第14話 狩る側から、狩られる側へ
「お早う」
「……」
ゴールデンウィークが明けた市立船城高校の教室。1週間の停学が終わった
彼はその行為に腹が立つ一方だったがそれを隠して、クラスメートの中でも比較的仲の良い
「
「……」
彼女もまた
「
「
こうやって
「!? いじめだと!?」
いじめだと……? オレと仲良くしたらいじめられる、だと?
「
という意味のセリフに食いついてくる。
「言葉通りよ。私、平凡な高校生活を送りたいから、いじめに巻き込まれるだなんて絶対嫌。
だからこれ以上私に関わらないで。
「
キーンコーンカーンコーン……
「席に着け。ホームルームを始めるぞ」
先生が教壇に立ち、ホームルームが始まった。
ゴールデンウィークが明けた市立船城高校、この日から
「……」
授業中、
最初こそ我慢していたが「瞬間湯沸かし器」と言える程沸点が低い彼の事だ。すぐにキレた。
「テメェ! いい加減にしろ!」
「おい!
「何があったんだ!?」
「先生! コイツがオレの背中をシャープペンでつついてくるから怒っただけですよ。俺は悪くないです」
「
「えー? 俺そんな事やってないですよ。真面目に授業受けてたのにいきなり
相手はウソをつく。しかしウソである事を証明できるものは何一つ無い。
「クラスメートの連中が総出でオレの事をいじめてるんですよ! これはもう犯罪行為ですって!」
「証拠はあるのか?」
「だからホントにコイツがオレの背中をシャープペンでつついてきたんですよ!」
「俺はそんなこと絶対にやってないですよ! 誓ってでも言える。だったら周りのみんなに聞いてくださいよ! もし俺が本当にやってるのなら誰か見てるはずでしょ!?」
ウソつきが周りの人間に証人になってくれと言い出す。すると……。
「そんなことやってませんよ」
「見てないです。もしやってたらすぐバレますって」
彼らはウソつきに同調する。
「テメェら……」
「
3年間無事に過ごしたければこれ以上事件を起こさないでくれよな」
「……」
前回の停学以降、
その「色メガネ」をかけた状態で校内で起こった事を見られるのだから、当然彼が不利に映る。
高校では校長という親の保護が無い場所だ。中学時代に「ツケ払いしていたモノ」を「利子がタップリと乗った状態で」返す時が来ていた。
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