第25話 特定しました
とあるSNSでその話がされていた。
[
≪特定できた。
「茨城県の船城市立船城中学校」で決まりだな≫
[特定お疲れ様ー。いやー、分かるものなんですねぇ]
校長と担任の
名推理……なのかどうかは分からないが、仕事上鍛え上げられた推理力を
≪まぁな。調べるにはいろいろコツがあるけど飯の種だから詳しい話をさせるのは勘弁してくれ。探偵やってりゃこれくらいのことは自然と出来るようにはなるさ≫
[見事な推理力ですね。さすが名探偵
≪おいおいよせよ。俺みたいな奴は持ち上げたって何も出ないぜ?≫
「和気あいあい」とでも言うべき雰囲気で話が盛り上がるが、そこへログインするや「大炎上」したと思って話のきっかけをしゃべった
『ちょっと!
≪やぁ
[
『ええ!?
WEB上では「面白い事を言う人」程度にしか思って無かったので気軽にフォローした
≪まぁな。名探偵かどうかは分からないけど一応は本物の探偵をやってる。悪かったよ勝手に調べて。昔から興味が出たらトコトン追求しちまうタイプなんだ。
あそこまで話を振られて内緒にしてくださいって言われても気分が悪くなるだけでさぁ……≫
『そりゃ「調べたければお好きにどうぞ」とは言ったけど本当に特定できるとは思わなかったよ……』
「そんなに調べたければ勝手にどうぞ」と確かに言ったのもあってか本当に調べてしまうとは思わず、強い口調で責める事は出来なかった。
話は
[ところで
『ごめん、それは無理。ネットでこんな事言うのも本当はいけない事だから』
[えー? ここまでバレてるんだろ? 今更隠したって意味無いだろ?]
『悪い。絶対にばらしちゃいけないものだから、約束を破るつもりはないよ』
≪悪かったよ
「親しき仲にも礼儀あり」って奴だろ? さすがに本人が嫌がってる事を無理やりやらすのは良くない。そりゃあ俺だって証言して欲しいって気持ちは分かるよ?
でも仲のためには最低限のラインは守らなきゃ。良いだろ?≫
[うーん……
出来れば晒して欲しい。と思った校長と担任教師とのやりとりだが、その場ではすぐには晒すことは無かった。が……。
『ところで
≪んー……もう8万いいねがついてるね。それも現在進行形で増え続けてる。こりゃ10万は行くぞ≫
『!? 8万!? バズってるとかいう次元じゃないですよそれは!!』
既に事態は火消しできないレベルにまで膨れ上がっていた……うかつに消そうとしても「消すと増えます」という奴で、大炎上も良い所だ。
≪既に学校名もバレてるから
船城市立船城中学校の教師によるいじめ黙認の件は既に「ルビコン川を渡った」案件になっていた。もう引き返せない所まで行っている。
『そ、その……
≪何だい?≫
『証言、しても良いですよ。もうここまで来ちゃったんですから隠しようが無いですし……』
≪本当にいいのか? 君の兄さんとの約束を破る事にもなるし、君にも何かしらの被害が来るかもしれないんだぞ? 安易に場の雰囲気で流すのは絶対に辞めた方が良い。
それで人生を棒に振るうレベルの大失敗をした人を俺は何十人も見てきたからな≫
『いえ、場の雰囲気とかそんなんじゃなくて、俺自身が公開してもいい! って思ってるんです』
≪……わかった。勇気ある決断だな、俺はお前を誇りに思うぞ≫
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます