▽第24話 休日の過ごし方
部屋の片付けと掃除から始まった休日の朝。
「うわ、このTバック……アンのかな?」
「それアタシのだよ」
「ええっ!?」
「そっちの方が好みなの」
思ったよりエグかったシエルの下着。それも片付けて部屋を綺麗にしていく。
ゴミはゴミ箱やゴミ袋に。置きっぱなしだった衣類は洗濯もしくはあるべき場所に。
掃除機と雑巾で部屋全体を清潔にし、汚い部分を取っていった。
そして三時間の奮闘の末、部屋はすっかり綺麗になった。
「いやぁ終わった終わった! そこまで手間なくて助かったわぁ」
「ありがとう、アルク……一人じゃこんなに綺麗にならなかった。本当は先輩のアタシがもっとしっかりするべきなのに……」
「そんなに気にしなくていいよ。一人で出来ることの方が少ないんだからさ、もっと私のこと頼りなよ?」
先輩としての使命感がシエルにはある。でもそれが負担になっているように見える。
だから私は負担となって空回りの原因ともなる使命感を取り除こうとした。
「いいの?」
「別にいいっしょ、二人で手を取り合って行こうよ」
「……うん!」
キョウコが言っていた昔のシエルの明るさ。空回りするだろう使命感を取り除くと、その表情から昔の明るさとやらが少し垣間見えた気がした。
そんなひと時。
抱きついて甘えてくるシエル。私の慎ましい谷間に埋めてくるシエルの頭を撫で、互いに満足するまでこの時間を過ごしていく。
※
シエルとのイチャイチャタイム後、キョウコが戻って来てチェックが入った。
結果は合格。
私への助言とシエルに対しての小言を聞きながら部屋の片付けと掃除は終わった。
これから毎日、毎週、部屋を綺麗に維持しなければならない。訓練でくたくたに疲れて大変の極みだけど、シエルと二人なら余裕で出来るだろう。
「さてと、次はどうしよっか?」
「うーん、次がしたい」
「ん?」
「キスの次。アタシがしたくて、アンがずっと避けてきたこと」
「わぁお」
なにやってんだぁ、アン!
こんな可愛い美少女の気持ちを避けた上に置いていってぇ!
それはそうとエッチ評価は一億万点。
淑女じゃなくても美少女のお誘い受けたら乗らないなんてことはないでしょ。
「ダメ?」
「オッケーインザヘヴンオッケー」
「茶化してる?」
「ごめん、シエルとそういうこと出来ると思ったらテンション上がっちゃって!」
「もう……エッチ」
大人の階段を上る誘いに乗った。
私はリビングのソファに座り、シエルはその隣に来る。
「アタシ、二人でするのは初めてだから……優しくしてね」
「実は私も初めてなんだよねぇ」
「え、経験者じゃなかったの? いつもピンク色みたいな匂いしてるのに?」
「経験者じゃないから妄想ばかり盛んになるんだよねぇ……」
見つめ合って打ち明け合う互いの事情。
「じゃあアタシたち、お互いに二人でするのは初めてなの?」
「そうだねぇ」
「やり方は分かる?」
「大丈夫、そういうのは薄い本でも厚い本でも読んであるから」
今一度思い出す本の内容。
「シエル……」
しかし思い出せば思い出すほど乱れた情景が脳内で再生される。
シエルとそういうことをする。そう意識すると、今にも獣みたいに暴走しそうなほど気持ちが昂る。
「アルクの匂い……いいよ」
「ごめん、手探りだけど始めるね」
シエルをメチャクチャにしたい。溢れ出る欲求が加速し、すぐさまキスに持ち込む。
そして私は本で読んだこと、自分一人でやってきた経験を元にシエルを貪り始めた。
「ん、ぁ……」
「ここかな?」
服の下へと這わせ、下着の奧へ入り込ませる自らの手。
可愛く小さなシエルの声。
「アルク」
「なーに?」
荒くなる吐息を混ぜた私たちの声。
呼ばれても手は止めない。
まずは私が知っている限りの弱い部分を優しく、激しく、刺激していく。
「これ、ね……?」
「んー?」
私の貪りに対して体でピクリピクリと反応するシエル。頬を赤くさせながら股を閉じてしまい、防御するように縮こまった。
「下手」
「え、ホントに? マジ?」
「マ、マジ、だから……」
しかし片方の手の指先は濡れている。触れば、シエルは荒い息の乗った声を出す。
どうやら加減が出来てなかったようだ。
メチャクチャにしたい気持ちが先行し過ぎたか。反省である。
「次は、アタシがやる。アルクに仕返し、するから……」
「いいよ♡たっぷりやって♡」
「……エッチ」
息を荒くしたまま攻守交代。
次はシエルが私を貪る番。
くんくんと嗅がれて、シエルの手が私の体を這う。
そうやって私とシエルは大人の階段を上っていった。
※
「んぉぉ……ぉぉ、おっ……」
あれから何時間経ったの?
頭の中は真っ白。意識も視線もデジタル時計に表示された時間に向けない。
「ふんふん、アルクはここが弱いんだね」
「んっ!? くっ、うぅぅ……!?」
ナニをナニされてるか、もうなにも分からない。
ただ視線が強制的に上に向くほどの強烈な快楽が脳に響き、体の主導権がシエルの手の動きに支配されていることだけは分かる。
「あぁぁ……! はぁ……はぁ……」
「素敵な匂い♡体がとても熱くなってるね?」
「だって……今の、すごいの来ちゃったから……」
シエルの妖しい笑顔。私を見つめて、次の刺激を送ってくる。
「んおぉッ!」
触られ、刺激されるほどに上がっていく感度。
欲しい。もっと欲しくなる。
「ねぇ」
「な、なぃ……?」
「もっと欲しい?」
「ほしぃ……」
「いいよ♡」
体勢を変えられる。
シエルも体勢を変えて、手とは違う感覚がやって来る。
スベスベで、温かい、人肌の感触。
股だ。
「行くよ、アルク♡」
「う、ん……♡」
また始まる。
今度は私だけじゃなくて、シエルの妖しくいじわるだった声も甘く響いた。
そうして時間も忘れて股を擦り合う。互いの体を求めて動き続ける。
私たちは意識も呼吸もなにかもかも乱しながら休日を過ごしていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます