人生はたった一つの出会いで変わる

@wassan_kuro

そこに女神がいた

今俺は、宗教にでも目覚めそうです。

いきなりこんなアホみたいな言葉から始まったのか。

それは簡単だ。

目の前に、女神がいるからだ。



一ノ瀬 優希の人生は至って平凡である。

小学生の時は友達と沢山遊び、中学生の時は、幼い頃からやっていた剣道に、打ち込んでいた。

高校は、特に成績も良くも悪くも無かったので、普通の公立高校に進んだ。

高校と言えば、青春系の物語の舞台になりがちだが、現実はそんなに甘くない。

女の子と話さない。という訳では無いのだが、基本的には特定の男友達としか話していない。

だがそんなものだろう。部活もやってはいるが、中学生の時のようには、真剣にはやっていない。

だがそれでいいのだ。それが一般人である俺の人生であり、運命だと感じている。

そんな俺が、高校入学から2ヶ月だった6月のある日、普段通りの日常を過ごしていた時に、事件は起こった。



「貴方は、一ノ瀬くんですね!」



いつも通り部活終わりに、いつもの通学路を帰っていた俺に対して、突然目の前に立ってきた女神が、そう呼びかけてきた。

金髪ロングで、顔はかなり可愛い。目は空のように青く。背は175cmある俺よりも小さく、どこか気品を感じる白いワンピース姿をしていた。

しかしそれよりも、俺は気になる点がひとつある。

スカートの下から、クマの顔が付いたパンツを見えているのだ。

この状況でそれを見てしまう俺は男なんだと実感している。

しかしそんなことを考えている暇は無い。とりあえず目の前の女神が誰なのか聞かないと。



「どちら様ですか?」



俺は、仁王立ちを決めている女神にそう呼び掛けた。すると、女神はドヤ顔を決めながらこう言った。



「貴方の婚約者です!!!!」



「は?」



俺はあまりの突然の告白に普段なら絶対に出さない声と共に驚いてしまった。

今この目の前の女神は、婚約者とか言ったのか?こんにゃくとかそうゆうのじゃないよな?だとしたら貴方のこんにゃくですってのもおかしいか。うん、聞き間違いだろう。

ここは冷静に英語の授業の時のように聞き返そう。



「ぱどぅん?」



「なんで英語なんですか!?というか発音おかしいですし、スペル分かってますか!?それよりも、私の顔みても誰かわからないんですか!?」



かなり驚いた様子で俺にそう呼びかける女神。

ふむ、こんな美少女なんていたかな。

可愛い子の顔なら必ず覚えてるはずだが、俺のめもりーにはそんな子はひっとしない。

さては、新手の結婚詐欺なのか?



「詐欺か何かですか?」



「詐欺じゃありませんよ!?」



女神は、少し焦りの見える顔で全力否定してきた。

詐欺じゃないのか、そうだとしてこんな子、本当に覚えていない。

そもそも、婚約者ってどうゆう事だ。



「それで、婚約者ってなんの事なんだ?」



「軽く流されるのも悲しいですが、やっと話を出来そうですね。いいですか?婚約者というのは、私とあなたが結婚を前提に同棲することになったからですよ!」



この女神爆弾発言してきたんだが。

結婚?え、何それ美味しいの?どうゆう事だ。本当に知らない。

そんなことを考えていると。女神は不思議そうな顔をして続けて言ってきた。



「貴方のご両親も私のことを知っていますよ?」



ますますわからん。なんで俺の親が出てくるんだ?

俺の親は、普通の家庭の普通の仕事をしている父と、専業主婦の母しか知らんぞ?あとはまあ、反抗期真っ最中の中学生の妹もいるが。

とりあえず目の前の話を聞かなければ、。



「俺の親も知っているってどうゆう事だ?」



「ふふん、聞いてくれましたね!何故私と貴方が婚約者なのか。そもそも、ご両親がなぜその事を知っているのか!それはですね!」



嬉しそうに話す女神。可愛い。不覚にもそう思った俺がいる。そんなことを考えていると、



「私が貴方に一目惚れしたからですよ!!」



あ、こいつ意味わからんわ。

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