってきた。
「いやいやさすがに、今のお前を運ぶのは無理だぞ。何故かあまりお腹は出ていないが、それでもいつもより、絶対重いんだからな」
『にゅおぉぉぉ』
「なら片付けの間も動かないって? 邪魔になるからどいてくれよ」
『ぬにょおぉぉぉ~、……にょおぉ、ブーブー』
「いやいやいや、待て待て!! 起きろよ!!」
その後、何をしても起きなかったブーちゃん。仕方なく無理やり動かそうとしたが、やはりいつも以上の重くなっていて。晴翔にカメラを置いてもらい一緒にどうにか転がして、ラビ達の横に寝かせてやった。
が、それだけで俺達はかなり息が上がっちゃって、最後の挨拶を待ってもらう事に。
“最後までブーちゃんだったw”
“3匹とも良い夢見てそうだなw”
“俺、絶対繰り返しアーカイブ見ると思う”
“だよな”
“こんな凄い戦い、そうは見られないもんな!”
“本当に3匹ともおめでとう!!”
“保護者はお疲れ様w”
“次回も楽しく燃える配信お願いします!!”
“いやいや、毎回これじゃあ、保護者は保たないよw”
“じゃあ今度は、苦労保護者選手権にするか”
“結局疲れるんじゃないかよw”
“www”
“拓哉さん、晴翔さん、お疲れ様!!”
“お疲れ様ですw”
“ゆっくり休めよ~w”
“もしかしたら次回も同じ事になるかもしれんしw”
“お疲れ様ぁ~!!”
次回はゆっくりまったり配信にするぞ、絶対だ!!
*・゜゚・*:.。..。.:*・'.。. .。.:*・゜゚・**・゜゚・*:.。..。.:*・'*:.。. .。.:*・゜゚・*
お読みいただきありがとうございます。ありぽんです。
こちらカクコンに向けて書いた作品です。
初めての現代ファンタジー、初めての配信の物語でドキドキですが、
皆様に楽しんでいただけるよう頑張りますので
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と思っていただけたら、フォロー、コメントをしていただけると嬉しいです(*^ω^*)
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よろしくお願いいたします・:*+.\(( °ω° ))/.:+
ブーちゃん『ぬにゅおぉぉぉ!!(よろしくな)』
ラビ『きゅう! きゅいぃぃぃ!(だから! お願いしますだよ!)』
ププちゃん『ぷっぷ〜!(おねがいちます!)』
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