この男、最強の『ハエ』らしいっ!!
バーカ・アーホ
第1話 女はこわいよ
とある高校の体育館裏。
周囲に
そんな神聖な地に、今日も少女の告白が響き渡る。
「私と、付き合ってくれませんかっ!!」
目をぎゅっと閉じ、一生懸命言葉を吐き出す少女。そんな少女の対面側には、1人の男子高校生が立っていた。
ぼーっ、と。
さっきまで昼寝していた事がバレバレの、寝ぼけ
そんな彼は、返事を返した。
「あー、うん。良いよー」
あまりにも軽いオーケーだった。
だが、少女は違和感よりも
「本当……っ!?」
「本当本当。だって、付き合うって『あれ』でしょ?」
――
彼は、眠そうだった目をくわっ! と解放させて、
「学校内でいちゃいちゃして、非リア軍団に
「ん……?」
「クラスの
「さ、
「休日は、デートしていたってことにしよう! 俺、暇じゃないからさ。デートできんのよ」
「デートできんのよっ!?」
「ということで、今日からよろしくね」
「――別れよう」
「速くない?」
「当然だよ」
さっきまでリンゴのように赤かった少女の
両目には、それぞれ一粒ずつの
「綺麗な栗色の髪……学校内でも
彼女は、右手を大きく振り上げた。
――瞬間。
彼は、それを感知した。
「死ねっ!!」
そんな暴力的ワードと共に、少女は目の前の人物へ、
彼は、その一撃を――
「おっ、と」
――うしろへ後退して、回避した。
急な少女の
まるで、『そうなること』が予知できていたかのように、平静な様子を保っていた。
起き上がって、
「大嫌いっ!!」
そんな言葉を吐き捨ててから、その場を走り去った。
彼――
「女って、こわ……」
「――それは、私も?」
「げっ、その声は……っ!」
光一は、体育館の
それは、昔からの強い関わりゆえのものだろう。
美少女は、光一の目の前まで近づいた。
そして、口を
「げっ、て何? げっ、て」
「ど、どうもです。
「あぁ?」
「なぜに
「ちょうどさっき、とてつもなくムカつく光景を目にしたからよ……っ!」
「ちょうどさっき……?」
「そう、ちょうどさっきよっ!!」
「珠美さんがこんなにもムカついているなんて……っ! 誰だ? 彼女をイラつかせたのは……!」
「
「なんで!?」
彼女――
「良いこと? 光一。好きでもない人と、付き合うのは絶対にダメよ! 絶対に!! 次、不純な動機で告白を受け入れてみなさい」
「は、はい……?」
「1万回は殺してあげるから……!!」
「やっぱり女は怖い……っ!」
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