第18話 レベルアップ
村の入り口に着くと、タルボと僕はお互いに顔を見合わせた。
『もう安心だな』
『そうだね。ハラハラしたけど無事に帰ってこられて良かった。』
『そうだな。カリス、HPは大丈夫か?』
『あれから攻撃はくらっていないから、大丈夫だと思うけど』
『そうか。ならいい。オレは確認だけはしておこうかな』
そう言ってステータスを開いているようだ。
基本的にステータスは他者には見えない。
そんなステータスを強制的に見ることができるスキルがあるとか、ないとか。
『ん!?あれ!?あっ!!!!!』
『どうしたのタルボ?』
『おい!!カリス!!今すぐステータスを確認しろ!!』
『え?なんで!?』
『いいから早く!!』
『わ、わかったよ』
ステータス
名前 カリス
レベル 2
HP 39
МP 10
性別 男性
種族 人間
職業 【勇者】
スキル なし
魔法 なし
攻撃力 10
防御力 8
力 9
身の守り6
体力 19
素早さ 8
賢さ 11
運の良さ4
装備
木刀 攻撃力+1
布の服 防御力+2
あ!!レベルが上がってる!!
『タルボ!!これ!!』
『やっぱりカリスも上がってたか!!』
『うん!!レベルが2になってるよ』
『く〜!!すごく達成感を感じるぜ!!』
『本当にね』
『明日からも、頑張ってこーぜ!!』
『そうだね。なんかちょっと楽しくなってきたかも』
『それは良かった。あぁ、それとこれお前の分な』
そう言って何かとても小さな物を手渡された。
手のひらの中を確認すると、
『ん?これって』
『そう、スライムから出た宝石だ。どこの店でも1g=1Gとして使えるぞ。』
『お金として使えるの?』
『そうだぞ。スライム1匹分で2〜3g程度かな?』
『そっかぁ。旅に出るまでになんとか、銅の剣が買えるくらいまで貯めたいな』
『そうだな。出来る限り装備は揃えておきたいよな。この木刀じゃあ心許ないしなぁ』
『そうそう。武器屋の人も木刀は耐久性が問題あるって言ってたし、僕はともかくタルボの【強撃】にはそんな耐えられないんじゃないかな?』
『オレもそう思う。戦闘中に壊れたんじゃシャレにならんからな』
『そうだね』
『よし、武器のことはこれから考えるとして、今日はとりあえず帰るか。』
『うん、じゃあまた明日ね』
『おう、じゃあなー』
そう言ってタルボは踵を返し、自分の家に向かって歩いていった。
そして僕も家に向かって歩きだす。
家に着くと、母さんが用意してくれた食事を摂り、自分の部屋へと入った。
今日は本当に疲れた。
すごく疲れているのに、
その日はなかなか寝付けなかった。
まだ興奮が冷めなくて、
ベッドの中で何度も何度もスライムとの戦いを思い出していた。
スライムから取れた宝石を眺めながら。
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