第20話 ビッグクロウとの戦闘


午後になり、タルボがやってきた。


『よう。準備はいいか?』


『うん。』


『じゃあ今日もレベル上げにいこう』


『うん!!あれ?』


『どうした?』


『タルボの武器が変わってる』


『ああ。帰って木刀を見たら、少し亀裂が入っていてな。銅の剣を買う余裕はねーけど、棍棒ならいけるかと思ってよ。さっき買いに行ってきた』


『そうだったんだね。じゃあさらに攻撃力が上がったってことだね』


『そうだな。ただ、さっきちょこっと棍棒を振ってみたが、木刀に慣れているからか上手く使えねーんだよ。』


『え?それで戦闘するのはまずくないの?』


『いや、なんとかなるだろ?』


『軽いなぁ。。。』


『まぁ見てろって。とりあえず行くぞ』


『はいはい』


村の外に行くと、村から少し離れるために2人は歩きだした。


すると、少し歩いたところで数匹のスライムの群れをみつけた。


『少し数が多いが今のオレ達なら問題ないだろう。狩るぞ』


『1、2、3、4、5、6、、、6匹もいるよ?』


『オレが4匹は狩るから、カリスはノンビリ2匹を相手しててくれよ』


そう言われると、なんだか負けたくない気持ちが出てくる。


『僕だって3匹くらいはいけるよ!!きっと、、、』


『ははは。期待してるぞ?』


『うっ』


勢いで言ってしまったが、任せておけば良かったかなと思ってしまう。

言葉にはしなかったが、、、


『じゃあカリス、ガンガンいこうぜ!!』


『うん!!』


そう言って2人はモンスターの群れに向かって走りだす。


タルボは棍棒を振り下ろし、あっさり1匹を一撃で倒していた。


僕の攻撃はというと、逆袈裟斬り、下から斜めに斬ることでスライムの逃げ場を狭くした。

昨日の夜何度もシュミレーションした攻撃だ。


ズバッ!!

見事に命中。


キラキラキラキラ*


一撃で倒せた。

今回は会心の一撃とかではなかったはずだ。

これもレベルアップのおかげかな?


よし!!次!!

次のスライムに斬りかかった。


このスライムは驚き戸惑っていたようだ。

難なく攻撃は命中。


キラキラキラキラ*


よし!!次だ!!

と、思ったのだが。。。


『わりぃわりぃ。カリスがノンビリしてる間に倒しまったぜ』


ニヤニヤしているタルボ。

正直悔しい。少し?いや、結構悔しいな。

2匹とも一撃で倒して、そんな時間もかかっていないはずなのに。


『この棍棒、最初こそ振りにくいと思ったが、なかなか良いな。軽く振っただけで、しっかりと攻撃力がある。』


『そうなんだ。僕も買おうかな?』


『木刀に亀裂が入っていたら買うべきだな。まぁ、スライムが相手なら【強撃】でも使わない限り大丈夫だとは思うが』


『うん。少し考えてみるよ』


『そうだな。じゃあ次狩りに行くか!!』


『うん!!』


『あ、ヤバイ』


『どうしたの?』


『ビッグクロウと目が合っちまった』


『え!?』


タルボの視線の先を見てみると、

ビッグクロウが1匹、すでに戦闘態勢に入っていた。

ビッグクロウは真っ黒な色した大型の鳥類。

鋭い爪とクチバシが危険なモンスターだ。


『予定とは違うが、1匹ならいけなくはないだろう!?狩るぞ!!』


『わ、わかった!』


先に攻撃をしかけてきたのはビッグクロウだった。

タルボに向かって、鋭い爪での攻撃だ。

タルボは棍棒で防御の体勢をとっていた。


ガンッ!!


タルボの体勢が崩れる。


僕は上段から振り下ろしてビッグクロウに斬りかかった。


攻撃したばかりのビッグクロウ。かわす余裕もなく僕の攻撃は命中した。


ズバッ!!


ビッグクロウはかなり怒っているようだ。

すぐに体勢を整え僕に襲いかかってきた。


クチバシでの攻撃。


ズババババッ!!!!!


『うわぁっ!!』


痛恨の一撃をくらう。


『くらえ!!【強撃】』


タルボの【強撃】がビッグクロウをとらえる。


ドォーン!!!!!


キラキラキラキラ*


倒せた。


『ふう。カリス大丈夫か?』


『なんとかね。』


『まさかこんなに早くビッグクロウとやる羽目になるとはな』


『本当だよ。』


『これはレベル上がったかな?』


タルボはステータスを確認しているようだ。

僕も見てみよう。



ステータス


名前 カリス

レベル 2

HP 8

МP 10

性別 男性

種族 人間

職業 【勇者】

スキル なし

魔法 なし

攻撃力 10

防御力 8

力   9

身の守り6

体力  19

素早さ 8

賢さ  11

運の良さ4


装備

木刀 攻撃力+1

布の服 防御力+2


レベル上がってないなぁ。

ていうかHPヤバッ!!


『タルボ!!』


『なんだ?カリスはレベル上がってたのか?オレはあがっ、、、』


『そうじゃない!!僕のHP8しかない!!』


『は!?マジかよ!?そんな攻撃くらったのか!?』


『一撃だけだったけど、相当キツイ一撃だったんだ』


『そうか、じゃあ今日はもう引き上げよう。』


『ごめん、悪いけどそうしてくれると助かるよ』


『いいってことよ。予定外の相手だったしな』


『本当だよ。ビッグクロウが1匹だけで良かった』


『群れでいたらオレ達全滅だったな』


『間違いなくね』


そんなことを話しながら、2人は村に戻っていった。

幸い村までの道中でモンスターに遭遇することもなく。

2人は無事村に辿り着くのであった。

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