第16話 試したい気持ち


さらに3ヶ月、午前中は素振り、午後はタルボとの稽古の日々が続いた。


タルボとの稽古では、最初こそ打ち返すことができなかったが、段々と打ち返すことができるようになった。


まだまだ攻撃を当てるまでにはいかないが。。。

これはもう持って生まれた運動神経が原因ではないのだろうか?

そりゃ【勇者】と【剣士】で剣術を比べたら【剣士】に軍配が上がりそうではあるが、一度も攻撃を当てられないのは、職業云々ではない気がする。


ステータスも上がってはきているが、やはりとても緩やかだ。

目標は討伐に出る前に攻撃力を15くらいにはしておきたい。

このペースならあと2年くらいかかりそうだけど、、、


今日もそろそろタルボが来る時間だ。

その前にステータスを確認しておこう。


ステータス


名前 カリス

レベル 1

HP 27

МP 8

性別 男性

種族 人間

職業 【勇者】

スキル なし

魔法 なし

攻撃力 9

防御力 6

力   8

身の守り4

体力  14

素早さ 6

賢さ  10

運の良さ4


装備

木刀 攻撃力+1

布の服 防御力+2


こんな感じ。

こんなんステータスじゃスライム相手でも不安だよ。


タルボが来るまで外で素振りでもしていよう。


そう思い外に出ると、歩いてくるタルボの姿が見えた。


『よう。今日も来たぞー』


『うん。今日もよろしく』


『あぁ、今日なんだけどよ。

村の外に出てみないか?』


『え!?村の外に!?モンスターいて危ないじゃん』


『だからだよ。そろそろ自分の力をモンスターで試してみないかってことだよ』


『えぇ、、、僕は怖いなぁ。まだ自信ないよ』


『でもよ、このままのペースじゃ不安じゃないか?もし明日から出発しろって言われたらどうすんだよ?』


『それはまぁ、、、不安でしょうがないけどさぁ』


『だろ?オレも自分のスキルを試してみたいんだよ』


そう。いまだに僕との稽古では、タルボはスキルを使っていない。

僕が本気で拒否しているからだ。

タルボのスキルは【強撃】

渾身の力で上段から振り下ろされる攻撃だ。

一度だけ、見せてもらった。


あまりの威力に、とてもじゃないが受けれないと思った。

タルボ曰く、最初は【強撃】の勢いに負けて、コロコロ転がってしまったこともあったんだとか。

今ではもうそんなことにはならないようだけど。


『なぁ、カリス付き合ってくれよ。さすがにオレも1人で行く勇気はないからさ』


『んー、危なくなったら逃げようね?』


『おう!!もちろんだぜ!!』


『絶対だよ!!』


『わかってるわかってる。じゃあ。そうと決まれば行こうぜ!!』


『不安だなぁ。。。』


『大丈夫大丈夫』


そして2人は村の入り口に向かって歩き出した。


『なんか興奮してきたぜ!!』


『僕は緊張で吐きそうだよ』


『ははは。吐け吐けー』


『あぁ、もう入り口についちゃう。本当に大丈夫かなぁ』


『なんとかなるさ』


『軽いなぁ』


そして村の入り口まで来た2人は、入り口で立ち止まった。

お互いに顔を見合わせると、、、


『よし!!行くぞ!!』


僕は頷き、2人は村の外へ歩き出した。

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