第8話

 もう一度目を開ければ、ルナが心配そうにリズを覗き込んでいる。太い木にもたれかかるようにしてリズはあの景色を見たようだった。

 耳が痛くなるほどに、今の月光の森は静かだった。ルナ以外の精霊の姿もなければ、他の動物もいない。木々は捻じ曲がって枯れて人々が寄りつくこともない。

「どうして?」

 ぽつりとリズはつぶやいた。

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