〜獣〜社会から追放されたから魔物倒して生きていくことにした

置いていかれたとある学生

第1話

2050年10月5日


ちょうど日が傾いてきたとある夕暮れ。

今日はパトロールかぁ。街中を出歩くなんてめんどくさいなぁ。

なんて思っていたら、いきなりイヤホン越しに俊介が叫んできた。


『魔物がでたぞ!!!裏路地だ!!!』


今日は団長さんが出張でかなり遠くまで行ってしまったため、パトロールを任されている。そのせいで今日は俊介のいう通りに動かないといけないのだ。

帰ったら覚えておけよ俊介。

(全く、、、、、、俊介は本当にいつもうるせえなぁ)

俊介に対する怒りをなんとかおさえる。

全神経を耳に集中させてこの街の音を聞き分ける。


「きゃぁぁぁ!!!!」


悲鳴はビル街によく響く。一気に全員が沈黙に陥るこの張り詰めた空気。

久しぶりの感覚。かなりのいい緊張感だ。


『おい!!!お前!!!うるせえとか言ってたのしっかり聞いてたぞおい!!』

『なんだ俊介か。今から掃除に行くから切るぞ』

『お前帰ってきたら覚えとけよこの脳きn』

『ブツッ、ツーツーツー』


とりあえず早急に通話を切った。俺の心の声はどうやら漏れていたらしい。

ついでに脳筋とまで言われていた。まあいっか。

家に帰ってから全部片づければどうにかなるだろ。


「樹、行くよ。」

「そうだな、煌。それじゃあ掃除の時間にすっか!!!」




★★★




やっと魔物を見つけた。

早速掃除と行きたいところだがまずは被害者を助けないといけない。

被害者は子連れの人妻だ。まだこどもは5歳程度のようだ。


「煌、被害者にバリア張れ」

「オッケー。バリア。」

「え?このバリアは、、、、、、」

「助けに来たよ、僕たちがね。そこで待ってて。今からお掃除するから。」

『どうだ?お前も他の人と話すのに慣れたか?』

『相変わらずだよ早く終わらせて』

『わかったよ。』

「お〜いお〜いそこの魔物〜かかってこいよ雑魚が!!!!!」

「グルルルルル」


こっちを向いた。最近よく見かける典型的なパワー型だ。

ちなみにデブをめっちゃ極めた人間を拡大化したような見た目だ。

動きが大きくて攻撃モーションも単純だが一発もらうと致命傷になりかねない。

どんな時も同じことが言えるが、魔物相手には特に油断してはならない。

気を引き締めて戦場に足を運ぶ。


「いつも通りの戦略で行くぞ、煌!!!」

「わかった」

「ガオオオオオ」


まずは俺が囮になり攻撃パターンを把握。

やはり攻撃モーションが単純で動きも鈍い。後は全ての攻撃を打たせるだけだ。

いつものやつと違うと致命傷になりかねないからね。


「オッケー、いつもの奴と対して変わらんな」

「それじゃあ反撃開始かな」

「頼むぞ!!!」


攻撃パターンを把握し終わったら、こちらも攻撃を仕掛けていく。

攻撃はほとんど煌の魔法に頼りっきりだ。

俺は何をするかと言うと、もちろん囮なのだが、隙を見つければ攻撃をして体力を削っていく。早くぶん殴りてえな。こっちはストレスだ溜まってんだよ。

煌が魔法を放った。


ドガァァァン


「相変わらずすげーな。煌の魔法の威力は。」

「僕の魔法は遠距離だからだよ。樹の脳筋パンチには敵わないけどね。」

「何かいったか?」

「いやいや何も?」

「まあいっか。そろそろトドメと行こうか。煌、頼むぞ」

「オッケー」


結局煌の魔法だけで相手はボロボロだ。

最後に煌が特大攻撃魔法でチェックメイトだ。やはり通常の魔物は弱いな。

これぞ完璧な作戦だ。



あれ?結局俺何もしてなくね?



「ちょっと待って煌、俺が倒す」

「はいはいわかったよ〜樹www」


いや笑うなよ。まあいっか。煌は俺に身体強化魔法を放ってくれた。

最後は俺がぶん殴るだけだ。思いっきりいかせてもらうぞ。

俊介への怒りも全てぶつける。



「さっさとくたばれぇぇえ!!!!!」


ドガアアァァァァァァアアアン!!!!!!!


「やっぱり樹は脳筋だな、、、、、、」

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〜獣〜社会から追放されたから魔物倒して生きていくことにした 置いていかれたとある学生 @yaezakura_rui

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