第6話

「ルナ、さん? 私はリズって言います。私はこれから何かされますか? あと、声を奪われたって……それに、私が選ばれたってどう言うことなんですか」

 ルナは、ついてきてというような仕草をする。リズは思わずルナの後に続いた。

 本来ならば、怪しい事態について行かない方が自然だろう。

 リズは何かを考えようとしたが、ふわふわとしてきた頭では、考えがまとまらなかった。

(きっと、真夜中だから。)

 リズはそう結論づける。

「ここは……?」

 ルナに連れられた先、それは月明かりの降り注ぐ、神秘的で小さな泉。

 泉の淵にしゃがみ込んだルナがぺたり、水面に触れる。リズの意識はそこで途切れた。

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