第2話 カメレオンとハエ
「……で、」
と、体育館のセメント製の壁に背中を預けた
「俺に、何か用です?
彼女は、首を
「
「……ですよねー」
――
それは、光一と珠美が所属する秘密結社の名前であった。
要は、
事件解決のためであれば、違法手段さえも許可されている、まさに裏世界の住人。
そして、
ちなみに、珠美は光一の先輩的立場である。
といっても、だ。
それは所属期間の年数によって出来上がった上下関係であり、実は光一の方が彼女よりも一つ年上だったりする。
光一は、そんな年下の少女へ聞いた。
「今回の仕事の内容は?」
「
「連続殺人魔、カメレオン……?」
「文字通り、無差別の一般人殺害を繰り返す、今回の
「なぜ、二つ名がカメレオン?」
「
「なるほど……でも、なんでその任務が、また俺たちに渡って来たんです?」
「光一が必要だからよ」
「俺が?」
「ええ」
珠美は、説明した。
「カメレオンの変装能力は、そのクオリティの高さのあまり、
「ほう……」
「足が不自由な人間を演じる時は自分で自分の足を骨折させるし、
「徹底していますね。それに、色々な意味で変態だ」
「そう、その変態と徹底ぶりのおかげで、普通の人間ではカメレオン本人を見つけることすらできない……」
「だから今回、俺の第六感を利用しようではないか、という戦略になったわけですね」
「そそ。ハエさんの『殺気感知能力』で敵を見つけ出す」
「そのハエさん呼びは、できれば
「今とてつもなくイライラしているから、ハエ呼びを控えるつもりは全くないわ」
「本当に……誰が珠美さんをこんなにも怒らせたのか……」
「殺されたいの?」
「どうして……っ?」
ちなみに『ハエ』とは、光一の二つ名であった。
彼は、生まれながらにして、とある能力に特化しているのだ。
それは、『殺気を感知する能力』である。
生き物が放つ殺気を、彼は第六感とも呼べる感覚で、いち早く感知することができる。
彼は、その殺気感知能力を利用して、
それはまるで、部屋中を飛び回るハエのように……。
だから、二つ名が『ハエ』なのだった。
「
「当然。カメレオンがいると予測できる場所に向かうわよ」
「了解です……」
仕事の始まりであった。
この男、最強の「ハエ」らしいっ!! バーカ・アーホ @mahousyoujyo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。この男、最強の「ハエ」らしいっ!!の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます