男に裏切られた私、親友で幼馴染の財閥令嬢の家で最近あった出来事を話す

  あれは、思い出したくもないけど、ある意味で百合花と結婚を決めた(決めさせられたと言うべきか……)数時間前、私は会社の同僚の下衆げす君と付き合い同棲していた。あの時は、私は頼まれた仕事が多く、私が1番遅く帰って来た時だった。


「ただいまぁ〜……って、ん?私も知らない女性物の靴?ま……まさか……!?」


私は以前にもあった嫌な予感を覚え、すぐにリビングへと向かうと


「イヤン♡下衆君ったらエッチなんだから♡」


「ハハハハ!!やっぱり女はお前みたいに可愛いくてエロい女が最高だよなぁ!!」


リビングのソファで、下衆君と女性が座っていやらしい行為をしていた。しかも、女性の方はとても見知った顔だった。


美地びちさん!?下衆君!これは一体どういう事!?」


それは、私の後輩で私が教育係している美地さんだった。その美地さんは私の声を聞いて振り向くとニタリと笑った。


「あれぇ〜!先輩早かったですねぇ〜!せっかく私が沢山仕事をあげたのに♡」


「なっ!?やっぱりあの仕事!貴方のも混ぜてたのね!?」


どう考えても、自分が携わっていない仕事も含まれてる気はしたが、本当に私に仕事を押し付けていたなんて……


「はぁ〜。もうバレちまったか。まぁ、いい。もうお前との関係は終わらせたかったからな。という訳でお前との関係は今日までだ」


悪びれる様子もなくそう言う下衆君に、私はしばし沈黙したが、すぐに口を開いた。


「分かった。それなら、すぐに出て行ってくれる。ここは、私が契約したマンションよ。文句ないよね」


「何言ってんだ。出て行くのはお前の方だよ」


そう言って下衆君は一枚の紙を私に見せた。その紙を見た私が目を見開く程驚いた。


「なっ!?嘘!?この部屋の契約者が下衆君に!?しかも一括で購入した事になってるなんて!?」


「これで分かっただろう。さぁ、邪魔だから出てけ」


「バイバイ♡先輩♡」


「ちょっ!?待って!?この部屋にある物は全部私が購入した物で、すぐに荷物を纏めて出て行くなんて……」


「だから、ここは俺の物なんだから、つまりこの部屋にある物は全部俺の物なんだから、お前が持って行けるの物なんてないんだよ」


「アハハハハ!惨めねぇ〜!先輩!」


「ちょっ!?そんな!?待って!!?」


私が何か言っても、2人は有無を言わさず私を追い出した。しばし、部屋の扉の前で呆然としていたものの、このままだと警察まで呼ばれる可能性があり、その場合私が捕まる事になる為、私はこういう時に頼れる百合花の元を訪ねて今に至る……











「と言う訳です……」


私の話を聞いた後、皆しばし沈黙していたが、またゆっくりと百合花のお父さんと私のお父さんが立ち上がった。


「よし。その男に私が引導を渡してやろう」


「よっしゃ!徹ちゃん!俺も付き合うぜ!もちろん!」


「ちょっ!?デジャブ!?おじさんもお父さんも落ち着いて!?」


「お父さん達。落ち着いて。その男と女は私が生きている事を後悔するような目に合わせてあげるから」


「ヒイィ!?やっぱり1番百合花が1番怖いんですけど!?」


この後、私はひたすら3人を宥めるのに時間をかけたのだった……

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