第10話 ラビのこだわりと凄技の畑配信1
『皆さんこんにちは!! 【もふっとチャンネル】の拓哉です! そして俺の大切な家族の、ラビとププちゃんと、もう向こうで太陽の光を浴びながら寝ているブーちゃん、そしてメンバーの晴翔です!! 今日も魔獣のための癒しスローライフ配信、始めて行こうと思います!!』
“こんにちはー”
“ちわ~”
“始まった!!”
“皆さんこんにちは”
“久しぶりの外配信”
“晴れてよかったな。ブーちゃんも嬉しかろうw”
“ラビた~ん!! こっち向いてぇ!!”
“ププちゃん、可愛く震えてぇ”
“全員にダイブさせてくれ!!”
「今日は晴れたので、というか快晴なので、予定通り畑配信をします!! 今日やるとこは、まずラビの作った新種の野菜の説明を。その後は肥料作りに畑を耕し、種蒔きをして。その後は前回植えた野菜の様子を見ようと思っています。そう、ラビのアレが見られるかもしれませんよ。楽しみにしていてくださいね」
“アレって何だ?”
“そうか、これも最近見にきた人は知らないよな”
“アレが見られるかもだと!! 知らせなければ”
“誰にだよw”
“初めての人は楽しみにしてると良いよ”
“アレは種蒔きの時にしか見られないからな”
“いや、ダンジョンでも時々?”
“ダンジョンは別じゃなかったっけ?”
“ラビたんなら何でも楽しみ!!”
“ワクワク待機します!!”
「それではまず、新種の野菜の説明からしていきます。今回蒔く種は、前の放送でお見せした、ラビが交配して作った2つの野菜の種です」
俺は2つの野菜を手に取り、体はカメラの方を向いたまま、顔だけをラビに向け、話しを続ける。
「ブロッコリーに形が似ているということで、こちらの明るい青色の野菜の名前がアロッコリー。そしてこちらの少し青色が暗い方の野菜がクロッコリーとなりました。ラビが好きな方は、こっちのクロッコリーです。な、ラビ。……間違えてないよな?」
ラビ専用台に乗り、俺の持っている2つの野菜を確認するラビ。すぐにうんうん頷いて台から下りた。ふぅ、良かった。今日はドロップキックをされなくてすみそうだ。
“確認しとるw”
“お、今日はドロップキックはなしか?”
“この前はバッチリ決まったからなw”
“ラビたん、やっても良いんだよw”
“いやいや、ダメだろう。まぁ俺も見たいけどw”
“そこまではセットだよなw”
セットとは? 簡単に言ってるけど、ラビのドロップキックはけっこう痛いんだぞ?
「味もブロッコリーに似ていますが、アロッコリーの方は口に入れた瞬間、パチパチと弾けるような感覚が、その後にちょっと辛味を感じる面白い野菜です。クロッコリーの方は口に入れると、シュワアァァァという感覚がした後に、野菜の甘みが増す、ことらも面白い野菜です」
“野菜なのにパチパチとシュワ?”
“野菜の説明で、新しい言葉が誕生したな”
“簡単に言ってるけど、結構なパワーワードだよなw”
“パチパチとシュワだもんな
“で、ラビたんは、シュワ甘が好きと”
“なぁ、やっぱりドロップキックしないか?”
だから、ドロップキックから離れてくれよ。ただ視聴者さんの言う通り、俺もこの野菜は凄いと思っている。まさか野菜がパチパチ、シュワっとするなんて思わないもんな。これを作り出したラビは本当に凄いよ。
「と、いうことで、今回の野菜は普通の野菜とは違うので、肥料も普通の肥料は使いません。ダンジョンのそこら中に咲いている、パワーフラワーを乾燥させて、普段俺達が使う地球の肥料に混ぜて使います」
パワーフラワーとは、ダンジョンの中に漂っている力というのか。皆、魔法を使ったり剣を使ったりする時、ある力を使っているんだけど。世界はその力を分かりやすく魔力と呼ぶことにし、そしてその魔力は力を使った後少しの間、空気中を漂うらしく。
またダンジョンからも、一定数魔力が溢れているようで。それらの魔力を吸って咲くのが、パワーフラワーだと言われている。
その花を、地球の物にはあまり効かないが、ダンジョンさんの材料に使うと、普通に作るよりも良い物ができあがるんだよ。
「量は地球産の肥料が1、パワーフラワーが2です。大体で良いので、きっちり測らなくても大丈夫ですよ。では今から混ぜていきますね」
大きめのビニールシートの上に、それぞれの肥料を出し、ブーちゃんは寝ているので、ラビとププちゃんと混ぜていく。と、ここで今日2回目のラビチェックが入った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます