第33話 停戦協定にも応じず
「……そっちでも全然上手く行って無いんだ」
「ああ。
「!!」
自分たちはとんでもない事を犯した。事の重大さに気づくが、もう遅い。
「……
「止めはしないけど、意味無いと思うぞ。アイツ、オレ達の事を許す気ないから」
「うん。でもやってみないと分からないじゃない」
「分かった。後は任せるよ」
「何ノ用ダ?
「もう……やめてよ」
「何?」
「もう止めてよこんな事! 私たちが憎ければ警察にでも裁判所にでも突き出してよ! 証拠も全部出すからパパも私も
「何デオ前ラヲ逮捕シテ、警察ヤ裁判所ニ突キ出サナクテハナラナインダ? オカシイダロ、ソレ。友達相手ニソンナ酷イ事ナンテ出来ルワケナイダロ?」
「え……? と、友達だって?」
「アアソウダ。俺トオ前ハ大切ナ友達ダロ?
警察ヤ裁判所ニ突キ出スナンテイウ酷イ事ヲ友達相手ニスル事ナンテ出来ルワケナイダロ。俺ハタダ『空気ヲ読ンデ行動シテクレ』ッテ言ッタダケサ」
「……祭りのときに塩酸かける相手が友達なわけないでしょ」
「オレハ
友達を警察に突き出す事なんてとてもじゃないけど出来ない。フクシュウ狂ヒはそう言って
「……パンチタイムとかリンチタイムとか言って
時間は中学3年生の4月にさかのぼる……
◇◇◇
給食の時間、全裸にされ犬の首輪を付けられ、机に繋がれた
メモ帳には「〇ンチタイム」と書かれていた。
「
「……ラ、かな」
「はいハズレー! 正解はパでーす!」
それを合図に
殴られた痛みに耐えるだけの
「
「……パ、かな」
「ブッブーッ! 正解はリでーす!」
それを合図に
ズタボロになった
「
「……リ、かな」
「ブッブーッ! ハズレーッ! 正解はレでーす!」
それを合図に
◇◇◇
「アア、アノ事カ。ソンナ過去ノ事ハ全部水ニ流スヨ。ダッテ俺達ハ友達ダロ?」
「
「
友達ガオ金ニ困ッテイタラ、救イノ手ヲ差シ伸ベルノガ友達ッテ奴ダロ? 忘レタノカ? ダッタラ『空気ヲ読ンデ行動スル』ダナンテ簡単ジャナイカ」
「オレ達に死ね! と言いてぇのかテメェ!?」
「イヤ違ウ。俺ハ『空気ヲ読ンデ行動シテクレ』ト言ッタンダ『死ネ』ダナンテ断ジテ言ッテイナイ。ソンナ酷イ事ヲ友達ニ言エルワケナイダロ?」
それを相手が
本当は友達でも何でもない「人間未満の何か」だった。しかし相手があれだけ酷い目に遭わされたのに「友達ダ」と言って来ると凄まじい恐怖を感じていた。
「……私たち、
「何デ? ッテ言ワレテモ、
「……拒絶しないの?」
「何言ッテルンダ。友達ヲ拒絶ナンテ出来ルワケナイダロ」
「ドコマデモ、ドコマデモ、ソウ、ドコマデモ!! 僕タチハ友達ダ」
「ココから逃げ出さないと、殺される」彼女の本能がそう訴えかけたのか、そこまで聞いて通話を切った。
……狂ってる。こんなの、狂ってる!!
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