第7話

 リズが目を開ける。

 声を出そうとするが、リズの動きからは物音のひとつもしない。

 そこは紛れもなく真っ昼間の森の中。だが、決して現実ではないことをリズは悟っていた。

 たくさんの動物たちが顔を出し、植物はのびのびと成長している。人々がやって来ては実を取ったり、ピクニックをしたりしている。

 そのまま日が傾けば、小さな灯りがたくさん森に灯った。無数の精霊たちが泉の周りで歌い踊る。

 それは紛れもなく、かつての「月光の森」の姿だった。

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