第9話『その組織は秘密らしい②』
「まずは、自己紹介させてもらうっス。私はキール・
(何の情報を聞かされてるんだろう・・・)
「えっと、鬼劉遥です。父はいませんが、母は看護師です」
「はは、わざわざありがとうございます。さて・・・と、早速本題に入りましょうか」
先程の空気が一変し音が消えた。
周りに人がいるにも関わらず疎外されてる様な気さえする。
「すみません、結界張らせてもらいます。あぁ、安心してほしいっス、周りに聞かれても困るんでこちらの声が聞こえない様、周りの声が聞こえない様にしただけっスから」
結界は遥を閉じ込める為の物ではないと遥を席から立たせてジュースを取りに行かせた。
遥が席から立ち通路へ出た瞬間、あれ程静かだった周りの騒ぎ声が再び聞こえ始める。
「さて、信じてもらえた所で改めて・・・今日君を呼び止めたのは、協力してほしい事があるからっス」
「協力?」
「都市伝説を倒すお手伝いっス」
「そんな軽い口調で何を・・・」
「あぁ、混乱するっスよねぇ。私達、都市伝説から人々を守るお仕事をしてるんスよ」
『
日本を拠点とし、密かに世界各国で未知の存在から人々を守る事が目的の組織である。
危険地帯からの隔離、神隠しに会ってしまった人の探索や救助が主な活動だそうだ。
「私達は都市伝説を殺す事は出来ません。アレらの核は人間じゃ傷1つ付けられない、しかも伝承通りの対処法も一時的なものに過ぎないっス。故意に殺し方の噂を広めても他の噂でかき消される、詰んでるんスよ」
「それで、滅鬼ですか」
「そうっス、滅鬼は都市伝説の核を破壊し都市伝説を無かった事に出来る」
「何でそれを・・・」
「企業秘密っス。あぁ、
遥の顔色の悪さを察したのか、わざと明るく振る舞ってみせた。
遥はしばし考える様に黙っていたが、やがて覚悟を決めた様に真っ直ぐキールの目を見る。
「わかりました、協力はします。でも、あくまでキールさんに協力するだけ、あなた方の組織には入りません」
「構いませんよ、むしろその方が良い。あそこの爺様達は相手するの面倒っスから」
キールは席を立ち指を鳴らした。
ファミレスの喧騒が戻った。
「これ、私の名刺っス。連絡先はこちらになるので都市伝説を見つけたら連絡下さい」
秘密結社『天滅會』
活動員 キール・東雲
XXX-XXXX-XXX
(秘密結社って、何だこの子供名刺みたいなの!?)
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