第4話『目的』

俺は黒子の日記を全部読んでみる事にした。


〜5年前〜

4月11日この日は私の11歳の誕生日。

この日、私は両親から誕生日プレゼントに

この日記を貰った。とても嬉しかった。


だが、この誕生日は私にとって悪夢の始まりだった。

お父さんとお母さんと弟の光流みつると私で

誕生日ケーキを食べようとした瞬間だった。


「パァン、パァン」


と2回音がなった。

そしたら目の前で私のお父さんとお母さんが

頭を銃弾で撃たれて血を流して倒れていた。


すぐにわかった。


お父さんとお母さんは死んでる、と。

私は怖くて声も出せずにガタガタ震えていた。


そしてあの3人の人物が現れた。

その3人は仮面で顔を隠していた。


シルバー「この2人はどうします?ボス」


シャドウ「シルバー、例の薬をこの子供に投与しろ」


そう言うとボスという人物は光流を指を指す。


シルバー「わかりました、ゴールド、例の薬を」


ゴールド「ほら、これだろ」


光流「や、やめ…」


シルバーと言う人物は注射器を持っていて

容赦なく光流に謎の薬を腕に刺し投与した。


すると光流はすぐにあの化物になった。

そう、後にコイツらが名付ける"にこちゃん"だ。


シャドウ「これは!ふ、はははははははは」

    「やっと成功だ、これで私の計画が進む」


シルバー「おめでとうございます、ボス」


ゴールド「それよりこの女のガキはどうする?」


ゴールドという人物は私の額に銃口を突き付ける。


シャドウ「連行しろ、そいつは実験材料にする」


シルバー「かしこまりました」


荒沢 (実験材料?冗談じゃない)

   (私はあんな風になりたくない)

   (ここから逃げるんだ)


その思った瞬間、私は一気に走り出す。


ゴールド「おい!くそ逃げやがった、待て」


シルバー「何やっているんですか、ゴールド」


私は振り返らずに一生懸命走った。


荒沢 (光流、待ってて私が治す薬を見つけて)

   (絶対に助けるから)


シャドウ「まぁいい、そのまま逃がせ」  


ゴールド「しかし…」


シルバー「良いのですか?」


シャドウ「子供は我々にとって重要だ」

    「実験を開始してから気づいた事もある」

    「オリジナルは手に入れた」

  「我々の目的の為にもクローン計画を進める」




〜その頃黒子は〜


私はそれからずっと走り続けた。

走って、走って、走って、走った。


そして私は警察署に行って、事の発端を喋ったが

あいつら3人は捕まらず。


その後は私は親戚に引き取られ

親戚の家で暮らす事になった。


そして私はここで決意した。

光流を救いだし、"あの3人必ず殺す"と。



〜1年後〜


当時黒子12歳

事件から1年後あいつらの情報が足りないので

情報屋を探したりして、とある情報を手に入れた。 


それが影の組織『スマイル』という情報。

その影の組織『スマイル』は

変な化物を開発していると言われていた。


化物を開発と聞いた瞬間

私は直感であいつらしかいないと思い

ボスの情報を手に入れる為に

影の組織に入る事にした。


色々な困難はあったが

無事に『スマイル』のアジトまで辿り着いた。

そしてモニター越しにボスと会話した。


ボス「単刀直入に聞く、なぜ組織に入りたいと?」


ボスの声は変声機が使われていた。


荒沢「私は世界の平和を望んでいるので」

  「この組織に入ると世界を笑顔にできると」


ボス「ほう、12歳でその思想と精神力…」

  「気に入った!いいだろう」


意外にも簡単に組織入りできた。


荒沢「ありがとうございます」


ボス「お前本名は?」


荒沢「荒沢黒子といいます」


ボス「ならお前には"ブラック"の名を与える」

  「これからはブラックとして動け」


荒沢 (よし、ここまで計画通りだ)

   (後はこいつらに疑われずボス達の情報と)

   (光流を治す薬を探す、もしくは作る)


ボス「後ほど非通知で連絡する」


荒沢「……あっ、はい」


ボス「ん、何か考え事か?」


荒沢「あ、いえ組織に入れた事に感激しており」


ボス「ふ、そうか」


ただ予想外だったのは

ボスが変声機を使っていた事だった。


私は事件当時パニックになっていて

あの3人の声を思い出せないでいた。


荒沢 (声がわかれば少しでも的を絞れるのに)


後は組織内で私という存在を信頼させる。

聞いた情報によると裏切り行為などが見つかれば

すぐに処刑されるらしい。


こうして私は組織で"ブラック"として活動する事に。


〜数日後〜


ボスからスマホに非通知で連絡が来る。


荒沢「はい、もしもし」


ボス「ブラックか?」

  「今日の18時に指定した場所に来い」

  「場所の画像は送信する、以上だ」


「ブツ」


一方的に切られた。

送られてきた画像を見ると近くの廃虚だった。

そして18時に笑顔町のとある廃虚で待つ。


荒沢「まだ来ない」


「カツ、カツ、カツ」


足音が聞こえる。


ボス「すまない、待たせたな」


遂にボスが来た。が

やはり仮面で顔を隠していた。

それと変声機も使っていた。


荒沢 (ちっ…分かるの目くらいか、目は二重)


ボス「苛つかせたかな?」


荒沢 (表情でバレたか?)


荒沢「いえ、大丈夫です」


ボス「ブラック、これから大事な仕事をしてもらう」


そう言うとボスは血液の入った

注射器を渡してきた。


荒沢「これは何ですか?」


ボス「これはな、5歳から18歳までの人間を」

  「"にこちゃん"という物に変えてくれる薬だ」


荒沢「にこちゃん?」


ボス「あぁ、別にふざけているわけではない」

  「まぁ見てもらった方が早いだろう」


するとボスは拘束された

中学生くらいの男性を連れてきた。

男性は口を塞がれ手足は拘束されていた。


ボス「よし、じゃあ見てろ」

  


男性が涙を浮かべて必死に暴れていた。

助けてあげたかった……

けど私は何もできなかった。


今ここでこの人を助ける事で裏切り行為になり

私の復讐が出来なくなってしまう。


名前は分からないけど、ごめんなさい。


そしてボスは注射器を男性に刺した。


「プス」


すると男性は痙攣をし始める。

そして次の瞬間

みるみるうちに、あの化物に変化していった。


ボス「まぁこういう事だ」

  「それでお前にはこの廃虚にて」

  「実験をしてもらいたい」


私はこんな化物を間近で見て言葉を失っていた。

何か喋らなければと思った時だった。


ボス「どうした?やはりお前には無理だったか」

  「なら口封じの為、今から処刑しよう」


と言いながら私に銃口を向ける。

だかここで死ぬわけにはいけない。


荒沢「いいえ、やらせて下さい」

  「世界の平和の為に」


ボス「ならいい、仕事の内容は」

  「こいつの攻撃力や耐久力などの実験記録や」

  「私が指定した人間をここに誘導し」

  「にこちゃんに変えてくれ」

  「もしくは、にこちゃんの攻撃対象にしろ」

  「後はにこちゃんのクローンを増やす」

  「何かあれば非通知でまた連絡する」

  「忙しいので失礼する」

  「にこちゃんには気をつけろよ」

  「お前にも普通に攻撃してくるぞ」


と言いながらすぐに居なくなってしまう。


荒沢 (いいだろう、表向きはそうしてやる)

  (だが待っていろ、必ずお前ら殺す)


ボス「………………」



〜4年後〜


実験などを繰り返しているうちに

私の手は完全に汚れていた。

自分の復讐の為に色々な人を犠牲にした。

本当にごめんなさい。

でも私は復讐の為なら躊躇はしない。

私の心は既に闇に堕ちている。


そして遂に完成した。

"にこちゃん"を人間に戻す薬が。

これは私だけ極秘に動いて完成させた。

だから組織の連中らは知らない。


組織から貰った拳銃も手に入れて、撃ち方も学んだ。

準備は整った。後はあの3人殺す事と光流を助ける。

ついでに組織も壊滅させる。

レッド、ブルー、グリーン、イエロー、ピンクも

色んな情報を聞き出したらまとめて殺す。



それが私の目的。

ただ、最期に『牧翔司君』

あなたを巻き込んでしまって、ごめんなさい。

肝試しに誘ったのはボスの命令で

あなたと白川君、村木君を

廃虚に誘導しろと言われていたの。

あなただけは巻き込みたくなかったけど

こうしないと私の復讐が果たせなくなってしまう。

本当にごめんなさい。

最後にあなたともう話が出来ない事が

とても悲しいです。



さようなら。


最後に、にこちゃんと組織の情報をまとめておく。

先に、にこちゃんの情報。

1、視力が弱い。(約2mくらいしか見えていない?)

2、アルコールに弱い。

(アルコール濃度(度数)が高ければ高いほど効く)

3、爆破で死ぬ。

4、にこちゃんの血液または体液が

 人間の体内に入ると、にこちゃんになってしまう。


次に組織の情報。

恐らくメンバーたちのコードネームは

本名から取っている。

例えば『レッド』なら

レッド→赤井など。

私の様に名前から取っている可能性もある。

黒子→ブラック。

ボスの特徴、目は二重、性格は短気?

以上、現時点分かっている事。

                   荒沢黒子

 



〜現在〜


 牧「黒子……」

  「君はこんなに苦しんでいたのか」

 


俺はこれからの事を少し考えた。

そして出した答えはこれだ。




 牧「俺は……黒子と協力し組織を壊滅させる」

  「まずはここから脱出し、黒子を追う」  

  「この日記が本当なら黒子はまだ生きている」

  「まぁ、黒子がどこにいるか分からないが」

 

俺は黒子の事が大好きだ、俺の手も汚れてもいい。

だから黒子の復讐を手伝う。一緒にボスを倒す。

それが俺の目的だ。


 牧「待っててくれ、すぐ追いつく」

  「にこちゃんの弱点も分かった」

  「この日記も返さないといけないしな」

  

  

こうして俺はこの廃虚から

必ず脱出をすると決意する。


                    第5話へ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る